時刻はまだ5時前、冬の夜空はまだ真っ暗で、街道には深夜便のトラックが音を立てて通り過ぎてゆく。指先がしびれ、耳が痛いほど寒いんです。ここがどこなのかもわからないんです。
こいつぁたまらねえ。とりあえず目の前にあったベンチに座る。冷たい・・・。冬を過ごすホームレスの気持ちが痛いほどよくわかる。マッチ売りの少女だって、腹が減っていてもまずは暖炉がほしかった。しかしライターをつけて煙草を吸っても、やさしいおばあちゃんも暖炉も出てこないぞ。眠いが寒くて寝られやしない。しかしここで寝入ってしまったら凍死するか?
タクシーも通らないが、もともとフランスの通貨を持っていなかった。迂闊なことに、小切手しか持っていなかったのだ。日本円とイギリス・ポンドは少々持っていたが、夜行の船とバスでやってきたので、両替をするチャンスがなかったのだ。しばらく街道を歩いたところに深夜も開いているカフェがあったが、小切手は拒否されてしまった。まーそうだろうねw
しかたなく先ほどのベンチへ戻り、夜が明けるのを待つことにした。目をつむると、通り過ぎるトラックの音だけが聞こえてくる。寒さに耐えながら、薄れゆく意識のなかでドップラー効果の連続再確認をさせられる。まだ真っ暗だ。銀行が開く時間になったら歩き出すことにしよう。。。
一ヶ月もイギリスとフランスを旅してくるの?羨ましいわ。ねえ、私も連れて行ってよ・・・
(H子さん、羨ましくても来なくてよかったですね)
(S代さん、優雅とはほど遠いようですが、憧れますか?)
優雅すぎるよ。風来坊の旅なんて。そんな旅行憧れるなあ・・・
行かないでって言っても、あなたはきっとさっさと出かけてゆくのでしょうね。そしておしゃれなカフェでパリジェンヌでも口説くんでしょう?・・・
(M美さん、場末のカフェには現金がなくて入れませんでしたよ。
しかもいたのは男ばかりでしたね)
今頃はパリもロンドンも空いているでしょうね。いいわね、のんびりできて・・・
(Y理さん、たしかに空いていますね。あたりにゃ誰もいませんよ。
のんびりとゆーか、時計の針がなかなか進まないんですけど…)
昼間は元気に観光しましたぞ^^;
*あとでわかったことですが、ここは街の中心から地下鉄で数駅ほど離れたところでした。「パリ行き」って言われてもなぁ・・・w(゜゜)w
シャンゼリゼ通りを歩いて凱旋門~(^益^)b