千畳敷の朝を迎えました。高山病で頭がズキズキして、ほとんど眠れなかった・・・。
そして窓の外では、早朝から登山をする人々の気配が聞こえていました。山の朝はとても
早い。ホテルのチェックインは14時と早く、チェックアウトは9時に追い出されてしまう
のです。
もちろんとても静かなのですが、夜の静けさとは違う。鳥の鳴く声があちこちから
聞こえてくるからです。360度、そして低い所、高い所から聞こえてくるので、すごい
立体感。人間、本来はこういう自然のなかで暮らしていたんだろうけどなあ。
空気が澄んでいるから?空がすごい青さだ。
一方で下界は雲の下。町ではうす曇りの天気でしょう。こちらは青空という優越感。
ところで正面に富士山が見えますか?
ほぉ~れ、遠いもんだから珍しく目立ってないけれど、やはりそのお姿の貫禄はひと味
違いますねェ。カールからプリンを見たっつーかー。
さて朝食後。外に出てみると、もう登山者はずんずん登っておりました。まだロープウェイ
始まってないけど?もう明け方に下から登ってきてたの?
ほれ、一列になってアリンコみたいだ。歩くと雪はザクザク沈むし、坂は急だし大変だぞ。
俺が昨日散歩したのは、水平に進んでいって、右下の草が見えているあたりまででした^^;
9時にチェックアウト時間。せっかくこんな高い所まで来たんだから、それからゆっくり
するかな、と思っていたのだけれど、頭が痛いので早々に降りることにしました。
ロープウェイからバスに乗り継いで降りてきたところです。千畳敷はもうすでに雲の上。
高山病は、降りたらあっという間に治りました~。
夕方5時になると、ロープウェイが終わり、下界とは切り離された標高2600ⅿの世界。
後ろの宝剣岳の向こうに日は沈み、はるか下界には稜線のシルエット。
まもなく暗くなる時間になりました。
ロープウェイのガタコトいう運転音が消えると、山はものすごく深い静寂に包まれます。
普段は騒音でいっぱいの都会に住んでいると、こういう完全な静けさにはとても遠ざかって
いたな、と改めて気づきます。音のない世界に癒される。
この日は20人ばかり泊まっていたようです。お食事はなかなか立派。酒を飲んでいたら、
頭がズキズキしてきました。そりゃあ昨夜はだいぶ飲みましたが、翌日の夜になってから
二日酔いになるわけはない。飲んでいて頭が痛くなるなんて??
実は寝るときになってもっと頭痛がひどくなり、結局ほとんど眠れず。ハタ、と気づいたのが
高山病。一気に2600ⅿまで登ってきましたからね。調べてみると、標高2500ⅿを超えると
4人にひとりが高山病になるそうです。症状は頭痛で眠れなくなるって、そのものですー。
夜に外に出て星空を見ました。雲が流れて星が見えたり隠れたり。でも雲海の上にきれいに
見えている時間もありました。北斗七星と北極星などがよく見えましたよ。ちなみに地平線に
近い所の星もよく見えたのが印象的でした。だって普通、低い位置は明るくて星がよく見え
ないでしょ?真っ暗なら、本来天空のドームいっぱいに星が見えるはずなんだ!
しばらくすると、満月が煌々と輝いて、そのおかげで星がよく見えなくなるというアクシ
デント(?)。これは計算外でした。でもこの画像、雲海に月の光が当たっていて、それは
それできれいでしょ。
ついに標高2600ⅿなんてところに来てしまいました。バスとロープウェイで、全然登山
してないんだけど。まだ時間も早いので、さっそく「千畳敷カール」を歩くことにしました。
「カール」とは、ドイツ語で"Kar"です。氷河が成長と共に高い山の山肌を削り、巨大な
プリンをスプーンですくったあとというか、大盛チャーハンをおたまで削ったような形に
なったものです。たぶん君の頭に浮かんだチーズ味、カレー味の「カール」は、英語の
"curl"で、くるっと丸める、髪の毛をカールする、のカールです。違うんだよ(^益^)w
後ろの山の頂が宝剣岳。2931mだってよ。
雪の積もった遊歩道を歩いて行きます。夏にはお花畑になるそうですが、いまは真っ白。
宿泊するホテルの全景が見えます。右側はロープウェイの駅舎。
さあて、ここが千畳敷カールだ。おたまですくったあとのようなところを歩いています。
バスとロープウェイで来ちゃったもんだから、ジーンズにスニーカーです。すごいところに
軽装。散歩だけで登山はしないからね。
さてここらがカールの中心部。すべったら下までシャーっと逝っちまうんでしょうかー。
ぐるりと回る遊歩道コースでは、ここを降りて行って右に戻るのですが、やめておきました。
けっこうな坂ですしね~。
雪は柔らかく、足を踏むたびに「ザクッ!ズルッ!」となり、なかなか疲れます。
とても静かなのですが、このあたりを歩いていると、水の流れる音がしました。雪解け水
でしょうが、流れは見えません。この岩の向こう側あたりのようです。これがちょっと
離れると、もう聞こえなくなるんです。
さっきまで青空だったのに、あっという間に霧が出てきました。
岩がゴツゴツ。ここを縦断するってのも爽快だろうけどなあ。
さて戻ってまいりました。山の色のグラデーションがきれいでしょ。
駒ヶ根からバスで小1時間、急な山道を登り続けてロープウェイの駅へ。
左奥の売店に、ソフトクリームが見えるでしょ。バスを降りたおじーさん、連れていた
少年に「おっ!買ってやるぞ♪」と二人して嬉しそうに行きましたが、少年が「うえ”~~!」
と泣きを入れました。おじーさんは「ないんだからしょうがないじゃないか・・・」と
慰めていました。あ~ん、かわいちょ^^;
平日とあって、ロープウェイに乗った人数もこんなもん。みなさんどどっと前に行きました。
ロープウェイは、後ろのほうが景色がいいと思うのだが。
しらび平駅には、標高1662ⅿと書いてありました。出発した駒ヶ根駅は700ⅿないので、
バスで1000ⅿ近く登ってきたわけです。そしてロープウェイに乗れば、数分間であっと
いう間に2600ⅿ!ぜんぜん歩かずに、バスで1㎞、ロープウェイで1㎞といういんちき。
私は2600ⅿなんて高い所に行くのは初体験なのです。
6月ですから、最初のうちは緑。
おお、1000ⅿ下界にある駒ヶ根の町が見えてきました。
1000ⅿも一気に登るんですから、このロープウェイはかなり急です。そして雪の世界に
入って行きました。
おおお、6月なーのーに! 雪の表面が、皺が寄ったように見えるでしょ。これは
「シュカプラ」といって、積もった雪が強い風の力で波目紋様になったものです。
ロープウェイが到着した建物がもうホテル。こんな高い所でも、おじーさんおばーさんも
楽に来られます。まだ14時前だというのに、ホテルは部屋に入れてくれました。親切♪
ちなみに雪が消えると観光客が増えるので、ひとりでは泊まらせてくれません。いまのうち。
これは部屋の窓から撮ったものです。高~いところなので、星がきれいに見えるかなと
期待していたのですが、どうも雲が多いようで。。。
下界はよく見えているので、夜になれば町の灯りはきれいに見えるかな。
「アドニス」という名前の店は、伊那にもあったなあ。ギリシャ神話でくるなら、「バッカス」
のほうがいいと思うんだけど。
奥の「レダ」もギリシャ神話に出てくる女神だよね。神話が流行りなのかねェ。
手前の「ムシカ」はミュージックのラテン語か? やけに凝ったネーミングが多い印象で、
「スナックあけみ」とか「幸子」といった定番系は少ないみたいだな。
うわー。スカートが破れてパンツが見えてる感じ。見えたら夢が破れるのだ。
しかし、それを写真に撮っちゃう俺って。。。 スミマセン。
「重役室」、絶対「高級」じゃないと思う^^;
「ゆきちゃん」は真っ白な子山羊じゃないのか。入口にとってつけた和風の屋根がポイント。
駒ヶ根のマンホールはすずらんですか~。
さて、こちら名物のソースかつ丼を頂くことにしませう。
初老の店主がおひとりでやっていました。
揚げたカツをウスターソースにくぐらせます。ポイントはそこで衣がベチャっとならない
ことです。噛んだ瞬間に「ザクッ」と音がしないとね(^益^)b
さて駅前に戻ってきました。とってもいい尻が3つ並んでいます。
「あこがれ」かー。この作者、シリに憧れを持っていたと思う。じゃなければ、あんな
感動的な形を作れなかったと思う。