さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

東鳴子温泉 黒湯

2011年03月31日 | 東北シリーズ


仙台の西にある作並温泉から、一路北ヘと車を走らせ、次の滞在先である鳴子温泉に向いました。せっかく車を借りたのだから、お隣の東鳴子温泉までもらい湯に行きました。ここは「黒湯」で有名な温泉です。



これはその温泉の裏から見たところ。
お風呂がある場所です^^
入ってみると客はとっても少ないようで、おばーさんがひとりで応対しました。
日帰りで風呂に入りたい、と伝えると、「あ~そうですか」と
まるで珍しいもんでも来たような様子。



内装がとってもレトロ。曲線がとってもオサレですよねェ~(^益^)b

こーゆーのを「ひなびた」と言うのでせうか。
もしくは「さびれた」とか。
「朽ちかけている」とも言いそう^^;


たしかに「黒湯」というのもわかります。深緑って感じかな。

この温泉には源泉が複数あり、館内にはお風呂がいくつかあります。
大きいところもありましたよ^^
 
おばーさんは「ここは混浴ですけど、今は誰もいないから好きなところへどうぞ」と言いました。
女性が入っていたら「遠慮せい」と言うのでせうね^^;

このお馬ちゃんはコインを入れれば動くのかしら。。。
片づける気力も出ないのをほうっておいたら貴重な博物館になっちゃった、
というところでしょうか(^益^)

 

さてさて、ポープの詩、「髪の毛盗み」の読書会は毎夜続いております。。。
ちょっと御紹介いたしませう^^
冒頭で主人公のうら若き乙女、ベリンダちゃんはここちよい眠りから目覚めます。
ベッドの傍らにはかわいいワンコがひと足さきに起き出して体を震わせています。昨夜は夜更かしをしたせいか、ベリンダは時計が鳴っても枕に顔をうずめ、しばし心地よいまどろみを楽しんでいます。その上には空気の精、小さなシルフが飛んでいます。これは目には見えないが、乙女の守り神でもあるのです。

What guards the purity of melting Maids,
In courtly balls, and midnight masquerades,
Safe from the treach'rous friend, the daring spark,
The glance by day, the whisper in the dark,
When kind occasion prompts their warm desires,
When music softens, and when dancing fires?
'Tis but their Sylph, the wise Celestials know,
Tho' Honour is the word with Men below.

何がやさしき乙女の純潔を守っているかって?
宮廷の宴会で、深夜の仮面舞踏会で、
たくらみをもった友だちから、大胆な男から、
日中の流し目、夜のささやきから、
うれしい出来事が熱くなるような欲望をかりたてるとき、
音楽が心を和らげ、踊りが火をつけるときにですよ。
それは他でもない、シルフなんです。賢い天使は知っているんです、
貞節なんてのは、地上に住む人間が使っている言葉なんですけどね。

~というわけで、ベリンダちゃんは遊び好きで、ちょっと気をつけなきゃいけないお嬢さん。
それを目に見えない精霊が一生懸命守っているんです。

前に「古典主義」っていう言葉でポープを御紹介しましたね^^;

この格調高い詩形を御覧下さい。

1~2行目の'melting Maids', 'midnight masquerades' このmで統一された単語の連続。こういうのを頭韻と言いますが、すばらしひ音の連なりではあーりませんか^^

'The glance by day, the whisper in the dark,' 真ん中で切れて、同じ形がふたつ続き。読んでみるとわかる調子の良さ^^

そしてどの行も弱強のリズムが継続して(日本語だと七五調みたいな?)、二行づつ韻を踏んでいます。

御覧下さい、最後の音が、ふたつずつ同じ発音になっているでしょう?この完璧な詩形が生み出す洗練された優雅さ、その美しさよ!・・・なんてマニアックすぎるか?(^益^;


ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所

2011年03月30日 | 東北シリーズ



作並温泉の近くに、ニッカウヰスキーの蒸溜所がありました。
北海道の余市にある蒸溜所に行ったことがありますが、ここにもあったんだねェ。
試飲♪試飲♪
 
↑ 看板でおわかりの通り、見学コースがあって、かわゆい案内嬢が工場をガイドしてくれます。
冬なので来客は少なく、我々の他に下品な酔っぱらいのオジサンの御一行のみ。
途中で先発や後発の他のグループをすれ違うが、よその案内嬢を見て「勝った!」とか
ひそかに思うおっさんなのであった(^益^;


受付ではニッカウヰスキーの歴史を物語るビデオが上映されておりました。広島の酒屋に生まれた竹鶴政孝という人が、1918年にスコットランドに渡り、ウィスキーの作り方を学んできます。当時ひとりで海を渡って学びに行くなんて、とても大変だったのでしょうねェ。 こいつはリタという当地の女性の心をつかみ、奥さんにして日本に連れて帰ってきます^^;


リタちゃんはすっかり日本人になりきって、政孝につくしたそうです。
しかし日本が米英と戦争をおこしたとき、リタちゃんは「敵国人」ということで
ひどくいじめられたそうです。。。
 
リタちゃんは迫害にも耐え、帰国することもなく日本人の妻として生き抜くことを決意。
それを政孝が一生懸命支え続けるという美しひ話になっていました。
 
日本のウィスキー作りのパイオニアとなった政孝。
その息子が工場を継いでゆくというところでビデオは終わるのですが、
政孝の息子、どうみても「ハーフ」には見えなひ。
 
こっこれわ・・・w(゜゜)w
 
もし現存するならば政孝とリタそれぞれの書簡、
特にリタがスコットランドの実家に書いたものを集め、
当時の様子を直接知る人々へのインタヴューし(もう年齢的にぎりぎり)、
それらのリサーチを総合しないと歴史にせまることはできないな、とか考える^^;


さておまちかねの試飲であります(^益^)b
 
シングル・カスク  ひとつの樽から出したモルト・ウィスキー。樽ごとに微妙な個性があるとか。
 
シングル・モルト  一箇所の蒸溜所で作られたモルト・ウィスキー。蒸溜所によって水や気候が違うわけで、その個性が味わえるというわけだ。
 
ピュア・モルト  複数の蒸溜所で作られたモルト・ウィスキーをブレンドしたもの。ブレンドの具合によって複雑な味わいになる。
 
ブレンデッド・ウィスキー  複数のモルト・ウィスキー(大麦)と、グレーン・ウィスキー(とうもろこし)を合わせたもの。さまざまな個性を持つウィスキーをどういう割合で混ぜるかは、ブレンダーと呼ばれる専門家の技ひとつにかかっています。
 
試飲でいろいろ飲ませて頂きました♪
シングル・カスクなんてのは、ここで出来たウィスキー、しかも特定の樽で出来たものだけに特別な体験をさせて頂きました… が、やっぱりブレンデッドが一番おいしい。やはりその道のプロフェッショナルがあらゆる組み合わせを試して作り上げたものだけに、豊かな香りに柔らかい口当たり、そしてウィスキー特有の焦がした樽香がしみ込んだ、アルコールのあと味が爽やかにいつまでも残ります。
 
竹鶴さんは理想のウィスキーを追い求めました。異なる風土で作られた原酒をブレンドすることで、より芳醇な作品を作ろうとしました。夢がかなったんだねェ(^益^)w


土産に「竹鶴」ブレンドを買って帰りました。 

「ニッカ・ウィスキー」とは、「大日本果汁株式会社」の略です。

最初のモルト原酒が出来るまで、何年も何年も待たなければならなかったので、

最初はリンゴ・ジュースを作っていたからだそうです^^;

 

考えてみればウィスキー会社って、最初の製品が完成するまで

5年も10年も待たなければいけないという大変な仕事なんですねえ。。。


古典主義とロマン主義

2011年03月29日 | 東北シリーズ



山寺の長い石段をヒーフーいいながら登ってゆきます。
さすがに人は少ない(^益^)w

鬱蒼とした木々に積もった雪が溶けて、そのしずくがボタボタボタ・・・。
石段は氷ですべりやすく、息を切らせながら登っていると上から水がたれてくる~(゜゜)
 
しゃて、今回の旅で読んでいる詩は約300年前に書かれたものです。
詩人のアレクサンダー・ポープは、18世紀英国において主流であった「古典主義作家」の代表格です。「古典主義」とはなんじゃらホイ?・・・それは「ロマン主義」とワンセットで御説明しませう。
 
拝啓 厳しき冬も去りて花粉の季節の到来なり。舞い散る桜吹雪に涙と鼻水にくれるそなたの姿思い出しければいとしさ増し、今年も是非お会いしたく御座候。敬具
 
軒先のつららが溶けてしずくがたれています。花粉症はいかがですか?またお花見に行きましょう。今度は箱でティッシュを持っていけばいいじゃないですかぁ。メール待ってま~す♪
 
前者が古典主義的手法であります(ホントカヨ) 規則を重んじ、均整の取れた形式美を追求するのです。「拝啓」から入って、時候の挨拶から入るのが基本形ですねえ(^益^)
 
後者がロマン主義的手法。形よりも、感情のほとばしりを重要視します。想像力も大切で、溶けかけたつららからたれるしずくが彼女の鼻水を連想させるなんて大胆な構成になっていますね(^^)
 
詩のみならず、音楽でも絵画でも、庭でも建物でも古典主義とロマン主義の対立的構図があります。
人間は、どんなものでもそういったふたつの傾向を持っているのでせう。
 
さ~て古典主義作家の親分、ポープの詩がどんなものか、次回以降を待て^^;


                    ↑↓ 画像をクリック!

↑ 前回の画像は、中央に見える駅のホームからここを撮ったものですよ(^益^)b


山を越え山寺へ

2011年03月28日 | 東北シリーズ

翌日は電車に乗って、作並から山形の山寺へ向いました。



御覧の通り、ローカル線は長いトンネルを抜けて面白山を越え、奥羽山脈の反対側へ出ます。


↑↓画像をクリック!

山形といえばドカ雪、と予想していたのに、あれっこんなもん?という感じでした。



これは4年前の秋に撮ったもの。同じ蕎麦屋にも行きました。



ここが山寺の入り口。
「岩にしみいる蝉の声」って、冬ですからねェ(^益^;


思っていたより気温も暖か。
つららも溶けていました。。。


The Rape of the Lock in 作並 1

2011年03月26日 | 東北シリーズ



さて、冬の東北・仙台を中心にぶらり旅。
ナント今回の大地震の直前に行ってきたのです。間一髪w(゜゜)w

お会いしたいろいろな方々の顔が浮かんでまいりますが、皆さん大丈夫かな。。。(´;д;`)ノ

このブログシリーズでは、まず2009年3月の旅からご紹介して、
合わせて今回2011年3月の旅をご紹介いたします。



東京から新幹線でスカッと仙台へ到着。駅からレンタカーを借りて一路西の作並へ(゜゜)
レンタカー受け付けのおねいさんの化粧が異様にぶ厚かった…。
これが東北の標準装備か? ( ゜Д゜)y-~~ オメンヂャネーカヨ

泊まったところは川べりにある露天風呂で有名な温泉旅館です^^
ごらんのような長い長い階段を下りてゆき(サムイ)、
ようやくヲ風呂に到着するのです。

あんまり降りる階段が長いせいか?途中で休憩所があるのだ。
 
さてここは混浴であります゜益゜
注意書きがありました。
 異性をジロジロと見ないように。
 カメラの持ち込みは禁止。
 
ヽヽ(゜益゜≡゜益゜)ノノ たしかに混浴風呂にカメラを持ち込まれちゃあ「盗撮」なんてことにも
なっちまふ。とゆーわけで、誤解を受けないようカメラはしまい、みなさんに風呂の様子を
お見せすることはできませぬ。
 
ちなみに「混浴」といっても、しっかり「女性専用」の時間が組まれておるので、女性はみ~んな
その時間に利用するのでせう。。。

あれ?風呂の写真あるじゃん、と思いましたか^^;

 残念ながら、この女性は私が一緒にいった恋人ではありません。

宿のHPから拝借した画像です。宣伝になるんだから文句もでないだろ^^

  

さてタイトルの"The Rape of the Lock"、なかなか意味はわからないでせう。

「レイプ」なんて言われるとギョッとしそうな感じですが、これは「強奪」という意味であって性犯罪ではなく、「ドロボー」ってところでしょうか。ロックは「髪のひと房」です。すなわち「髪どろぼう」という、18世紀の英国の詩のタイトルなのです。 

文学者たちが集まってのんびり温泉に3泊するので、何か面白い詩でも読もうか、と選んだ作品がこれなのです。

これからぶらり仙台の旅をレポートしますが、同時にこの「髪どろぼう」のお話もおいおい御紹介してゆくことにいたしませう(^益^)b