朝になり、鵡川駅前にやってきました。駅舎は改装中です。
前回はここから列車で苫小牧に行きました。今回は苫小牧の駅から少し離れた
イオンに行くので、そこを通るバスに乗るのです。
御覧の通り、ここから先は廃線になってしまいました。
土曜日だったので、何やら小学生のグループが乗り込みます。リーダーの大人が
子供たちに「電車乗ったことない人~?」とか聞いています。どうやら「電車体験」
の企画だそうです。いま、東京都心の私の部屋は線路に面しています。数分おきに
あっちからこっちから電車が行き交います。窓を開けているとテレビの音も聞こえ
なくなります。なので旅に出ると、静かだな~~~~としみじみ感じたりしますぜ。
笑ったのがコレ。列車がホームに入ってくると、「列車が来ます。渡らないで下さい」
と自動アナウンスが入りました。すると何人かのこっちにいた乗客はここで待って
いました。でもね、ここより先には絶対行きませんよ。廃線になってるんだから。
列車は向こうのホームで止まって、そこで折り返していきます。なんのためにこの
アナウンスを流し続けているんだ??? 素直に待っていた人たちは「なんだよ」と
言いつつ渡っていきました。(^益^)w
秋晴れの北海道の空はとても気持ちがいいですよー。全体をお見せできなくて残念。
苫小牧、駅からバスで15分ほどのイオンにやってきました。小樽のショッピング
モールもひとつの町ぐらいに大きかったが、ここもデカいぞー。
封切りになったばかりの「シサム」を観る。時は江戸末期。松前藩がアイヌを
虐待していた頃で、主人公の青年は蝦夷に実家の交易を手伝いに行きますが、
そこで死にそうな目にあって、アイヌに助けられます。平穏に暮らす人々のなかで
彼は次第にアイヌと親しくなりますが、アイヌ征伐にやってきた和人との間で
はさまれる立場に追い込まれるのでした。
「ゴールデンカムイ」よりは内容が見ごたえあったなあ。暴力で滅ぼされる民族を
どうにも救うことができない主人公の涙が印象的でした。
それにしても地方都市のショッピングモールの規模には驚かされます。だいぶ遠く
からもみなさん車で来るようです。これが出来ると古くからある町の商店街が
ぜ~んぶ廃れてしまうのです。人はみんなこっちに集まるからなあ。老舗のデパートも
同じことをしてきたわけですが、それも全国で次々に閉店していますね。私はその
閉店するあちこちのデパートを見てきた最後の世代になるわけだ。
小樽の「なると屋」がありました。なんか別のショッピングモールで食べたときと
内装まで全部同じだぞ? いつどこだったか、店は違うのに完全デジャブーw
フライトは一番安いやつを選んだので18時。空港で2時間余り待つことになったので、
ゴールドカードを使ってラウンジへ。むか~しビジネスクラスで英国に行くときに
使ったラウンジはアルコールも含めて飲み物食べ物が充実していて広い空間にゆったり
ソファー、とっても贅沢な印象でしたが、ここは混んでいるドトールコーヒーより
ひどい。ほぼ満席できつきつ、紙コップのコーヒーのみ。それでもいちおう席を
取れたからまだ幸いだったか。
ラップトップのPCを出して新聞でも読もうかと思ったが、何やらブラウザの
バージョンが古いらしくてwifiが使えず。スマホで新聞を読む気にはならず、
持っていた本を読んで過ごしました。
新千歳空港の土産屋さんはごった返していて、レジには30人くらい並んでいる列もw
飛行機はぎっしり満席でしたーwww
小樽ではあちこちの酒場で「もってけ♪」と土産を渡された。「これから平取の
ほうを回るので、生ものなんかはダメなんで遠慮しますぅ」と言ったら、「干物なら
大丈夫でしょ♪」といろいろ持たされました。なんか田舎のおばあちゃん家に
帰ったような気がします。ありがとうありがとう m( _ _ )m
沙流川も見たが、この富川での乗り換え待ち合わせは1時間あまり。ここにずっと
立っている気もしないので、町にほうに少し歩いてみよう。ツルハドラッグとか
コンビニもなあ。
お、微妙な夜の店もあるが、夕暮れ時なのでまだやってない。もしかするとずっと
やってないかもしれない雰囲気でもあるがw
あ~、コスモスが咲き始めているのねー。
お、廃線跡。海岸線沿いに様似のほうまで通っていたが、台風で被害を受けてから
復旧の目途が立たず、これから行く鵡川までになってしまった路線です。
アスファルトになっちゃって、少し悲しいですね。
いつまでそのままになってるのだろうか。
さてバスに乗りましたー。
そして鵡川で下車。人っ気が全然ありません。
お、店がありますね。あとで来ようか。
この町の宿泊施設は選択肢がほとんどない。この「ワークマンハウス」はその名が
示す通り、工事関係者の出張御用達だそうです。まー観光客はあまり来ないだろうし
ねえ。昨夜の平取の宿では、工事関係者のグループが騒いでいたのでうんざりしたが、
ここもそんなだったらやだな。
どうやら宿泊客はそんな人たちばっかりだったけれど、幸いうるさいことは
ありませんでした。この宿、朝には無料で塩むずびを1個サービスしてくれました^^
共同の「大浴場」なるものがありましたが、それはパスして早速飲みに出る。
北海道最後の夜だし、立派そうな寿司屋に♪
タコザンギと筋子を少し切ってもらってビール(^益^)b 贅沢気分♪
寿司を握っているのは玉木宏似のカッコイイ若旦那。おそらくは先代の大旦那は
横で酒を出したりするだけでサポート役に徹しており、カウンター内はすべて
若旦那に任せていました。孝行息子にしっかり譲ったんだなあ。。。
とっても感じのいい家族経営の店でした。
さて2軒目は。。。 もう夜も更けてネオンが灯っているぞ^^
いくつかあるのう~。
ま、ここにしてみますか^^ 「ニューエリーゼ」って、昭和感あるじゃない?
期待通り、昭和の雰囲気でした。ひとり客なのでママさんと長く話しました。
お会計をしたあとで、また話が始まっちゃって、飲み物追加なんてした記憶が
ありますが、いったいそんなに長く何を話したんだか。。。(^益^;
またもや午前様となりました。。。
平取のアイヌ資料館を見たあと、復元されたチセを見てバス停に向かう。
集めてきた材木と萱を使ってチセを建てる様子はビデオでたっぷり観ました^^
この一番上のところが大変そうでした。
中に入れるところがあったので覗いてみます。
天井はこんな感じ。冬はきっと寒いぞ。そういえば東京も昭和の時代は冬に寒くて
朝、布団から出るのが嫌だった記憶がありますが、いまはそんなことなくなった
なあ~。
壁はこんな感じです。
こういうところに住んでいた人たちも、もうほぼいなくなりました。
15:56の最終バスに乗って、今宵は鵡川に向かいます。苫小牧は以前に宿泊した
ことがあるし、少し手前のししゃもで有名な鵡川に泊ることにしたのです。
バスは沙流川を渡っていく。
お、あれは競走馬じゃないな。
顔をつっこんで食べてるよ(^益^)w
だんだん夕方。
バスは富川という太平洋に面した町で乗り換え。「富川市街」というバス停だけれど、
あんまり市街地って感じでもないぞ。
ここは平取を通る沙流川の河口です。
ちょうど半分が曇りで、半分が晴れの境目ですよ。太陽は雲の向こう側なので、
暗くなってきました。
沙流川の上流方面。
まわり360度見渡せるので、空の広いこと! ビルばかりの東京に暮らしていると、
空の広いことを実感します。
タイトルのアイヌ文化博物館に入ります。
さすが萱野氏の私設資料館と違って、たしか3億円以上かけて建設した町立だけに
建物ははるかに立派です。ただし展示品は萱野氏から譲り受けたものですが。
棚の素晴らしさのほうに目がいったりして^^;
こちらに並べられているものは芸術的に立派なものが多いようです。
たしかに「昔の道具」という資料館ではなく、立派な博物館ですなあ。二つの施設で
住み分けしたのは悪くないやり方だったかもしれません。
こっちでは、きれいな囲炉裏は逆に浮いて見えますね。ビデオのボタンを押すと、
アイヌのおばあさんが語る伝承物語の映像が流れました。これは萱野氏が大変な
努力とお金をかけて収録したものじゃないか?と思ったら、やっぱりそうでした。
これはお神酒などを入れて、カムイに捧げるための重要な儀礼具です。
こういう舟で沙流川を行き来していたのです。ダムが出来る前はねw
大事な小刀。
これはすごく豪華な服だなあ。さすが博物館入りって。
鮭の皮で作った靴。すぐに破れちゃったㇼしないのかなぁ。
萱野氏編集のDVDがいくつかありました。時間も限られていたので、アイヌのチセ、
外に復元されている萱の家を造る映像を観ました。1時間もの^^;
そしてゴールデンカムイの映画に使われた衣装が特別展示されていました。
長い漫画だけれど、北海道の図書館、日帰り温泉施設にも全巻揃っていたので、
あちこちで2周読んだなあ。
昨日に続いて二風谷に歩いてきました。国道の東側には萱野氏の資料館、反対側の
西には町立の二風谷コタンがあります。今日はこっち側を見物。
アイヌ伝統の家々が復元されています。「コタン」とはアイヌの「集落」とか「村」
とか訳されることがありますが、一軒でも、大きな町でもそう呼ばれます。
さすが町立のものはきれいだな。
昨夜は「平取豚」だったので、「平取牛」のカレーを食べました。コタンの景色を
眺めながら食事が出来る観光客向けの食堂です。
さてアイヌの博物館を見る前に、その奥にある「沙流川歴史館」から見てみる。
国土交通省 北海道開発局 室蘭開発建設部という、役所感がプンプンするところ^^;
入場無料。
ガランとして金がかかっていそうなところがいかにもデジャブーw
ダム建設の際に掘り出された発掘物。この他、特に写真に撮る気にならなかった
ダムの役割の説明(工場用水のために建てられたが、その工場は出来なかったという
話はもちろんない)、鮭が登る道はダムの横に確保してある説明(あの汚くなった
ダム湖に鮭が上るのか?)などがありました。
いま流行りのシマエナガ。この近隣の自然についての紹介もありました。ダムは
見事に自然破壊なんですが。。。
平取の昔の写真。こんなのは見て面白かった。
バスで二風谷小学校を通過しました。明治時代、初めて小学校が出来たときは
萱葺きだったのですね~。
それが木造校舎になったと。
このあとボタンを押して上映されるビデオを見ました。「沙流川の自然」系よりも、
「アイヌの神様の伝説」が面白かった。人間界に降りていく神様の代表を決めるとき、
立候補した神様が、「笑わなかったら行ってよし」という試練に挑戦します。
どんな笑い話、おふざけ芸にもムスッと通した神様ですが、最後に男女の痴話喧嘩を
見たとき、そのあまりのくだらなさについに笑ってしまい、逆ギレするという内容
でした。やっぱり最後は下ネタですよねェ~(^益^;
裏のテラスからは沙流川が・・・あまりよく見えなかったぞw