混み合っている五稜郭タワーのすぐ横に、ほとんど見物客のいない「北洋資料館」が
あります。入場料は100円です。
入るとすぐにホッキョクグマのはく製がお出迎え。
その向こうにはトド。こいつはデカい。全長4mになったりもするそうで、網を
荒らして大量の魚を食っちゃうので、「海のギャング」と呼ばれたりするそうです。
ちなみに一夫多妻で、大旦那様はメスを10~15頭も抱えるハーレム大王だそうで。
お疲れさまです。。。
「海を拓く(ひらく)」という10分ビデオがありました。スイッチを押して、たっぷり
見ます。古~い映像で、「北洋母船式底曳網漁業」、「北洋トロール網漁業」、
「北洋母船式鮭鱒流網漁業」、「北洋母船式カニ漁業」の様子を映して解説して
おりました。
ん? なんか聞いたことのあるナレーションの声。。。(=゜益゜):;*.’:;
なんと~~、押坂忍と大竹しのぶの、ダブルしのぶコンビ!
久しぶりに「ベルトクイズQ&Q」の声を聞いたぜ!
大竹しのぶは子供のときの声みたいだ。大竹しのぶが質問をして、押坂忍が解説を
してゆくというスタイル。語りの声のほうが歴史的価値があるみたいな^^;
お母さんが小学生を連れた1組がいましたが、ほぼ私ひとりでした。
昭和29年には、カムチャッカ半島やベーリング海のほうで漁業をしていたとー。
低気圧の吹き溜まりと言われる寒い北方の海で、漁師さんたちは頑張っていたの
ですね~。「か~ちゃ~ん、ベントーのおかず、またシャケかよー」なんて言ったら
バチが当たるのです。
ヒマそうにしていた初老の係員さんが話かけてきました。なんだろ?と思ったら、
こちらの「航海体験室」が面白いよ、と勧めてくれたのでした。ここはドアがついた
小さな部屋になっており、中はご覧の通り船室になっている。ボタンを押すと航海が
始まり、舵を握って前を見ると、窓の外にはスクリーンで航海の様子が写っている。
そして部屋全体が揺れるのですが、それが波間を進んでゆく様子に映像が合わせて
あり、自分が船に乗って揺られているような気分になるのです。なんかディズニー
ランドの宇宙船に乗るやつがそういうしかけになっておりましたな。
こちら映像と動きが微妙にズレていたりもしましたが、それはご愛敬^^;
白黒映画で、捕鯨を描いたビデオがありました。これも古い~。
クジラの群れを追いかけ、船の舳先にある巨大なモリをどかーん!と発射し、クジラに
ぐさっと刺さる。それを引っ張りよせて、最後にゃ心臓を貫いてとどめをさす。
港に持ってきたら、それを解体する、といったようなドキュメンタリーでした。
クジラとかイルカといった哺乳類は賢くて可愛い。だから捕鯨は「ひどい」と批判されて
禁止にされたりしています。高等生物は殺すのがダメで、ゴキブリやハエはいいん
ですか。人間から見て「カワイイ」といけないの?家畜はいいけれど、野生動物は
ダメなの?どう考えても人間のやることには納得ができませんねー。
「北洋資源の見直しと有効利用」というコーナーでした。最初は真っ暗で、ひとつずつ
画面がつき、ついたやつの解説をしてゆき、全部終わったら、このように全灯になった
わけです。いまなら巨大スクリーンで、パワーポイントのように画面を変えてゆく
でしょう。というわけで、この前時代的なシステム自体に私はこころ打たれたのでした。
こういうのって、なんでも新しくリニューアルすればいいってもんじゃないんですね。
この資料館の展示全体が昭和な歴史を感じさせる展示品だったとも言えましょう。
だから、今後何十年でもこのままに残しておいてほしい気がするのでした。
おさるさん見物も終わり、ホテルのチェックインの時間が近づいた。海辺を歩くと
函館山が見えています。
今回予約した部屋は、いわゆる和洋室。畳だとゴロッとできたりもしますしね^^
冷蔵庫に入っているビールが、前回は缶だったのに瓶にパワーアップ!
さっそくじっくりと風呂に入って、サウナ→(凍るような)水風呂→露天風呂→
内風呂のフルコースをやって、のどを乾かしておいて、一気に飲む!(=゜益゜):;*.’:;
そして夕方になったら、五稜郭方面に繰り出すと。ビールは一本飲んでいるので、
スタートから日本酒でいけるぞ(^益^)b
で、この日に目指したのは、「四季 粋花亭」。料理で評判という情報を仕入れて
あ~る。到着してみると、ん?灯りはついちゃいるが、暖簾が出ていない?
開店時間は過ぎているはずだが? ひとり酒のときは、わざわざ予約しない。早めの
時間に行くしね。そして携帯電話も持って行かなかった。電話もかけられぬ。
しかたなく、ぶらり近所をひと回り。戻ってみても、このように同じ状況。
んでとりあえず入ってみた。「すみませ~~ん」。。。
すると、中にいたご主人が顔を出す。「すみません、やってますよね?」と聞くと、
「今日は一軒も予約が入ってないので、どうしようかと思っていたんですよ。でも
どうぞ。コースだけならできますけれど」という返事。せっかく来たので、ガランと
した店のカウンターにひとり座り、そのコースとやらをお願いすることに。
日本酒はなかなか揃っていた。
おお、という前菜。ひとつひとつが大変凝っていて、それもなかなか旨い。じつに
これだけで最初の一本を空けてしまうだろう。
コースで出てこなければ、酒を飲み始めた序盤に汁物は注文しない。この魚、
なんだったっけか。骨が噛まなくても崩れ溶けてゆくほどの柔らかさ。
やはりヤリイカはなくてはならぬ。このあたりで2本目が空いてしまう。
酒はメニューに書いてあるだけではなく、横にある冷蔵庫を見せて「まだいろいろ
あるんですよ」との誘惑。まいっタネ^^;
魚の煮物が出てきて、ちょっとご主人にコースを聞いてみる。もう食べ物は入らない。
これから揚げ物とか出てきたら困ってしまう。するとこのあとに御飯ものが出る
そうで、それはキャンセルして頂くことに。
酒は入るのである。呑兵衛ということでしょうか。そんなに強くないのですが、
まあ好きなんですぅ~w 料理は途中でストップしたので、少し料金を安くして
くれました。お会計を頼むと、最初に「3000円でいいです」とおっしゃるので、
「え???(これだけ飲んだのに?)」と固まると、「あ、料理がですよ♪」と
いうことでした^^;
「普段は一品料理で注文できるので、また来てください」と言われて帰りましたー。
さすがに五稜郭付近は、かつての繁華街・松風町よりも賑やかです。
この奥にあるホテルのバーも好きなのですが、ちと酔っぱらっているので、また
ここは後日に。。。
おさるさんたちの次は、温室内に入って花々を鑑賞。
たしかに北海道の寒い時期とは思えない場所。箱根にも「ベゴニア園」なんてのが
あったなあ。そういえばアイスランドにもバナナがなっているところがあったり。
中に入ると、モワッと温かくて、湿度があるのです。
私はこういう清楚でさりげない美しさが好きですねー。
こういう自己主張の強すぎるのはどうも…。
こういう紫系も好きですー。
暖かい場所なので、カメさんもいたりします。
サボテンなぁ~。ウィグルの砂漠を思い出すなぁ~。
こういうきれいな花の接写が好きな女性がいたなあ。お元気にしてるかな。
インコもたくさんいました。外は寒いのに、暖かくていいねえ、なんて、ご本人たちは
ここに閉じ込められているので、わからないでしょうね。人間も似たり寄ったりで、
閉じ込められた範囲で喜んだり文句を言ったり、絶望したり幸せを感じたり?
この日は函館ベイエリアから、湯の川温泉に宿を変えて、いよいよ後半戦。
チェックインの時間まで間があるので、熱帯植物園に行く。
ここにはおさるさんがいて、冬には温泉に入っているのです。
ホラね^^ 温泉の湯舟で見たおじさん、おじーさんたちと同じ顔をしています。
左は奥様のようです。右の旦那さんの浮気に怒っているのではなく、歯の間に
はさまった食べかすを取ってあげているのです。見つけたら、つまんで食べ
ちゃうんですよ!よほど愛してらっしゃるのね…w(゜゜)w
おさるさんたち、それぞれ顔つき、ヘアースタイルなどがみんな違います。
どれがカッコイイの? いや、美しいの?
小さい子供は、どんな生き物でも可愛いですよねェ。
露天風呂で私も経験ありますが、入っていると熱くなる。出ると寒くなる。だから
こんなふうに、半分入って半分出ているのが心地よかったりして。しかしおさるさん
たち、濡れて外に出ると寒いですよね?だから、なんとず~っと入っているそうです。
ずっと入っていると、ご覧の通り、毛が抜けてきちゃうそうなのです。
入らない連中は、このように冬は厚い毛に覆われて、体を寄せ合って寒さをしのいで
おります。これが本来の姿でしょう。
しかしホレ!ずっと入っているやつは、すっかり毛が抜けてしまって、なんだか
病気みたい?脱毛エステに行ったのではなく、温泉に入りすぎて抜けちゃったん
ですぅ~。こうなると外に出られないですよね!冬のあいだじゅう、ず~っと
入っているの?寝るときは…?
大混雑の函館山から降りてきて、十字街から路面電車にのって松風町へ向かう。
今日は一日券を持ってるからね^^
十字街は、路面電車が二又に分かれるところ。なんか電車が止まっているので
見ていると、運転手が降りてきて何かやってます。ん、故障?
おお?手動で線路を切り替えてるの?これっていつも?
さて飲み屋が連なる松風町。路地裏にある、老舗の山吹に行く。
函館山の展望台はごった返していたけれど、ここに入ると静かな異次元でした。
店主も老夫婦ですが、客も近所の常連の老夫婦が2組。まったりいい感じです。
まずは何を飲みますか?と聞かれて、とりあえずビール。女将さんに、「この寒い
のにビール~♪」と言われる^^; 考えてみれば、どんなに寒くても冷たいビールは
飲めるもんだよなあ。
カウンターでお隣の、すっかり出来上がった陽気なじいちゃんに話しかけられる。
向こう側に奥さんがいて、「からむのよしなよ!」と何度も注意されているが、まあ
こちらも楽しいので適当に相手をする。お二人は早い時間に帰って行った。最後に
「この旅の人に一杯あげてね」と酒を奢られる。どうもすみません(^益^;
牡蠣を食べたあとは、ニシンがあるというので焼いてもらう。
こんどは向こう側にいた老夫婦のおばちゃんのほうが話しかけてくる。老後の話に
なって、旦那さんは70くらいでお迎えが来ると考え、それに合わせて蓄えを使い、
おばちゃんは「死ぬつもりでどんどん使うんだから!」と俺に愚痴る。じいちゃんは
それに対して返事をしない。どう見ても70半ばは過ぎている。うーむ、予定より
元気だったのね~。しかし貯めて貯めて死んじゃったら悲しいしなあ。女性は長生き
して一般的に後家生活が長いので、残しておいてほしいと思うだろうけれど…、
ニシンが焼けた。雰囲気はいいし、酒がすすむ。そうこうしているうちに、ここの
大将が「あと2年でやめるんだ」と話し出す。そりゃ困るよ、俺がまた来たときに
好きな居酒屋がなくなっちゃうとー。でも70にもなると、そりゃあ引退も考える
よねえ。
そぉ~だ。俺が好きな居酒屋は、昭和からやっているような古い老舗です。そういう
ところはだいたいじじばばがやっている。跡取りがいないことが多い。なにせ
古い居酒屋に息子がいたって、あとを継ぎたいなんてあまり思わない時代だよなあ。
そうなると、あと5年10年で閉店の危機なんだよ。古い喫茶店も絶滅危惧種に
なってるもんなあ。そうか、、、俺より若い人がやっている店を探していかないと、
今後末永くおつきあいできないのかあー。
新鮮なヤリイカはコリコリと旨い。やわらかい日本海の白イカもいいけれどね。
大将はウルトラマンタロウの主題歌を、替え歌で披露しました。若い人には
わからんだろう^^; 「函館の女」では、歌詞に「灯りさざめく松風町は…♪」と
ありますが、平成になって繁華街は五稜郭のほうに移り、松風町はすっかり寂しく
なってきたよなあ、などと切ない話になりました。いやあ俺はうらさびれても
こっちのほうが好きだね!
松風町にはいくつかいい感じのバーがある。行く予定でいたのに、山吹で話が
はずんで、すなわち酒を飲みすぎて、フラフラ状態だったので、この日は
あきらめて帰ることに。最近ありがちだなあ。。。一軒目で沈没!
うわっ!ここにもいた、鉄道むすめ。「松風かれん」さんだそうです。
こんなの絶対いないでしょ。
右は北海道新幹線開通のポスター。ふつうこういうおっさんばっかりでしょう。