夜は当然パブに繰り出すわけだ♪どこの街へ行っても、うら寂れた路地の居酒屋を探すのは習性になっている。迷路のような狭い道を歩き、運河にかかる小さな橋をいくつも渡って街の裏手を進めば、ささやかに明かりの灯る居酒屋が見つかる。表通りのパブと違って、こういうところに観光客の姿はなく、自分が異質な世界にまぎれこんだちょっと「よそ者」の存在になる。
地元の連中が大声を張り上げて歌を歌っている。イタリア人は歌が好きだ。カラオケなんてものは似合わない。数人の常連はなかなかののど自慢で、次々にお気に入りの歌を披露していた。女主人は一生懸命「静かにしてくれ」と眉間にしわを寄せて頼んでいたが、誰も聞いちゃあいない。これだけ騒げば近所から苦情が来るのだろうが、それでもおかみは常連客に強く言えないのだろう。
イタリア特産の蒸留酒グラッパをちびちびやりながら、しばし彼らの歌を楽しんだ。昼間に運河でゴンドラの漕ぎ手が観光客にサービスの一環で歌っている姿を見かけたが、こちらのほうは商売でないだけ味わいがあるではないかね(^益^)v
さて数いる歌い手のなかで、ひとりのおじさんの声が他より素晴らしいことに気がついた。やがてそのおじさんは、片隅にいるひとりの外国人が聞き惚れていることに気がつき、こちらにやってきて話しかけてきた。残念ながらイタリア語のみw(゜゜)w それでもこちらがおじさんの声に感動していることは伝わり、もう一曲私のために歌ってくれたのだった。
そうなりゃこちらが一杯奢るというものだろう。しかしおじさんは身振り手振りで押しとどめ、あちらが「ビール飲むだろう?」と一杯買ってきてくれてしまった。さらにタバコも吸うかい?と一本差し出してくれる。実はこのイタリア旅行中、何を血迷ったか禁煙していたので、10日ぶりに吸った一服は、思わぬ歌のプレゼントとおじさんの好意に、至福の味がするのであった♡
こちらが歌のうまいおじさん。いまも元気で歌っているかなあ(^益^)b
この画像は「使い捨てインスタント・カメラ(パノラマ)」で撮ったものです。その写真をスキャナーで読み込んだものですから、あまりきれいでないのはご勘弁を^^;
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