さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

根室の夜はバーで ランドーの冒険記5

2022年09月30日 | 北海道シリーズ


ホテルの展望室からの眺め。晴れていれば国後島まで見えるとか?


こちらは内陸部。


アップにしてよおく見ると、うっすら国後が見える? 鉄塔の左に。


日本で一番最初の日の出が見える場所だそうです。くっきり晴れてないと、水平線の
もやの中から出てくるからなあ。。。


さてさて夜の出動タイム。繁華街はありますが、あちこち空き地です。。。


まずは食事(居酒屋)と思ったけれど、スナックばかりで食べるところがないぞーw


しかたなくあまりうまくないラーメンを食べる。650円と書いてあったが「700円。
消費税があるからね」と言われる。たまにそういう税込み表示でないところがあると
微妙に不愉快。10%だから715円でしょうに。

ネットで調べたバーは、建物自体がなかった。あとで聞いたらだいぶ以前になくなった
そうです。


バーと書いてあるので、入ってみました。

女性一人の店で、どう見てもスナックっぽかったけれど、いちおうバーらしい。

30分刻みでの飲み放題プランと、普通に一杯ずつ注文するプランがあるという。
飲み放題でも割といいやつが選べるそうなので、1時間ぐらい飲むかとスタート。

シーバスだのなんだのを続けて飲む。時間制なのでどんどん飲む。こちらの女性は
なかなか楽しい人で、話がはずんでしまって軽く1時間を経過。そのうちに北海道産の
焼酎になる。


2時間を経過するあたりで、日本酒もいいやつがあるという。ご覧の根室の酒、
北の勝の大吟醸と、滝川の「きたのしずく」である。「味見」と言っていたのに、
コップにダボダボダボ・・・。結局3時間となり、飲み放題だからペースも早く、
最後はかなりへべれけとなるwww

魚の話になって、ここらではオヒョウが普通にスーパーでも売っていると聞き、
「それなら明日買っておこうか」と言ってくれたので、また来ることを約束。
酔ってはいても、それは覚えていた。この店の裏に、ひっそりといい感じの酒場が
あるという情報もゲット。寂れた繁華街だが、明日の予定もできたぞ^^


ランドーの冒険記5 殺されそうになる大ピンチ!

室蘭から少し進んで幌別に。そこの海岸でアイヌたちがCowfish(クジラかイルカ)を
捕まえてさばこうとしていた。近づいて横で見ていても、アイヌはこちらに無関心。
彼らはひとつのことに関心を持っていると、他のことには全く気付かない様子である。

素っ裸で長い髪を風になびかせて作業をしている一団は絵になる光景だ。絵の道具を
取ってきて、その様子を描き始めた。しばらくすると、アイヌたちがそれに気づき
始めた。するとみるみる剣呑な空気になり、彼らはこちらをにらみながら不満の言葉を
お互いに交し合い、ついには怒り出してランドーの耳元で怒鳴り、ついには絵画の
道具を取り上げて壊して放り出し、ランドーを乱暴に押さえつけて大きなナイフを
突きつけた!

ランドーは突然の死を覚悟した。最初に両親のことを思い出し、次にこんなところで
わけもわからず太陽のもとで惨殺される運命を思った。あの世に行くのだ、と覚悟した
ところで、蹴飛ばされて解放されたのだった。


根室市歴史と自然の資料館 ランドーの冒険記4

2022年09月29日 | 北海道シリーズ


車石から港に戻る途中、小学校に付属の「歴史と自然の資料館」に立ち寄りました。


例によって土器からスタート。全国のコレ、なんとかならんか?


うわー! はく製(´;ω;`)・・・


フクロウちゃん、撃ち殺されたの・・・? ((+_+))


人類を代表して、スミマセン。。。


こんなに愛くるしいものを。。。


エゾリスは少しワイルドw


クマさんたちにも受難の時代となりましたw


ゴマちゃんたち(-ω-)/


稚内で見ましたね。サハリンの南半分が日本の領土だった頃、国境に置かれていた
石です。


反対側にはロシア語の表示。


なんだかわかりますか~? 昆布の「砂落とし器」です。


「チャシ」の解説がありました。アイヌの遺跡で、砦、祭祀の場、見張り場などに
使われていたものです。このあたりにはたくさん残されています。


さて根室に戻ることにしましょう。


バス停の表示にもロシア語。


ランドーの冒険記4 アイヌ部落に立ち寄る

ランドーは噴火湾をぐるりと回って室蘭に着き、そこから命の危険を感じるような船に
乗って近隣のアイヌ部落、Aputa(虻田)を訪ねました。

そこに住むアイヌの人々は、ひどく憐れな様子でひどく汚い小屋に住み、大変貧しく
汚れているが、性格は温和で従順でした。

そこにいた10歳くらいの少女がとりわけ美しかった。大きな目、日焼けした顔に白い歯、
上唇には紺色のタトゥーが入っており、バサバサの長い黒髪を風になびかせており、赤い
イヤリングをつけているその姿は、私が人生の中で見たもっとも風変りな色合いをなす
見ものであった。

そんな印象的な姿なので、ランドーは道具を取り出し絵を描いてあげます。すると多くの
村人たちが珍しがって集まってきました。

とある村人は、青の色に異常に関心を示した。他の色にはまったく興味がないようだ。
そこで手のひらに青色の絵の具をつけてやると大変な興奮と喜びよう。飛び上がって叫び、
走り回ってしゃがみこみ、抑えられない喜びでずっとニヤニヤしているのだった。

絵が完成すると、まだ乾いていない絵を触らせないのに苦労した。とある村人は感謝の
気持ちからランドーの顔に砂をかけ(なんじゃ?!)、それは絵にもかかってしまって
絵の一部を台無しにする始末だ。

そしてランドーは洞爺湖に行って噴火している美しい有珠山の景色を堪能したのでした。


根室車石 ランドーの冒険記3

2022年09月28日 | 北海道シリーズ


花咲ガニと格闘してだいぶ時間が過ぎてしまった。バスの本数はとても少ないので、
残された時間で「根室車石」と「歴史と自然の資料館」を見に行く。時間あるかな?


例によって先の見えない長い一本道を行く。観光案内には「車で〇分」とか書いて
ありやがるパターンだ。徒歩も15分を超えると書かないからなあー。いいんだよ、
徒歩40分とか書いてくれってのw


車で通過したら、こういうの見られないよ?


いつかは着くのだ、花咲岬に到着。夏は霧が多いらしいが、よく晴れてたよ♪


むかしこの近くの霧多布というところに来たことがありますが、すごい霧で何も
見えませんでした。。。


なかなかの絶景です。風が気持ちいいのなんのって♪


カモメがたくさんいました。


水平線に見えるのはモユルリ島、ユルリ島という無人の小島です。手前の岩は
柱状節理というやつで、溶岩が急速に冷えるとこんなふうに柱状の形になるそうです。


しばらく見つめ合いました。。。


さすがに外洋に面しているので波が荒い。


どぱーん!!!


ざばざばざば。。。

遊歩道までは波しぶきはきません。しかしビチャビチャ!と音がして、手に何かかかり
ました。波が来たの?と下を見ると、歩道にぶっかかってる。波じゃない???
指先を見ると、茶色い。。。 ぎえええ、カモメの糞だーーー!!!!
あのやろ、戦闘機がクラスター爆弾を落とすように俺にロックオンして発射したの?!
こんだけ広い空間で、よりによって俺にぶっかけるかぁ!?!?

肩にかけたカバンにも茶色いしみがw このご時世ですから、ホテルでもらった除菌の
ウェットティッシュがありました。指とカバンを丁寧に拭きました^^; さて茶色く
汚れたティッシュはどうする? 旅先のあちこちでもらう観光案内のチラシに包んで
持ち歩き、ようやく見つけたゴミ箱に捨てました。。。


さてこれが「車石」です。「ホイールストーン」の訳だそうだ。
「柱状」ではなく「放射状節理」で、これだけ丸くきれいになったのは珍しいとか。


たしかに長い道のりを歩いて来る価値はあったような。車でビュンと来て、さっと
帰るよりは感動は大きいぞ?


ランドーの冒険記3 生きた鮒を初めて食べる

ランドーは函館を馬車で出発した。しかしその馬車の車輪は丸くあるべきなのに、そう
じゃない。またスプリングもないし席にはクッションもない。ガタゴトと大変乗り心地
のよくない乗り物で、激しい嵐のなかを出発したのでした。

函館から北上すると、湖の美しさや壮麗な駒ケ岳の景色に魅了される。いまの大沼公園
あたりを通過していったのでしょう。

とある茶屋で食事となった。おそらくは大沼でとれた鮒と、米とスープ(おそらくは
味噌汁か)、海藻(佃煮か?)が提供された。ランドーが驚いたのは、生の魚が
出てきたことだ。西洋人は生で魚を食べない。ちなみに昆布やワカメといった海藻類も、
「海辺に落ちてるゴミ」で食べません。きっとグエ!となったことでしょう^^;

目がぎょろりとこちらを見ていて、体の部分が切り取られてそこに盛られている。
その生きている姿に私は大変な恐怖を感じて、「これはゾッとするよ!」と叫んだ。
そして私はその後に何日も鮒の目が忘れられなかったのである。

私も新鮮な鯵のたたきなんかでピクピクしているのを食べたりしますが、やはり目を
見てしまいますね~w


花咲港で花咲ガニを食う ランドーの冒険記2

2022年09月27日 | 北海道シリーズ


根室駅でとりあえず観光案内所に行く。納沙布岬に行くには路線バスもあるが、
半日の観光バスもあるという。それは明日にしようと思うが、まもなく花咲港に行く
バスが出る。歩いて10分の予約してあるホテルに荷物を預けに行く時間はない。
何せバスは2時間に1本ほど。しかたなく駅のコインロッカーに荷物を入れてGO!


乗ってしまえば15分ほどで花咲港に到着だ。寂れているぞ~w
さすがロシア領(こっちの政府は日本固有の領土と言っているが)が肉眼で見えるような
日本の一番東にあるエリアだけに、ロシア語で「案内所」と書いてある看板が。しかし
営業している様子はない。いまは喧嘩状態だしね。。。


あ~こういう木造の建物好き。ロシアでもこういう建物があったなあー。


さて昼なので、唯一営業している食堂に。店先にカニが並んでいるぞー。


いいお値段ですが、せっかく花咲に来たのですから奮発して花咲ガニを注文!


写真撮影を済ますと、このように切ってくれます。


刻んだ筒状になった足に割りばしを突っ込むとニュッと身が出てきます。トコロテン
方式です。小ぶりなタラバガニのような味と食感です。毛ガニのほうが私は好きですが、
花咲ガニは滅多に食えませんからね♪


せっせと食べても軽く30分以上はかかりました。簡単に身がニュッと出てくるのも
ありますが、透き通った平たいヘラのような骨に身がはりついていたり、足先の細い
ところや少々曲がっている関節のところはそう簡単には身が出てこない。割り箸を
突っ込んでゴシゴシ頑張らなければいけません。貴重な身だからなあー。


思いのほか時間を食ってしまった。少し港を歩く。なんて書いてあるのかな?


花咲ガニ密漁が横行していた時代には港は賑やかだったそうですが、今や対ロシアに
ピリピリしているので、それははるか昔のこと。


いまはこじんまりして、少し寂しい港です。


む、「友情の確かな証し 四島返還 北方領土は日本固有の領土です」なんて書いて
あります。大国のロシアと日本の境界線にある島々。そこにはアイヌ民族がずっと
住んでいました。虐待されたり強制労働で酷使されたり、移住を強制されたりしてきた
原住民は、こんなセリフを見てどう思うでしょうかー。


食堂が朽ち果てています。港の目の前なのに、廃墟と化していました。


これも3階建てなのになあー。崩壊する前に片付けるという体力もないかー。


ランドーの冒険記2 いよいよ蝦夷地の旅がはじまる

ランドーは函館にやってきた。おそらくは横浜で入国してから、船に乗ってやって
来たのでしょう。函館の風景は、丸く囲まれた湾のまわりには山がそびえ、その美しい
景色は、まるでジブラルタルみたいだ」と言っています。

当時の街の様子は、「紙で出来た壁とタイルの屋根の家が並んでいて、とても素敵」と
感動しています。漆喰の壁に瓦屋根を見て、こんなふうに表現するんですねえ。

「何人かの「Musume」(女の子)が「Kimono」(ガウン)を着ていて、油紙の傘をさし、
木靴を履いてとぼとぼと歩いているぞ」。20代の青年ですから、そりゃあ女の子に目が
行くでしょう~。着物に下駄というのは、さっさと歩くようには出来ていません。
むしろ簡単には逃げられないようにと工夫されていると読んだこともあります。西洋人
から見れば、そりゃあ印象的な装いでしょうねェ。

函館には英国人がいました。ここは外国に対しての開場港だったので、宣教師などがいた
のです。その人に会い、ランドーは蝦夷地を一周するという予定を話しました。すると
その英国人はひどく驚きました。

ここ(松前藩)を離れると、道もなくアイヌという汚い人しかいなくて熊ばかりだ。
旅をするのは無理で、まったくもって無謀な計画。それにそんなやせた体じゃきっと
死んでしまう。それはあまりにも馬鹿げてると諭されます。

しかしランドーのほうはやる気満々。そんな助言は聞き入れず、荷物はそこにいた
イギリス人に預け、絵の道具、日記、簡単な衣類、拳銃と弾丸だけで、食べ物もテントも
持たずに北海道一周の旅に出たのでした。そりゃあ俺でも無謀だと思うなあー。


釧路から根室へ ランドーの冒険記1

2022年09月26日 | 北海道シリーズ


さて釧路から根室へ向かいます。日本で一番東にある根室を起点に、西へ北海道を
横断する路線を「根室本線」といいます。しかし根室から釧路までは廃線になる可能性も
出てきていますので、そんときゃ名前をどうするのでしょうか。とりあえず釧路から
根室までを「花咲線」と呼んでおります。

ホームに入ると人が多い。いつもはガラガラなのに、いまは夏だからかー。いや、
観光列車の「ノロッコ号」が止まっているからだ。


客車は窓が解放されています。以前には汽車が走っているのを見たことがありますが、
それは冬だけのようです。


私が乗るのはこちら。1両編成。冬にはちらほらとしか乗客はいませんでしたが、
さすが夏で「道民割」なんてのをやっているせいか、なんと満席。途中からは
座れない人たちもいました。長いのになあー。早めに来たのですが、ノロッコ号の
写真なんか撮ってて危なかった。みなさんまずは席に荷物を置いてから写真を撮ったり
していたのでしたw


海みたいでしょ。しかしここは厚岸湖。牡蠣がたくさん採れるのです^^


おわー、カモメさんたち。


みなさん、滅多に通らない列車が通過して、驚いて飛び去って行くのです。


海水湖とはいえ、ぐるりと陸地に入っているので水面は実に穏やか。


この景色が右側に見えるのを知っていたので、席は右側の窓際に♪




おー、牛。


こんな景色を見ると、北海道に来たな~という気がします。ちなみにしばらく冬ばかり
来ていたので、久しぶりにこういう緑を見ます。


冬の北海道は厳しい寒さですから、やっぱり夏はいいなあ^^


根室もだいぶ近づいてきて、ここは手前の落石(おちいし)というところです。
根室からの帰りに寄る予定です。


おう、モーモーちゃんたち。コロナで給食がなくなり、牛乳の消費が減って大変だと
聞きましたが。。。


おー、馬。


というわけで、根室に到着。初日の昨夜は飲んだだけだったから、ついに旅が始まった
気がします。


ランドーの冒険記1 ランドーの生い立ち

アーノルド・ヘンリー・サヴェッジ・ランドー(1865-1924)は、英国人ですが
イタリアのフィレンツェ生まれです。おじいさんが少し名の売れた作家で、少し裕福な
英国人にありがちですが、フィレンツェで暮らしていたのです。
ランドーは15歳でパリの美術学校に行き、絵を学んでからアメリカ、日本、韓国、
チベット、中国、ロシア、インド、ペルシャ、フィリピン、エチオピア、ブラジルと
まさに世界中を旅した人です。行った先で絵を描き、旅行記を記しました。
イギリスではヴィクトリア女王に招かれて冒険の話をご披露したとか。

さてこれからランドーの日本旅行記、Alone With The Hairy Ainu Or, 3800 Miles
On A Pack Saddle In Yezo
And A Cruise To The Kurile Islands.(1893)
(毛深いアイヌの土地にひとり行く:それは蝦夷地を荷鞍をつけた馬で6000キロ、
そして千島列島への船の旅である)
という本をご紹介していきます。彼はまだ20代の
若者でした。

その前書きにはこのように書かれています。「どうして蝦夷に来たかって?それは
楽しみと休息を求めてのことだったが、どちらも得ることはできなかった。」

どうやら予定していたのんびり旅行とはいかなかったようです。さてさてどんな旅
だったのかな~? (^益^)w