さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

富岡ホテルのラウンジ

2019年04月30日 | 東北シリーズ



さて富岡ホテルの周りには、居酒屋どころかまったく飲食店はナイ。三陸の被災地には
すぐに復興商店街などがワラワラと出来ていたが、放射能の線量がひどいところは人も
戻って来ないので、復興が今になっても進まないのである。

何もないのでホテルのHPには「ホテルで食事をすることをお勧めします」と書いてある。
なので夕食はホテルの食堂だ。バイキング形式で、ちと悲しい内容であった。被災地で
周りに店もないんだから贅沢は言えません。こだわりの「福島の米」を頂きました。
ビールも飲んだ。宿泊客はわりと他にもいました。ガイコツ人グループもいたぞ。

ホテルには「ラウンジ」がある。内部が見えないスナックみたいなドアがある。当然
それを開けて入りましたよー。その前に、エレベーターのなかにメニューが貼ってあり
ました。そこで注目したのは上の画像、「*セット内容 ホステスドリンク」である。
ホステスならババーじゃないぞ?たぶん。しかし「1時間飲み放題」のセットじゃなくて、
単品の800円のドリンクでいいような。カラオケもやらないし。



入ってみると、カウンターにひとり。そして後ろのテーブルに4人のグループが
既に飲んでいました。「ホステス」はテーブルでグループ一団を接待しており、俺と
隣のもう一人はカウンターでひとり飲む。



こちらは「会津ほまれ」に突入。右に何かドリンクがあるでしょ?そのホステスさんが、
「では頂きまーす」と言って自分のを作りました。こちらが払うということなのでしょう。
ずっとスマホを見ていた隣の客がまもなく帰り、賑やかだったグループもそのうち帰った。

というわけでホステスさんとの会話が始まった。ここのホテル、8人で頑張っている
そうです。俺がここに泊まりにやってきたいきさつを話したりする。お子さんはこちらに
戻らずに白河にいるとのこと。俺はこれからそちらに行くので、街の様子を聞いてみたが、
「車でないと関跡には行けないし、あとは見るものもないのでラーメンでも食べるとか?」
という情報しか得られませんでした^^;

だいぶ遅くまで話してしまいました。こういうところでありがちですが、お値段は飲んだ
酒の量ではなく、お相手をして頂いた時間で決まるようです。わかるような気もするが。


富岡を歩く 2

2019年04月29日 | 東北シリーズ



津波と放射能にやられた富岡の町を歩いています。福島銀行も、錆びてきているな。



何年もそのままって、なんだかSF映画のセットを見ているみたいな気になってくる。



これは防空壕?この地域は戦時中に軍の施設があったから空襲を受けたそうですねェ。



ガラスが割れたままです。ここは日本ですか?という感じです。



何かの店だったのでしょうが、白く塗られています。塗りつぶしてから売りに出すという
ことなのでしょうか。まあ売れないとは思いますが。。。



おー、頑張ってくれー。



ここに灰皿があったので、ありがたく利用させて頂きました。



喫茶店だったようですね。



こちらはスナックだったのかしら?



自転車屋さん。



横のバイクが朽ちています。立派な商品だっただろうに、とりあえず避難して、
そのままにせざるを得なかったのでしょう。



大きな小学校と中学校が並んでいました。戻ってきた生徒さんたちは、全部で20何人で、
一学年に何人もいないとか。先生たちは何人いるのでしょうか。戻りたい気持ちと、
子供たちを放射能汚染の近くに連れてきたくない気持ちの葛藤でしょう。



少し高台になっているところがあったので登ってみました。人っ気のない町は
本当に寂しいぞ。ただの「過疎」じゃなくて、津波の「天災」だけじゃなくて、
放射能をまき散らした愚かな「人災」のせいだと思うと尚更悲しいぞ。



すごっ!



スナックなんだ?判読不可能。生きている間に来たかった。あとで聞いたら、震災の
前にすでにつぶれていたのではないかという話でした。



いままでで一番せつない気分になる散歩でした。


富岡を歩く 1

2019年04月28日 | 東北シリーズ



廃炉資料館を出ると、ショッピングセンターがあったので行ってみた。なかなか巨大で、
ちらほらと買い物客がおりました。



こういうところにはフードコートがあって、小さな子供や年寄りがいて、ソフトクリーム
なんてあったりするはずだ、と期待していましたが、店は全部閉まっていました。。。



さて少し町を歩きます。ガソリンスタンドは閉まったまま。戻ってきた人たちは、
どこまで行かなきゃならないんだろう?



放射能と津波にやられた町は、まるでゴーストタウン。



上の看板が真っ白に塗られており、「警察官臨時派出所」となっていますが、シャッター
が閉まっている。警察までいなくなっちまったのかぃ~。



やはり2011年以来閉店中なんでしょうね。。。



一階は津波にやられたんでしょうね。しっかりした建物だから残っていますが、周りは
やられてしまって更地になったと。。。



しかしあんなカワイイ家は残ったんだなあ。



薬屋さんの後ろの屋根がひしゃげています。こりゃあ戻れないねェ。。。



三陸でよく見た光景。見通しがよくなっちゃってw



左の衣料品店のウィンドウのなかは混乱状態。右の塾の貼り紙は「3月」となって
いたので、当時のままなのでしょう。



これはもう朽ちかかっていますよ。。。



お化け屋敷状態になってしまったぞ。



陶器店です。これらの建物、取り壊すにしても費用がかかるだろうし、今後どうすれば
いいのか、しかたなくこのまま放置されているのです。


東京電力廃炉資料館

2019年04月27日 | 東北シリーズ



「廃炉資料館」はホテルから歩いて10分くらい。津波が襲ったあとの町は、どこも
こんなふうに空き地が目立ちます。ましてや放射能をばらまいたもんだから、「避難
解除」なんて言われようが戻ってくる人は少ない。



こんな立派な一軒家も立ってたりする。少し寂しい?見晴らしが広くていいか?



トラックの前にお二人の係員がおり、俺が通りかかるとニッコリとしてご挨拶。
こんな人通りの全くないところで何かの勧誘でもないだろうと思ったら、「内部被ばく
測定車」!



さて到着です。「東京電力廃炉資料館」。俺がよく行くマイナーな「郷土資料館」とは
違って、新築でオサレな造り。金かかってそうw 中がガラガラで、係員さんに
にこやかに受け付けてもらったのは同じだが、「どちらからですか♪」はナイ。



無料でした。そりゃそうかw



基本的にほぼすべて大型スクリーンによる映像付きの説明。入ったときに、「すべてを
見ると2時間以上かかります」と言われてたじろいだ。各パートがだいたい数分程度
ですが、数が多いのです。



原発の構造から、事故のあらまし、そしてどんな対応をしたか、これからしてゆくか、
丁寧な映像と説明ができていました。


*6つの対策って、「原発維持」が大前提なんだなあ。当然か~w

当然ながら、謙虚に、これは天災ではなく人災であり、深あ~く反省しているという
謝罪の言葉が続いておりました。

誰が深く反省して、誰が謝っているの?

「社員一同」とかいうのかな。

普段から電気をふんだんに使っている俺もその「一同」に入るともいえるな。

たっぷり献金をもらって「絶対安心」と言ってせっせと原発を推進した政治家たち。

社内から安全対策を進言されても面倒な対策をしぶった一部の経営者たち。

その人たちが顔を出して自分の言ったこと、やったことをはっきりさせて、その上で
そいつらに語ってほしい。責任は恐ろしく重いのだから、終身刑でもおかしくないと
俺は思うのだが。ここのビデオに出て来た人たちはほとんど若い社員だったり、
どう見ても「本当の責任者」じゃないだろう人たちだったぞ。



最新の技術を駆使した、すばらしい施設でした。



いまも放射能を浴びながら、必死に後片付けをしている人たちが沢山働いています。



事故当時の新聞も展示されていました。

現在、原発は次々に再稼働しています。事故直後には日本人の90%以上が再稼働に
反対だったのにねえ。もうすでに選挙の争点にもならないようです。

原発を止めて火力発電所を増やすと、二酸化炭素の放出量が増えて温暖化が進みます。
だから原発でいいじゃないか、という人もいます。

私は使う電気の総量を制限するほうがいいと思います。不便になっても、それは
やる気次第。そんなの慣れるよ。環境破壊に慣れてしまうこと、そういう危機感に
無関心なことに慣れてしまうほうが困ったもんだよ。


水戸から富岡へ

2019年04月26日 | 東北シリーズ



ダッダダダダッ!ダダダダッ!ダダダダダダダダダ ぢぃ~~んせぇい らぁくぅあぁ~
りゃぁあああ~ くぅ~~も あぁ~るぅ~さぁ~~~♪

いやもぉ、俺のぢんせい、いいことつづきだけどなぁ~^^;



刀振り回してチャンバラリ、誰も血を流してねーし、いでぇ~~ぐぉおおおお!って
誰もならずに、印籠を出した瞬間にみんなそろって元気に土下座できるのはナーゼ?



というわけで、水戸を出てさらに常磐線に乗り北へ向かいます。海岸線にはやたらに
大きな工場があるのですねェ。



工場なんだか発電所なんだか。



各駅停車を乗り換えるために「いわき駅」で一度下車。少し歩いたところに古い
とんかつ屋があるはずなのだ。1時間の連絡なので、すぐに向かう。



とんかつ屋は休みでした。。。_| ̄|〇 向かいにあった中華料理屋に行く。



わー、いい感じの海辺の家。



すごい煙突がやたらに多いぞ常磐線!



あ~見覚えのある景色。津波でざばっとやられたあと、盛り土をするわけですな。
「国土強靭化計画」という巨額の無駄遣いねー。



こんな過疎地にすごい高架線。



さて富岡に到着。現在の常磐線の行き止まり。この先は原発があって浪江まで電車は
不通になっている。震災で線路もやられたらしく、いまあたらしく改修中。



8年も過ぎたけどなあ。今年中に開通予定だとか?



JR富岡駅は、新しい駅舎です。



駅からすぐのところに、新しいホテルが1年半くらい前(?)に開業しました。
まわりは津波でやられたあと、まだ更地が目立ちます。



ホテルの窓から。部屋はとてもきれいです。まわりには飲食店や商店など、ほぼ何も
ないので、いつものように素泊まりで夜は居酒屋というわけにはいきません。
珍しく一泊二食付き。



線路は錆びて茶色。津波だけならどんどん復興したのでしょうが、放射能だからなあ。
はるか何年も前に「アンダーコントロール!」なんて言ったやつがいましたけれど、
原発はいまだにメルトダウンした炉心にやっとカメラが入ったくらいなんですから。