さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

シエナのカンポ広場 ~イタリア紀行18

2010年10月29日 | イタリア


 シエナの街路はすべてゆるやかに曲がっているから、見通しがきかない。だから歩き進むにつれて景色が変わる。移動するには最短距離を通るのが経済的だが、このように道路が複雑に入り組んで次から次へと景色が変われば、目的地に早く到着するよりも、散歩すること自体が楽しみとなる。

上の画像は、祭りの準備の様子です。この旗は街のシンボル。



この街は散歩の贅沢を教えてくれます。いつまでも飽きさせない変化に富んでいます。



 道を曲がると階段になり、またうねる道を進むと、次第に方向感覚を失う。迷路のような通りを歩き続けると、突然大きな広場に出る。それがこの街の中心であるカンポ広場だ。「世界一美しい広場」という評判もうなずける素晴らしさだ。あちこちに人が座っている。ここは「のんびり座ることが贅沢」という広場だ。



狭い路地から、突然開ける視界。扇状でゆるやかに高低差のあるカンポ広場。




正面にあるのは市庁舎だ。


中世の街シエナ ~イタリア紀行17

2010年10月23日 | イタリア


 フィレンツェからバスに乗り、トスカーナ地方に広がる丘を越えてシエナにやってきた。(ちなみにバスのチケットを買うときは、「スィエナ」と発音しないといけないゾ)
  城壁に囲まれているこじんまりした街だが、これでも中世には通商路の要所として発展した自治都市である。フィレンツェの赤味がかったレンガ色に対して、ここはくすんだ茶色に統一された美しい街だ。
 街なかは狭い路地が入り組んでいて、車の姿をほとんど見ない。だからとても静かだ。ゆるやかな弧を描く街路は、建物に挟まれるように続いている。道の両脇に建物が建っているというよりは、逆に道の流れが長い時を経て建物を侵食し、深い谷底のせせらぎを作ったように感じられる。切り立った壁のような家の窓が道の左右、そして上に向って沢山ならんでおり、人々の気配に満ちている。この生活臭さが、私の生まれ育った下町の空気を思い出させる。
 ローマはあまりにも大きい都会で、フィレンツェも車の多い観光都市だ。やはり中世の趣きを満喫するには、このぐらいの規模の街に滞在すべきだ。街全体が古美術品と言っても過言ではない。



建物が両側から迫ってくるようなシエナの街路。



大聖堂。この日は日曜だったので、多くの信者が礼拝に来ていました。
大きな礼拝堂のなかいっぱいに鳴り響くパイプオルガンの音。
その荘厳な雰囲気に、キリスト信者でない私もついつい頭を下げる気持ちにさせられてしまいます。



このくすんだレンガ色に統一された美しい街シエナ。
城壁の外には、トスカーナの平原と丘が地平線までずっと続いています。

さらにフィレンツェの宿屋 ~イタリア紀行16

2010年10月21日 | イタリア

 イタリアには観光客を狙った怪しげな奴が多い。夜にタクシーを探していると、「乗りませんか」と寄ってくる奴がいて、それが自家用車だったりする。どこに連れて行かれるかわかったもんじゃない。「宿を紹介しましょう」という奴からホテルのカードを受け取り、行ってみると聞いた値段の3倍だったりする(カードの裏には紹介した従業員のサインと、値段も書いてあるんだぞw)。気をつけなければいけません。ジプシーや引ったくり、おつりの誤魔化しばかりじゃないのです。

 
さて男3人でフィレンツェを訪れたときのこと。宿を探そうと駅のインフォメーションに入ろうとしたら、入り口で怪しげなおじさんが寄ってきて、小声で「こっちで安い宿を紹介するよ」と言ってきた。

               ぁゃιぃ。。。

 
夏の観光シーズンでそこそこのホテルなら、相場はひとり一泊1万円を越えるというのに、「3人で5,000円あまり」ときたもんだ。横にいた友人は「500%信じられませんねっ」とか言っている。そのおやじは「ワゴン車で連れてゆきますよ」と熱心に誘っている。このときフィレンツェは3度目だったので、地図も頭に入っていた。

 このホテルなら、喧嘩になっても歩いて帰れる場所だ。こちらは男3人だし、修羅場になっても負けることはなさそう(特に友人のひとりはゴリラのような体格だ)。送ってくれるというし、試してみようか。。。 ということになったw

 さあて、ホテルについてみると、それは立派な高級ホテルではないでーすか!もう入っちまった以上しかたねえ。素晴らしい施設を3泊利用いたしました。

            
○Oo。―y( ̄∇ ̄;)プハー


 
さて払うときに緊張の一瞬がおとずれる。いくらになるんでしょー!イタリアでよく見かける、大声での喚き合いの覚悟を決める。「一泊3人で5,000円」が、「1人5,000円」なら譲ってもいいかな、と相談していた。
 とりあえず、3人3泊分、15,000円あまりを払ってみて顔色を窺う。フロントのおばさんは黙って受け取った。こちら3人は何が出てくるだろうかな、とじっと見つめている。その異様な空気を察知して、おばさんはたじろぎ「何?」と変な顔をした。

  
イエイエ、べつに… (^益^;)ノシ

 
結局、一泊ひとり1,600円あまりで高級ホテルに泊まれてしまったのであった。おそらく、大口のドタ・キャンやら殺人事件(?)があったりなにかしたのであろう。こういうこともあるのだのォ
w(゜゜)w



この横にながーい建物が、ウフィツィ美術館。レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」、ボッティチェリの「プリマヴェーラ」、「ヴィーナス誕生」、ラファエロ、カラヴァッジオ、ティツィアーノ…(*´`*)ハァハァ

                

アカデミア美術館にあるミケランジェロの「ダヴィデ像」。 目にした瞬間、その均整美が到達したはるかな高みに圧倒されます。文字通り「神技」という言葉がぴったりです。


フィレンツェの宿屋 ~イタリア紀行15

2010年10月18日 | イタリア

英国の小説家E. M. フォースターの『眺めのいい部屋』が、ジェイムス・アイヴォリー監督によって映画化されています。英国貴族の娘がフィレンツェに旅行したとき、ホテルで景観のよい部屋を予約したのに、おかみの手違いで裏手の部屋になってしまった。それを聞いた労働者の青年が、「景色の良い私の部屋と交換しましょう」と申し出る。

っ しつれいな!!! 
(紹介されてないのに殿方に人前でなれなれしく話しかけられたw 侮辱だわ!)

…と話は始まるのだが、結局その娘と青年は恋に陥り、最後は階級を越えて結ばれる、という安っぽい(?)ラブ・ストーリーだ。

                   
              これは私ではありません。映画でつ。わかるって?

こんな景色のある部屋だったら、い~ですよねェ~~~。この二人は、結婚してからふたたびフィレンツェに行くんですけど、新婚旅行には最適なところですよね。アルノ河の南岸には、こういった景色を見ながら食事できる素敵なレストランもありますぞ。

さて現実に戻ろう。私とわが妹は、経済的諸事情からアルノ河畔のホテルを回避し、下町のアルベルゴ(安宿)を見つけた。部屋にはしゃれたベランダがついており、すぐに気に入った。



すぐ近くにある教会の鐘の音が響き渡りました。景色も音も中世のままですから、
タイム・スリップしたような錯覚に陥ります(^益^)

安宿はどこでもそうだが、シャワーとトイレがフロアで共用なのだ。しきゃも、そこが外の廊下から擦りガラスだったぁ~!つまり、便座に座っているところ、シャワーを浴びているところが、モ㍗見えるんだぁ~w(゜゜)w  
ヤダよねー!

使うときはキョロキョロ、ビクビク。廊下を通るときは使っている人がいないか気を遣うw まいったゼー。

サラニ昼間、宿に帰ったら、わが部屋のベランダに宿屋の洗濯物が干してあった。不在時に部屋を通過したのね…。さすが「民宿」!

経営している一家は大変感じがよかったですけどね^^;


リニアに乗る 北京・上海の旅 最終回

2010年10月15日 | 中国


北京から天津、上海から蘇州へ30分ちょっとで行けてしまう新幹線には驚きましたが、上海で市内から空港までわずか7分30秒で到着してしまうリニア・モーターカーにはもっと驚きました。料金は50元。600円あまりです。

時速430kmを超えてましたぞ…。成田空港はアクセスが悪くて大変ですが、もしこんなのを使えば都心から10分あまりで到着してしまうのでせう。東京から名古屋まで、わずか40分で走り抜けるという日本のリニアは、2027年の開業予定。大阪まではさらに20年近くかかるとか?そいつぁ残念ながらあの世から見守ることになりそうだw



あたり前ですが、線路はありません。少し浮いて走るのです。乗り心地は新幹線とあまり変わらないかな。結構静かです。でもさすがに時速400kmを超えたときは景色も後ろに飛んでゆくよう。ほとんど地表を進む飛行機のようでした。

チェングォとの別れも、じんわりするほどではありませんでした。だって彼もいつだって日本に来られるようになったし、またこちらも今度は西安や成都、シルクロードに一緒に行こうと約束してあるからです。まてまて、やつの結婚式に参列することになったりもするかな?(^益^;