以前にご紹介した経済評論家長谷川慶太郎さんとの共著、『シェールガス革命で世界は激変する』が大好評で売れているということで、今回は業界記者である著者単独で詳しい取材情報を集めて書かれています。
シェールガス革命によりその震源元のアメリカの景気回復はもちろんですが、ロシアや中近東といった従来の資源国が困った立場になるなど、その影響は世界経済の大きな流れを変えていく力を持っていると言われています。
日本でもエネルギー価格の低下により全般的にはメリットが考えられるとし、その中でもシェールガス関連の技術を活かせる企業名を多分野にわたって挙げています。また反対に石油化学工業がガス化学に取って代わられると予想し、原料としてのシェールガスを低コストで活用できるアメリカへの工場流出など不安面も報告されています。
最近は円安にともなうガソリン価格や電気料金の高騰が話題となっています。アメリカから液化されたシェールガスが輸入されるまでは、日本経済は大きな進展は難しいと想われますが、このエネルギー革命に乗り遅れることのないように、しっかり対応できれば明るい時代が開けるのではないでしょうか。
このように業界の詳しい情報をよく取材し書かれていて大いに参考になりますが、ただメタンハイドレート実用化に関しても踏み込んだ記述が欲しかったです。アメリカによるシェールガス革命の恩恵というだけでなく、日本のトータルな新エネルギー戦略という視点でまた詳しい取材情報をお願いできればと想います。
図解 シェールガス革命 | |
泉谷渉 | |
東洋経済新聞社 |
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