『ハゲタカの公園』
画面全体が寒色系であり、温かいムードは皆無である。
黒い連山、その背後の暗い黄緑色の空は見たこともない不気味さを呈している。
手前の赤い地面は波打ち、草木の一つも生えていない荒地である。
人為的なパイプや柵のようなものはどの深さから立ち上がっているのかが判らず、浮いている可能性さえ覗われる。
手前の箱は明らかに人工物であるが、中には自然の生育である樹木が頭を抑えられる形で納まっている。
正確な間隔で打たれた点描は孔だろうか、時間の経過の暗示だと思う。
全体黒い山を見ると、逆光のようにも感じるが、樹木の影は箱の中で右のほうに伸びている。(ということは左上に光源がある)
箱の下面(床)は木目というより波打つ感じである。
要するに《恐怖の光景》である。
狂暴さはないが、静かなる脅迫の雰囲気が漂っている。箱の自然(樹木)に対する閉塞、背後にある白い停止の柵は守備というより解放/逃避の警戒のように見える。
『ハゲタカ』は腐肉食の動物、腐食が進行している物でも食う、死の後までも追って食い尽すという。
何もかも(自由・解放・成長など)奪い去られた後の、それでもなお脅迫めく警戒を怠らない恐怖政治の具象化であるが、ここは黄緑色の空をした架空の世界である。
(写真は新国立美術館『マグリット』展・図録より)
どんどん黒い松の林の中を通ってそれからほの白い牧場の柵を間はってさっきの入口から暗い牛舎の前へまた来ました。
☆告げる章(文章)を注(書き記す)Two(二つ)を吐く。
僕(わたくし)の常に策(計画している)新しい講(はなし)の案(考え)は、義勇(正義と勇気)によって赦(罪や過ちを許すこと)の、繕(直す)記である。
この村には、そういうゴシップをご飯がわりにしている人たちがいますわ。あなたがたみたいに膝をつきあわせては、おたがいにゴシップのご馳走をし合っています。でも、あなたは、そういう人たちの仲間のようにはお見受けできないのですけど」
☆ここの人たちは、このような出来事に(希望を)抱いたのです。このことでお互いを苦しめているのです。この人たちがこの事に耳を傾けることは有りません。