続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『やまなし』⑭

2018-11-05 07:21:35 | 宮沢賢治

『お魚はなぜあゝ行つたり来たりするの。』
 弟の蟹がまぶしさうに眼を動かしながらたづねました。
『何か悪いことをしてるんだよとつているんだよ。』
『とつているの。』
『うん。』


☆語(言葉)の講(話)である。
 雷(神なり)の態(ありさま)は皆(すべて)の源(みなもと)である。
 道(神仏の教え)を化(教え導き)和(争いを治める)


🈞マグリット『不思議の国のアリス』

2018-11-05 06:35:05 | 美術ノート

   『不思議の国のアリス』

 アリスは木の根元の洞穴から不思議の国を巡った。木の根元、地中に見た異世界(疑似世界)である。
 この画では、洋ナシの権化のようなものが、その木を誘っている。皮肉めく善意の欠如した眼差しである。
「どうぞこちらへ」
 困惑する木に言葉はない。
 地中に対する天空(雲、水面)だろうか・・・。

 物語に見たアリスはこの画のなかにはいない、しかしアリスだと言っている。
 木と洋ナシの会話、上から覗く洋ナシ(雲)は自信たっぷりである。美しい湖(海・川?)や小高い山・・・自然は会話しているのかもしれない。
 この空気、迷いこむアリスは鑑賞者自身なのだろうか。

 不動の木(入口であり出口であった樹)と流動変化の雲(三態の水)、水平(真理)を保つ水面・・・すべてが驚異に満ちた時空の景色である。
 自然の活性、相の変化、語ることのない自然の魅惑はアリス(探検者)を待っている。

 しかし、それらは《そう見えるだけかも知れない》
 イメージは、見ようとする者を誘導する魔術(トリック)の展開であり、愉しもうとするものだけに見える世界である。 


(写真は国立新美術館『マグリット』展/図録より)


『耕耘部の時計』56

2018-11-05 06:18:08 | 宮沢賢治

 藁の上の若い農夫はぎょっとしました。そして急いで自分の時計を調べて、それからまるで食ひ込むやうに向ふの怪しい時計を見つめました。


☆講(話)は常に二役を収めている、普く。
 究(つきつめる)二つの文は一つである。
 二つを継(つなぐ)帖(ノート)の自記がある。
 己(わたくし)の考えは皆(すべて)辞(言葉)で啓(人の目をひらき理解させること)を兼ねている。


『城』3062。

2018-11-05 06:08:06 | カフカ覚書

ああたたちの仲は、初めから祝福されていますわ。いいえ、なにも反対なさらないで。たしかにあなたは、どんなことでもみごとに論破することがおできになります。でも、結局は、なにひとつ論破されていませんのよ。


☆盟約は初めから祝福されています。伝説に対抗するものはありません。確実にあなたは死を論破することができんす。でも、完全には終わっていないのです。