続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『やまなし』㉑

2018-11-14 07:13:24 | 宮沢賢治

 二疋はまるで声も出ず居すくまってしまひました。

 二疋はジ、ショと読んで、字、諸。
 声はショウと読んで、章。
 出ずはスイと読んで、推。
 居すくまってはキョと読んで、拠。


☆字は諸(もろもろ)の章(文章)を推しはかる拠(よりどころ)である。


🈞マグリット『炎の帰還』『禁じられた世界』③

2018-11-14 06:38:43 | 美術ノート

  

  

 そうだ、この紳士の着衣は礼服(喪服)だったのかもしれない。
 ハットの陰に隠れた目は、涙を隠したものかもしれない。
 男は地の底(水底)から立ち上ってきた態である。

 水底(『禁じられた世界』)にいる女に別離してきたのではないか。亡妻との別れ・・・炎の英断をもっての決別である。(現実への哀切の帰還である)
 炎の彩度の低い赤さには、迷いや狂気そして苦渋がある。決して明るく希望に満ちた明度の高い色ではない。

 それに引きかえ『禁じられた世界』の女の安らぐようなポーズ・・・バラ(愛情)と頬杖(想い)には残してきた未練がなくはないが、相を違えた異世界での眠りに交信の術はない。

 母の自死、仕事に忙殺されていたかもしれない父との強い結びつきを信じる息子マグリットの両親に対する敬慕の念ではないか。


(写真は国立新美術館『マグリット』展/図録より)


『耕耘部の時計』63

2018-11-14 06:26:38 | 宮沢賢治

 赤シャツの農夫は、窓ぶちにのぼって、時計の蓋をひらき、針をがたがた動かして見てから、盤に書いてある小さな字を読みました。


☆釈(意味を明らかにし)納める。
 普く双(二つ)を示し、啓(人の目を開き理解させる)我意がある。
 真の道(神仏の教え)を兼ね、番(組み合わせた)諸(もろもろ)の章(文章)は、弐(二つ)で独(一つ)です。


『城』3069。

2018-11-14 06:08:27 | カフカ覚書

(23)
 Kは、そのときやっと、廊下がすっかり静かになっていることに気づいた。Kがさっきまでフリーダといっしょにいた廊下のこの部分(このあたりは、店を経営していう一家の部屋になっているらしかったが)だけでなく、さっきまでの部屋からいろんなもの音がしていた長い廊下全体が、しずまりかえっていた。じゃ、お役人がたも、とうとうお眠りになったのだな。


☆Kは、そのとき動きが静かになっていることに気がついた。彼がフリーダと共にいた経過もこの部分だけでなく普通になっているらしかった。その長い経過からも遠ざかっていた。
 要するにこの大群(人たち)は、死を決定的にしたのだな。