お父さんの蟹が出て来ました。
『どうしたい。ぶるぶるふるへてゐるぢやないか。』
『お父さん、いまをかしなものが来たよ。』
「どんなもんだ。』
☆普く皆(すべて)推しはかる記である。普く雷(神なり)である。
『選集』
山の頂上に一個のリンゴがある。茎からは肉質の厚い二枚の葉が出ており他方には葉(緑)の色をした馬が・・・。
空は淡いブルー、上方は緑がかっている。一面を覆う雲は淡い紫であり、上方は黄みがかっている。
リンゴは赤いというより色を失いかけている。
絶対に有り得ない光景である。
自然の理、条理をことごとく外したありさまを寄せ集めた選集はこの世のものと思えないが、すべて周知の事物であることは間違いない。
リンゴの葉の付き方が違うし、まして異種の生命体でありリンゴなどより遥かに重い上に躍動する物体がリンゴから生え出ている図など論外である。
矛盾というにはあまりに奇想天外である。ここに何らかの意味や説諭の片鱗も見出せず無為徒労に震撼とするばかりだが、社会で必要とされている約束や規範への反感の指標が高々と掲げられてはいまいか。
《概念の破壊》への結集であり、経験値から来るイメージ(慣習)への挑戦である。
(写真は国立新美術館『マグリット』展/図録より)
「この時計、上等だな。巴里製だ。針がゆるんだんだ。」
☆字で啓(人の目をひらき理解させる)。
照(あまねく光が当たる=平等)を問う。
破(一定の枠/現世から外れ)離れる精(霊/生命の根源)は神である。
おれも、ひどく疲れている。イェレミーアスにかましておくべきだった一発をかまし忘れたのも、疲労のせいだろう。
☆Kもまた非常に眠いが、ひょっとしたらイェレミーアスの眠気は為すべきことで身を護っているのではないか。