続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『やまなし』⑮

2018-11-06 07:42:55 | 宮沢賢治

 そのお魚が上流から戻って来ました。

 お魚はギョと読んで、語。
 上流はショウ・リュウと読んで、照、留。
 戻ってはレイと読んで、霊。
 来ましたはライと読んで、雷。

☆語(言葉)は、照(あまねく光が当たる=平等)を留め、霊(死者の魂)は雷(神也)になる。


🈞マグリット『完全なる調和』

2018-11-06 06:48:15 | 美術ノート

   『完全なる調和』

 成熟した女性がありのままの姿(ヌード)で一枚の葉(オリーブ?)を持っている。目は少しそれた方向を真っ直ぐに見つめている。
 背後には巨岩石、女と岩は室内にいて、窓外には水平線(真理)と雲が見える。
 これらをもって『完全なる調和』と題している。

 水の間におおぞらがあって、水と水とを分けよ(『創世記』第1章より)
 地から水のひいたのを知った(オリブの若葉)(『創世記」第8章より)
 主なる神はとこしえの岩だからである(『イザヤ書』より)
 正しい者の道は平らである(『イザヤ書』より)

・・・と、こんなことを想起してしまう。背後にある巨岩石の意味を何と考えたらいいのだろう。
 危機、危険は、常に平穏の背後に隠れている、あるいは共にあるということだろうか。開口部(窓/出入口)に対して岩は大きすぎる。岩はやはり精神的なもの・・・神というより不条理を意味するように思う。
 彼女が手にしているオリブの葉は、その感じからして何かの誓い「宣誓」という気がする。

 あらゆる困難を覚悟しつつも平和と真実(水平線に象徴される)、ありのまま(裸/持たない者は幸福である)の精神を貫くことを誓うという神がかり的な『精神の調和』である。
 この緊張感こそが《美》の真骨頂である『完全なる調和』であると。


(写真は国立新美術館『マグリット』展/図録より)


『耕耘部の時計』57

2018-11-06 06:31:58 | 宮沢賢治

腕時計も六時、柱時計の音も六時なのにその針は五時四十五分です。


☆一つの字で繋(結びつけ)録(書き記す)。
 二つを註(書き記し)字で啓(人の目をひらき理解させる)。
 隠して録(書き記す)二つの芯(中心)がある。
 吾(わたくし)は、二つの詞(言葉)を自由に互に分(見分ける)。


『城』3063。

2018-11-06 06:19:09 | カフカ覚書

ねぇ、イェレミーアス、この人は、なにもかもみごとに論破してしまったのよ!」
 ふたりは、了解のしるしににっこりうなずき合った。
「でも」と、フリーダはつづけた。


☆イェレミーアス、彼は死を論破しました。彼女は理解し、肯きながら微笑んだ。「でも」と、フリーダは続けた。