4月4日、東京スポット、6月物先物相場で、
バレル50ドルを突破した。
ドバイ原油の値上りは、日本などアジア市場の原油相場に
そのまま連動するから日本経済全体にとっても明かに
マイナスとなろう。
NY原油相場(軽質油WTI)が、時間外取引で
バレル57.79ドルと新高値を更新したことが響いた。
これに先立ち、4月1日、NY原油WTI5月物先物相場は、
一時、バレル57.70ドルと新高値を更新していた。
同日、ロンドン原油先物取引でも、5月物ブレント相場が
一時バレル56.60ドルの新高値を更新していた。
これは先週末、Goldman Sachsが出した
『100ドル原油』レポートのシヨックが尾を引いていると
市場関係者は指摘している。
1990年10月11日に記録したバレル40.42ドルを
現在のドルレート(インフレ調整済)で換算すれば
58.18ドルに相当する。
産油国はドルの目減り分を調整することを狙いに
ドル建て相場を値上げしている。
80年代の原油を現在のドルレートで換算すれば
バレル90ドルとの試算がある。
こういう試算を材料にして、投機資金が原油市場に流れ、
原油相場の先高観を煽ろうとしている。
世界はいま超金余り状態にあるといわれている。
投機資金がスキあらばとおいしい獲物はないかと
虎視坦々と狙っているから要注意である。
原油相場上昇はそのままガソリン相場高に連動する。
米国でのガソリン相場上昇は、夏場のドライブシーズンを
控えて、米国の消費に神経質に反応する。
ガソリンが値上りすると低所得層の消費に即影響すると
いうのがエコノミストの見解である。世界最大の量販店
ウオルマートの株価が大幅に値下がりしたのもそのためだ。
ウオールマート下げに止まらず、4月1日のNYダウは
前日比99.46ドル安と大幅に値下りし。
原油高、ガソリン相場高騰、消費減退へと
株式市場がネガティブ材料に敏感に反応した
のであろう。
ところで、原油高騰は、日本ではそれほど危機感をもって
受けとめられていない。
それはオイルショック時期と比べて量的面での心配が
ほとんどないことが挙げられる。
日本で原油高騰が、それほどの騒ぎにならずに
事無きを得ているのは、量的問題もさることながら
為替が1ドル=105円台で安定していたことが大きい。
日本では円高をネガティブ材料に評価する習慣が
定着しているが、日本という国は、自国通貨が
高く評価されて喜ばない極めて珍しい国である。
1ドル=120円や130円いや1ドル=150円になれば
どうなるか。考えただけで真っ青だ。
日本という国は、海外依存率(日本船主協会統計)
で見ると、石炭(97.9%)、原油(99.7%)、
天然ガス(96.9%)、鉄鉱石(100%)、
羊毛(100%)、綿花(100%)、
大豆(94.7%)、小麦(88.8%)、塩(84.6%)
と枚挙にいとまなしである。
日本の自給率は余りにも低過ぎる。
こうした日本の異常な環境のなかで、
ドル堅調の地合いがこのところ続いている。
1ドル=107円から1ドル=108円を窺う状況に
微妙に変化しつつあるようだ。
ドバイ原油、1バレル=50ドル突破と
1ドル=108円へのドル堅調の動きについて、
いま少しまじめにリスク対応が求められる。
コストを吸収して値上げしてもそれが
消費者やユーザーに受け入れられる
魅力ある商品や製品提供に本気になって
取り組んでいるのだろうか。
京都の老舗の菓子屋さんはお昼過ぎに
なるとほとんど店頭で買えないことが多い。
ガムシャラに作り、ただ値下げすれば物が売れると
いまだ錯覚している経営者がおられると伝えられる
現実は誠に淋しい限りである。(了)
バレル50ドルを突破した。
ドバイ原油の値上りは、日本などアジア市場の原油相場に
そのまま連動するから日本経済全体にとっても明かに
マイナスとなろう。
NY原油相場(軽質油WTI)が、時間外取引で
バレル57.79ドルと新高値を更新したことが響いた。
これに先立ち、4月1日、NY原油WTI5月物先物相場は、
一時、バレル57.70ドルと新高値を更新していた。
同日、ロンドン原油先物取引でも、5月物ブレント相場が
一時バレル56.60ドルの新高値を更新していた。
これは先週末、Goldman Sachsが出した
『100ドル原油』レポートのシヨックが尾を引いていると
市場関係者は指摘している。
1990年10月11日に記録したバレル40.42ドルを
現在のドルレート(インフレ調整済)で換算すれば
58.18ドルに相当する。
産油国はドルの目減り分を調整することを狙いに
ドル建て相場を値上げしている。
80年代の原油を現在のドルレートで換算すれば
バレル90ドルとの試算がある。
こういう試算を材料にして、投機資金が原油市場に流れ、
原油相場の先高観を煽ろうとしている。
世界はいま超金余り状態にあるといわれている。
投機資金がスキあらばとおいしい獲物はないかと
虎視坦々と狙っているから要注意である。
原油相場上昇はそのままガソリン相場高に連動する。
米国でのガソリン相場上昇は、夏場のドライブシーズンを
控えて、米国の消費に神経質に反応する。
ガソリンが値上りすると低所得層の消費に即影響すると
いうのがエコノミストの見解である。世界最大の量販店
ウオルマートの株価が大幅に値下がりしたのもそのためだ。
ウオールマート下げに止まらず、4月1日のNYダウは
前日比99.46ドル安と大幅に値下りし。
原油高、ガソリン相場高騰、消費減退へと
株式市場がネガティブ材料に敏感に反応した
のであろう。
ところで、原油高騰は、日本ではそれほど危機感をもって
受けとめられていない。
それはオイルショック時期と比べて量的面での心配が
ほとんどないことが挙げられる。
日本で原油高騰が、それほどの騒ぎにならずに
事無きを得ているのは、量的問題もさることながら
為替が1ドル=105円台で安定していたことが大きい。
日本では円高をネガティブ材料に評価する習慣が
定着しているが、日本という国は、自国通貨が
高く評価されて喜ばない極めて珍しい国である。
1ドル=120円や130円いや1ドル=150円になれば
どうなるか。考えただけで真っ青だ。
日本という国は、海外依存率(日本船主協会統計)
で見ると、石炭(97.9%)、原油(99.7%)、
天然ガス(96.9%)、鉄鉱石(100%)、
羊毛(100%)、綿花(100%)、
大豆(94.7%)、小麦(88.8%)、塩(84.6%)
と枚挙にいとまなしである。
日本の自給率は余りにも低過ぎる。
こうした日本の異常な環境のなかで、
ドル堅調の地合いがこのところ続いている。
1ドル=107円から1ドル=108円を窺う状況に
微妙に変化しつつあるようだ。
ドバイ原油、1バレル=50ドル突破と
1ドル=108円へのドル堅調の動きについて、
いま少しまじめにリスク対応が求められる。
コストを吸収して値上げしてもそれが
消費者やユーザーに受け入れられる
魅力ある商品や製品提供に本気になって
取り組んでいるのだろうか。
京都の老舗の菓子屋さんはお昼過ぎに
なるとほとんど店頭で買えないことが多い。
ガムシャラに作り、ただ値下げすれば物が売れると
いまだ錯覚している経営者がおられると伝えられる
現実は誠に淋しい限りである。(了)