ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

医者の見立て、エコノミストの見立て:米国景気ー学校で教えてくれない経済学

2005-04-26 14:34:33 | 経済学
 米国がくしゃみをすれば日本が肺炎になるという
話を大昔よく聞かされたものだ。

 子どものころそれを聞いてなんとなく分かったような気が
していたから不思議である。

 ただ、経済の話は複雑で分かり難いという話はよく聞く。
小泉首相は経済オンチだとしばしばいわれる。

 しかし、音程がまるで外れている人であれば、オンチか
オンチでないかある程度分かるが、経済の話でどこまで、
そのひとの音程が外れているのか、はずれていないのか、
見極めるのは実際問題として至難のわざであろう。

 物事の真相はそう単純なものではないとおもわれる。

 エコノミストの経済の話はよくわからないと
おっしゃるなら、庶民感覚から言えば、医者の話の方が
よほど分かり難いとおもう。

 医者の世界では見立ての違いがしばしば問題にされる。
人命にかかわることだから当然であろう。相場の世界では
いやなら乗らねばいい。医者の話しはそうはいかないから
実にやっかいだ。

 最近は医療ミス頻発で複数の医者に見せた方が
安心だという風潮が強まりつつあるという話しもよく聞く。
アナリストもエコノミストも似たようなことがしばしばある。
要は見立てというものは横一線ではない。
そもそもも違うものだということである。

 最近、NY株式市場が日替り銘柄よろしく激しく上下する。
それにはエコノミストやアナリストの米国景気に対する
見立ての違いが大きく影響している様に思われる。

 あるエコノミストによれば、米FRBグリーンスパンの
金利政策を槍玉に挙げて、彼が利上げスタンスを変えない
限り、米国景気はよくならない。よって、NY株価も
それまでは、乱高下は避けられないとほぼ断定的に
分析している。

 あるエコノミストの見立てによれば、米国経済は、
極めて健康であり、雇用状態や原油相場が落ち着いて
来たこと、国民の景況感を見ても、景気の底固さを
示していると、上げ賛成と株価上昇を予測している。

 日本では特に目立つが、経済は動くから苦手だと
いう人は結構多い。ところが人間のからだほど
複雑怪奇に出来ていて、これほどリスクの高い代物は
ないはずなのに意外や意外、自分の健康について、
関心の度合いが低いことにはしばしば驚かされる。

 グリーンスパン議長が利上げの方向へ舵を
切った野は昨年の7月である。そろそろ1年になる。
株価は利上げを嫌気して値下がりした。

 ところがブッシュ米大統領が再選されるやNY株価は
大幅上昇した。その間原油相場はバレル58ドルまで
史上最高値を更新していたが相場は無視した。

 それが2005年に入ると、上げたり下げたりである。
特にここ数日の乱れ様は激しい。見立ての違いで
相場はどうにでもなることを教えているのかもしれない。

 米国の景気指標でみると消費者物価指数が年率で
3%を越えた。1年前は2%以下であった。これは明かに
米国経済のからだで言えば確かに徴候の変化である。

 GDP(国内総生産)の伸び率は昨年が平均4%であった。
今年は3.5%へ低下した。これも米国というからだの
徴候の変化である。

 しかし、医者から見れば、GDP4%が3.5%へ
多少鈍化しても米国経済は健康であると診断するかもしれない。
どこも悪いところはありませんよと診断するかもしれない。

 米国の今年の消費者物価が2%以下から3%に上昇しても、
原油が50%以上急騰しての結果であれば、米国のふところの
深さ、米国という国の免疫力、自然治癒力の
したたかさを示しているという見方も十分出来まいか。

 あなたならどうご覧になりますか。

 株を売りたいものは売り方の見立てをする。
株を買いたい者は買い方の見立てをする。

 相場の世界というものは本来、激しく上下に、
売り方、買い方の見たてによって、動くものである。
 
 医者の見立て。エコノミストの見立て。

 自分の健康を守るのは自分自身のリスクである。

 自分の資産を守るのも自分自身のリスクである。(了)

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気迷い状況のNY為替市場ー学校で教えてくれない経済学

2005-04-26 14:26:31 | 経済学
 先週のNY為替市場は、気迷い状況の中、1ドル=106.03円、
1ユーロ=1.3063ドルで取引を終了した。

 週明けの東京市場でも1ドル=105.70円~80円でやや
ドル売り円買いの流れを引き継いでいるようだ。

 人民元が対ドル固定から自由化の方向なら対ドルで
元は買われる。元が買われると流れとして円が買われる。
これが先週、円が高くなった背景のひとつであろう。

 ドルが売られ易い背景に米景気が期待通り好調を
持続しないとの見方が台頭してきた事も響いている。

 米国の最近の経済データの中で、3月の消費者物価が
予測を上回り、それが米FRBの利上げの恰好の論拠を
与えてたりする見方である。

 利上げは利回りからはドル買いだが、景気を冷やし、
株価を引き下げる助けをすることでドル売りを助けると
する見方も根強い。

 原油相場は、先週末、バレル1.19ドル上げ、55.39ドルへ
反発した。先週月曜日、バレル49.66ドルまで下げたところから
5日間で一気に11%上げた計算である。

 原油が高止まりすれば米GDPの60%以上を占める
個人消費の勢にブレーキをかける可能性は極めて高い。
これは明かにドル売り材料である。

 政策当局にとっても、為替で一儲けもふた儲けも
ねらっているヘッジファンドにとっても、一番悩ましいのは、
景気鈍化が進む中と利上げが同時進行することだと
見られている。

 昨年末までは、米国の双子の赤字を材料に、
投機家はドルを1ドル=101円、1ユーロ=1.39ドルまで
売り込んで成功した。

 1ドル=109円から現在、1ドル=106円までドルを
引きずり下した。ここからさらに再び1ドル=101円まで
ドル売りに踏み込めるかが注目される。

 1ドル=101円を越えると目先のドル売りの勢いを止める壁は
見当たらないから日本にとっても厄介だ。

 今週、米国では、消費者信頼感指数、耐久材需要動向、
所得・消費指数、第1四半期の米GDPと経済の重要指数の
発表が目白押しである。

 利上げは米政府の規定路線とすれば、一連の米経済指数の
今週の発表で、景気鈍化が確認出きれば、ドル売りの地合が
強まるだろう。

 データ待ちの中、NY為替市場が気迷い状況にあることは、
一概に責められまい。(了)

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