ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

自然治癒力と株式相場:世界経済ー学校で教えてくれない経済学

2005-04-19 10:06:55 | 経済学
 4月18日、週明けの日本の株式市場は取引開始早々から
大量の売り物が出て、午後になっても下げ止まらず、
日経ダウで、前日比432円安で取引を終了した。

 日経ダウの大幅安は先週末のNYダウ192ポイト安が
引き金をひいたが、中国での反日デモの先行きを
見極めたいとする投資家判断が昨日の下げ相場に
大きく影響したことは間違いない。

 株式相場に限らず、相場の世界では、心理的要素が
上にも下にも相場を動かす傾向が強い。特に下げ相場の
ケースにそれが出やすい。

 人間のからだでも同じである。病は気からというあれだ。
気持ちの持ちようひとつで良くも悪くもなることは身のまわりでも
しばしば経験している。

 自然界の動きにも似たような現象を目にすることが結構多い。

 役目を終えた葉は落ちる。花も枯れる。自然界にとっては
要らなくなれば葉を落とす。実を結ばず落とす花も多い。
全ての花が実をつけることはむしろ少ない。

 動物の世界でも生まれて生を全うするケースのほうが
まれである。冷徹な自然の掟が容赦なく働いている。

 ところが相場の世界になると、葉を落とす(値下がりする)ことと
木が枯れる(倒産して株が紙くずになる)こととが混同される
ケースがまま見受けられる。

 作物でも生り年の翌年には不作になることが多い。
それでも誰も木が枯れるとは思わない。相場の世界では
どこまでも値段が下がるとおもったり、逆にどこまでも
相場が値上がりすると思ってしまう。

 木(企業や経済活動)の生命が断たれない限り
永遠に相場が下げ続けることはない。
それと同じように永遠に値上りを続けることもない。

 生命力さえあれば、自然治癒力というすばらしい神様からの
さずかり物の恩恵をひとひとりひとりが受けている。

 昨日、日経ダウが432円下げた。しかし、これは葉を一時的に
落としている現象と見るのか、日本経済がこの先
下り坂を転がり落ちて、木が枯れてしまう始まりと見るのか、
冷静に見極めておく必要があるだろう。

 NYダウの最近の相場急落も同じであろう。米国の企業業績の
先行きに陰りが出ると見た投資家が先回りして売り姿勢を
強めたと見ることが出来る。

 相場の世界には行き過ぎがつきものであるからなおさらである。
ヘッジファンドというマネーゲームを生業としている一団が最近の
相場の振幅を大きくしている点は見過ごし出来ない。

 米国経済の先行きについて、利上げのスピードが
早まるとみて景気の足を引っ張ると投資家は評価した。

 原油相場高騰が個人のふところ勘定を痛撃し、
米国の個人消費が落ちると悲観的に見た結果が
ここ数日のNYダウの値下がりに現れたと見ておきたい。

 相場の世界には特にそうだが、高をくくるときまって
しっぺ返しを受ける。

 しかし、その一方で、米国の利上げのテンポや
原油高騰の影響を見極めて、余りに米国の利上げを
悲観的に見ることにも疑問が残る。

 それでは、米国金利の居所をどう見るか。

 米FRBは短期の目標金利FFレートを年1.0%に抑えていた。
1.0%自体が異常であるとの見方を米FRBはしている。
異常な状態からそれを少しでも正常な状態に、それも、
慎重なペースで(measured pace)戻す、いまその過程にあると
見ることも出来る。

 年末に4.0%で打ち止めになる可能性を相場が
早晩おり込みはじめるかもしれない。利上げのテンポと
幅に対して、見極めさえつけば相場は早晩勢いを
取り戻すかもしれない。

 NYダウの相場の修正を50年研究しているさる米国の
証券アナリストは、NYダウは例年、秋10月から上げ
春から5月にかけて下げるものだと平然としている。

 原油相場はどうか。NY原油先物相場はバレル58ドルを
つけたあとこのところ急速に勢い(momentum)がなくなった。

 4月18日、NY原油先物相場は、バレル34セント下げ、
50.15ドルで取引を終了した。楽観できないが一時
バレル100ドル原油を材料に悲観論が充満んしたときと
比べて様変わりである。

 一部の産油国は日量50万バレルおOPECの生産限度量
引き上げを見送るだろうと発言したとWSJ紙電子版は
報じた。

 原油相場にかぎらない。世界経済の先行指標の1つである
株式市場でも、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が
崩壊したのか一時的な調整をいれているのか どうかの
見極めこそ基本であろう。

 米国で秋のことをなぜFallというのか。

米国で生活してはじめて納得した。
10月のある朝、起きると家の回りの
木々の葉がまるで丸坊主よろしくばっさり落ちて
ることを発見した。

 葉が落ちることは寒い冬に備えて無駄なエネルギーを
使わせない自然界の智慧であろう。

 抗生物資を投与すると下痢をするケースが多い。
抗がん剤を投与すると髪の毛がばっさり落ちる。
自然治癒力を人為的に奪うことの方がはるかに
恐ろしい結末が控えている。

 自然界の摂理に逆らって葉を落としたのか。
冬に備え春を迎える備えのために葉を落としたのか。

 自然治癒力と株式相場。ここ数日のNYダウ、日経ダウの
お神酒徳利よろしき暴落を、今こそ、冷静に見極めることが
必要かもしれない。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする