4月7日のWSJ紙よると、NYでいままで
無料だったピザの出前に1ドルを取るようになったと
報じていた。
最近の原油高騰、ガソリン代値上げがNYでも足元に
迫ってきた象徴的出来事として紹介している。
米エネルギー庁は、4月7日、2005年4~9月期の
ガソリン代は平均ガロン2.28ドル、前年同期比20%増加
すると発表した。
同庁は、原油相場は、2005年通してバレル当たり50ドル台で
推移するとの予測を発表した。
日本ではレギュラーガソリンの店頭平均値段が
リッター122円台へ値上りしたと騒いでいる程度で
収まっているから幸せである。
燃料重油の値上げを理由に大手製紙メーカーが
値上げを発表したが、ユーザーの反応はクールな様だ。
理由は簡単で、量的不安がほとんどないからだ。
いつでも買える状態で値上げが浸透したためしがない。
手にはいらないと実感しない限り値段は上がらないものである。
特に日本ではこの当たり前の事実がいままで何回も
繰り返されてきている。
日本では新聞に値上げの記事が出れば値上げが
実現したと錯覚している経営者が多いようだ。
物に不足感が出てくると新聞に値上げのアナウンスを
やらなくても値段は自然に上がる。
いまひとつ日本で原油高騰に迫力がない大きな理由は、
為替相場が、ドルが多少上がってもまだ1ドル=108円台に
止まっているからにすぎない。
これが1ドル=120円、130円とドル高(円安)になれば、
とてもいまのような暢気なことを言っておれなくなるだろう。
ただ、米国の双子の赤字は減る気配はないことも
事実である。
現在、一時的にドルが買われているに過ぎない。
早晩ドル売りが再燃するから対ドルで遅かれ早かれ
円高と見る為替専門家は多い。
円が値下がりをはじめ、原油や原料が手にはらないことが
実感されてはじめて、本物の値上げが実現するであろう。
いまのように電話1本で商品がすぐ届けられる
環境では値上げは事実上不可能であろう。
4月7日、NY原油先物WTI相場は、前日比3.1%下げ、
バレル54.11ドルで取引を終了した。一時53.77ドルの
安値を記録した。
NY原油安を好感して、NYダウ平均は、前日比66ドル上昇、
4営業日連騰となった。
原油相場が下がるとNYダウが上げるケースが75%と
の情報もあるそうだ。原油安=NYダウ高を材料にNY株の
先高を煽っている向きもあるようだ。
ところで、IMF(國際通貨基金)が、4月7日、
「原油相場は、2030年まで高値圏」との予測をまとめ、発表した。
その論拠は、世界の原油需要が、日量1億3,800万バレルへ
68%増加するためと分析している。
一方、供給サイドは、非OPECの生産を需要の伸び並みに
増やしてもOPECの生産を現在の倍以上に増やさないと
バランスしないと指摘している。
しかし、中国やインドの原油消費増加を槍玉に挙げているが、
世界の原油消費の半分を占める米国が、ガソリン垂れ流しの
消費パターンを改めない限り、
原油ガソリンの値上げ歯止めは事実上不可であろう。
米国でも一部良識のある市民は低燃費のハイブリッド車ヘの
切り替えにまじめに取り組んでいると伝えられる。
低燃費車の開発に真剣に取り組んでこなかった
世界トップの自動車メーカーGMが赤字に直面、
いま、苦境に立たされているのは一例である。
米国の原油消費が減少し、目に見える形でガソリンや
石油製品の在庫が増えてくれば、原油相場は理屈抜きで
値下がりするであろう。
NYでピザの出前に1ドル。
それでも商売が成り立つというのは、
出前に1ドル払ってもピザを食べたいからだろう。
食べたくない商品や製品をつくり続けている限り
原油値上りを理由の値上げに客はついて来ない。
思わず手にとって食べたくなるような
魅力的な製品、商品を是非とも作って欲しい。(了)
無料だったピザの出前に1ドルを取るようになったと
報じていた。
最近の原油高騰、ガソリン代値上げがNYでも足元に
迫ってきた象徴的出来事として紹介している。
米エネルギー庁は、4月7日、2005年4~9月期の
ガソリン代は平均ガロン2.28ドル、前年同期比20%増加
すると発表した。
同庁は、原油相場は、2005年通してバレル当たり50ドル台で
推移するとの予測を発表した。
日本ではレギュラーガソリンの店頭平均値段が
リッター122円台へ値上りしたと騒いでいる程度で
収まっているから幸せである。
燃料重油の値上げを理由に大手製紙メーカーが
値上げを発表したが、ユーザーの反応はクールな様だ。
理由は簡単で、量的不安がほとんどないからだ。
いつでも買える状態で値上げが浸透したためしがない。
手にはいらないと実感しない限り値段は上がらないものである。
特に日本ではこの当たり前の事実がいままで何回も
繰り返されてきている。
日本では新聞に値上げの記事が出れば値上げが
実現したと錯覚している経営者が多いようだ。
物に不足感が出てくると新聞に値上げのアナウンスを
やらなくても値段は自然に上がる。
いまひとつ日本で原油高騰に迫力がない大きな理由は、
為替相場が、ドルが多少上がってもまだ1ドル=108円台に
止まっているからにすぎない。
これが1ドル=120円、130円とドル高(円安)になれば、
とてもいまのような暢気なことを言っておれなくなるだろう。
ただ、米国の双子の赤字は減る気配はないことも
事実である。
現在、一時的にドルが買われているに過ぎない。
早晩ドル売りが再燃するから対ドルで遅かれ早かれ
円高と見る為替専門家は多い。
円が値下がりをはじめ、原油や原料が手にはらないことが
実感されてはじめて、本物の値上げが実現するであろう。
いまのように電話1本で商品がすぐ届けられる
環境では値上げは事実上不可能であろう。
4月7日、NY原油先物WTI相場は、前日比3.1%下げ、
バレル54.11ドルで取引を終了した。一時53.77ドルの
安値を記録した。
NY原油安を好感して、NYダウ平均は、前日比66ドル上昇、
4営業日連騰となった。
原油相場が下がるとNYダウが上げるケースが75%と
の情報もあるそうだ。原油安=NYダウ高を材料にNY株の
先高を煽っている向きもあるようだ。
ところで、IMF(國際通貨基金)が、4月7日、
「原油相場は、2030年まで高値圏」との予測をまとめ、発表した。
その論拠は、世界の原油需要が、日量1億3,800万バレルへ
68%増加するためと分析している。
一方、供給サイドは、非OPECの生産を需要の伸び並みに
増やしてもOPECの生産を現在の倍以上に増やさないと
バランスしないと指摘している。
しかし、中国やインドの原油消費増加を槍玉に挙げているが、
世界の原油消費の半分を占める米国が、ガソリン垂れ流しの
消費パターンを改めない限り、
原油ガソリンの値上げ歯止めは事実上不可であろう。
米国でも一部良識のある市民は低燃費のハイブリッド車ヘの
切り替えにまじめに取り組んでいると伝えられる。
低燃費車の開発に真剣に取り組んでこなかった
世界トップの自動車メーカーGMが赤字に直面、
いま、苦境に立たされているのは一例である。
米国の原油消費が減少し、目に見える形でガソリンや
石油製品の在庫が増えてくれば、原油相場は理屈抜きで
値下がりするであろう。
NYでピザの出前に1ドル。
それでも商売が成り立つというのは、
出前に1ドル払ってもピザを食べたいからだろう。
食べたくない商品や製品をつくり続けている限り
原油値上りを理由の値上げに客はついて来ない。
思わず手にとって食べたくなるような
魅力的な製品、商品を是非とも作って欲しい。(了)