ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

描かれた遊女:雨宮六途子講演会ースケッチ&コメント

2006-02-26 23:27:44 | スケッチ
『神戸風月堂』サロン講座で(財)神津古文化会館学芸課長の
雨宮六途子(あめみやむつこ)さんの講演会があるというので出かけた。
雨宮さんからは同じサロン講座で二年前源氏物語絵巻物の話を聞いた。

今回のテーマは『描かれた遊女たちー近世初期風俗画を旅して』。
風俗画屏風絵に描かれた遊女の姿を通して、遊女とはなにか、
その時代背景、歌舞伎踊り、遊女歌舞伎の変遷などについて話を聞いた。

『神戸風月堂』は明治30年(1897)創業、ゴーフルでおなじみの和洋菓子の
老舗である。サロン講座は毎回各方面からのゲストを招き、今回で144回目
というから当社の経営トップをはじめスタッフの並々なるぬ努力がしのばれる。

第一部は講演、インターミッションにはお茶とお菓子が出る。この日は
季節感一杯の紅梅の花をかたどった和菓子が出た。

二部はスライドで法然上人絵伝ー室の津の遊女、阿国歌舞伎草子:茶屋遊び、
四条河原遊楽図ー遊女かぶきなど20点近い屏風絵の解説があった。

講演では、「遊女とはなにか」にはじまり,遊びめ、白拍子、
おいらん、女郎と説明が続き、遊女は「聖なる性を司る存在」、
色と恋の女神、一般女性の憧れの存在でもあったと発展した。
出雲の巫女と名乗る”おくに”のかぶき踊り茶屋遊びなどに
ついても詳しく聞くことができた。

たまたま2月22日、日本経済新聞朝刊「美の美」欄に「かぶき踊り」の時代背景が
詳しく出ていた。時間が許せば是非お目通し願いたい。

遊女かぶきは四条河原のスターだったらしい。遊里は天正17年(1599):
二条柳町、慶長7年(1602):六条三筋町、寛永17年(1640):島原へ
転々と移動している。

移動しているというより、あまりに異様、勝手気ままな振る舞いに幕府が
危機感を持ち、遊郭として島原に隔離したというのが正しいかもしれない。

公家であれ武士であれ、町人であれ、戦国の世から解き放たれて
乱世願望を生み出したと雨宮さんは解説された。

講演の最後に遊里の百科全書といわれる『色道大鑑』(藤本箕山著)
の紹介があった。

それによると遊女は琴、三味線など芸に堪能であることはいうに及ばず、
茶道はじめ習い事は全て良くし、機転が利き、たよやかで、ひけらかすような
ことは一切しないと書いてあるそうだ。才色兼備を条件とした。

面白いのは客の身だしなみにも触れている。男は20~30代はうまい人うまくない
人あり、30~40代はうまい人に分がある、40~50代はどんなうまいひとでも
金銀甲斐なし、若いものには勝てない、50代以上は遊女は来ないと手厳しい
評価だったと雨宮さんの解説があった。

『金銀甲斐なし』という言葉が重くかつ厳しい。

金さえ積めば敵なしという現代の風潮を当時の遊女が耳にすれば
失笑を買うこと請け合いだろう。〈了)
江嵜企画代表・Ken



Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3  C0071 1905E 
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)

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