4月8日、米労働省は、3月の非農業部門の就業者数が前月比211,000人増え、失業率が2月の4.8%から4.7%へ低下したと発表した。
米雇用情勢の堅調は即インフレ懸念、利上げ継続と受けとられた結果、まず債券が売られ、つれてNYダウも下げ、前日比96ドル安の11,120ドルで取引を終了した。
米労働省データによれば、3月雇用21万増のうちサービス・セクターが80%を占めており製造業は5,000人減少した。サービス部門増加のうち専門職が5.2万増、レストラン関係3.3万増、小売関係2.9万増、政府関係2.4万増などが含まれているのが特徴である。
一時雇用者数が減少し長期雇用者数が増加した。時間当たり平均賃金の増加率が一年前の2.5%増から3.5%増へ伸びた。採用を減らす企業が継続的に減少している。業種別では金融・テクノロジーセクターでは伸びが見られる。建設関係は企業の設備投資増加の影響もあり7,000人増加した。
建築関係企業のRyan Companies US Inc.副社長、Jim Nahrabg氏は、「ここ2年間で30%以上採用を増やした。景気の先行きに自信が出てきた。注文が確実に増えてきている。土木建築工学出の学生は米国いずれの州でも引っ張りだこだろう。」と話したとWSJ紙電子版(4月7日)は紹介している。
その一方で、10代の黒人の失業率が2月の30.8%から3月の33.1%へ増加した。ハリケーン・カトリーナによる避難家族の失業率は12.6%から16.5%へ増加している。自宅に戻った家族の失業率は5.3%であるが、家をなくしたままの家族の失業率は34.7%と異常に高いと紹介している。
今回の米雇用統計の発表内容を仔細に分析すれば、雇用増、賃金アップ即インフレ、利上げ継続に必ずしもつながらないとD.A.Davudson&Co,アナリスト、Fred Dickson氏は指摘しているとWSJ紙は紹介している。アナリストの見方は分かれているようだ。
ただ、この日のNYダウで、値上がり銘柄数は628、値下がり目柄数は2,694だった。3月の雇用統計を読んで何かを感じて、とりあえずは売り先行で行動したのであろう。
相場の世界は水鳥の生態によく似ている。おかしいなと感じたらまず水鳥はその場を離れる。好転すれば戻ればよい。相場の世界は日本人のDNAが一番苦手としている科目である。
たかが相場と言うなかれ。されど相場である。相場から学ぶことも結構多い。(了)
作者・江嵜企画代表 Ken
米雇用情勢の堅調は即インフレ懸念、利上げ継続と受けとられた結果、まず債券が売られ、つれてNYダウも下げ、前日比96ドル安の11,120ドルで取引を終了した。
米労働省データによれば、3月雇用21万増のうちサービス・セクターが80%を占めており製造業は5,000人減少した。サービス部門増加のうち専門職が5.2万増、レストラン関係3.3万増、小売関係2.9万増、政府関係2.4万増などが含まれているのが特徴である。
一時雇用者数が減少し長期雇用者数が増加した。時間当たり平均賃金の増加率が一年前の2.5%増から3.5%増へ伸びた。採用を減らす企業が継続的に減少している。業種別では金融・テクノロジーセクターでは伸びが見られる。建設関係は企業の設備投資増加の影響もあり7,000人増加した。
建築関係企業のRyan Companies US Inc.副社長、Jim Nahrabg氏は、「ここ2年間で30%以上採用を増やした。景気の先行きに自信が出てきた。注文が確実に増えてきている。土木建築工学出の学生は米国いずれの州でも引っ張りだこだろう。」と話したとWSJ紙電子版(4月7日)は紹介している。
その一方で、10代の黒人の失業率が2月の30.8%から3月の33.1%へ増加した。ハリケーン・カトリーナによる避難家族の失業率は12.6%から16.5%へ増加している。自宅に戻った家族の失業率は5.3%であるが、家をなくしたままの家族の失業率は34.7%と異常に高いと紹介している。
今回の米雇用統計の発表内容を仔細に分析すれば、雇用増、賃金アップ即インフレ、利上げ継続に必ずしもつながらないとD.A.Davudson&Co,アナリスト、Fred Dickson氏は指摘しているとWSJ紙は紹介している。アナリストの見方は分かれているようだ。
ただ、この日のNYダウで、値上がり銘柄数は628、値下がり目柄数は2,694だった。3月の雇用統計を読んで何かを感じて、とりあえずは売り先行で行動したのであろう。
相場の世界は水鳥の生態によく似ている。おかしいなと感じたらまず水鳥はその場を離れる。好転すれば戻ればよい。相場の世界は日本人のDNAが一番苦手としている科目である。
たかが相場と言うなかれ。されど相場である。相場から学ぶことも結構多い。(了)
作者・江嵜企画代表 Ken