WSJ紙電子版(4月25日)によると、胡錦濤・中国国家主席は、サウジアラビアとナイジエリアを訪問し、中国にとって石油を確保することが国の最優先事項であることをはっきりさせていると伝えた。
同紙によれば、不必要な摩擦や疑念を米国に持たせないように、まず米国を訪問しその直後に世界最大の産油国サウジアラビアとナイジエリアを訪問先に選んだと解説している。
ただ、アメリカの政治家は、「北京政府は西側が忌み嫌う例えばイランやスーダン政府に言い寄りながらエネルギー資源を独り占めしようとしている。中国経済の急拡大に伴いエネルギー価格は急騰した。中国のエネルギー渇望によって政治的緊張が高まってきている。」と中国を非難しているとWSJ紙は指摘している。
中国政府機関紙はことさらに米国や西側を刺激しないように中国が石油を欲しがっていることは抑え、中国が中東和平と開発途上国支援に貢献していることを敢えて強調しているとWSJ紙は紹介している。
WSJ紙によれば、胡錦濤主席は、4月24日、25日の2日間をサウジアラビアで過ごし、4月26日にナイジエリアを訪問する。その後、中国が油田開発を進めているモロッコ、ケニアにも立ち寄る予定である。
ナイジエリアやアンゴラは伝統的に西側諸国とのつながりがあったが最近は西側とのバランスをとろうと転換してきた。そうしたアフリカ諸国に対して中国は政府援助やインフラ整備に積極的に関与している。中国のアンゴラからの石油輸入は1位だったサウジを今年抜いた。
今回の中国首脳の訪問先のサウジ国営石油企業のSaudi Aramcoは、2010年までに中国に対して日量100万バレルの原油を供給すると発表した。ナイジエリアでは、油田開発及び慢性的な不況状態が続いている石油精製工場に対する投資計画を討議する予定である。
中国の2006年の石油需要は5.5%増加し、日量700万バレルに達するとの予測されている。現時点で既に中国は世界の石油需要の約8%を占め、米国についで世界第2の石油消費国である。中国の所得が増加し、車の輸入が増えれば、中国の石油需要は、自国生産の3倍の日量1,200万バレルに達すると一部のアナリストは予測している。
米時間本日、米大統領は石油備蓄積み増し停止を発表した。しかし一時的な弥縫策には限界があるだろう。米中会談では派手なショーをやり、その足でのアフリカ産油国訪問では実利をとる。中国のしたたかな中長期的国家戦略から学ぶところは多いようだ。(了)
江嵜企画代表・Ken
同紙によれば、不必要な摩擦や疑念を米国に持たせないように、まず米国を訪問しその直後に世界最大の産油国サウジアラビアとナイジエリアを訪問先に選んだと解説している。
ただ、アメリカの政治家は、「北京政府は西側が忌み嫌う例えばイランやスーダン政府に言い寄りながらエネルギー資源を独り占めしようとしている。中国経済の急拡大に伴いエネルギー価格は急騰した。中国のエネルギー渇望によって政治的緊張が高まってきている。」と中国を非難しているとWSJ紙は指摘している。
中国政府機関紙はことさらに米国や西側を刺激しないように中国が石油を欲しがっていることは抑え、中国が中東和平と開発途上国支援に貢献していることを敢えて強調しているとWSJ紙は紹介している。
WSJ紙によれば、胡錦濤主席は、4月24日、25日の2日間をサウジアラビアで過ごし、4月26日にナイジエリアを訪問する。その後、中国が油田開発を進めているモロッコ、ケニアにも立ち寄る予定である。
ナイジエリアやアンゴラは伝統的に西側諸国とのつながりがあったが最近は西側とのバランスをとろうと転換してきた。そうしたアフリカ諸国に対して中国は政府援助やインフラ整備に積極的に関与している。中国のアンゴラからの石油輸入は1位だったサウジを今年抜いた。
今回の中国首脳の訪問先のサウジ国営石油企業のSaudi Aramcoは、2010年までに中国に対して日量100万バレルの原油を供給すると発表した。ナイジエリアでは、油田開発及び慢性的な不況状態が続いている石油精製工場に対する投資計画を討議する予定である。
中国の2006年の石油需要は5.5%増加し、日量700万バレルに達するとの予測されている。現時点で既に中国は世界の石油需要の約8%を占め、米国についで世界第2の石油消費国である。中国の所得が増加し、車の輸入が増えれば、中国の石油需要は、自国生産の3倍の日量1,200万バレルに達すると一部のアナリストは予測している。
米時間本日、米大統領は石油備蓄積み増し停止を発表した。しかし一時的な弥縫策には限界があるだろう。米中会談では派手なショーをやり、その足でのアフリカ産油国訪問では実利をとる。中国のしたたかな中長期的国家戦略から学ぶところは多いようだ。(了)
江嵜企画代表・Ken