米住宅大手、Home Depoの減益幅拡大のニュースと米格付け会社、S&P(Standard & Poor)社が、住宅ローン会社の格下げ発表を受けて、NYダウは前日比148ドル下げ、13,501ドルで取引された。NY為替市場では、ドルが売られ、1ユーロ=1.3741ドル、1ドル=121.88円で取引された。
S&P社は、7月10日、ここ数日内に、サブプライムローン関係の住宅ローン会社の債券格下げを予定していると発表した。これにより影響を受ける債券は120億ドルと今朝のWSJ紙は紹介している。さらに、格付け会社、Moody’s Investors Serviceが399社の住宅ローン会社の格下げを発表した。
HomeDepo社は、2007年会計年度の収益を9%減と予測していた。それを15%から18%減と下方修正した。米建設最大手、D.R.Horton社は、2007年7~9月期、3ヶ月の受注高が前年比40%減予測から赤字決算になると発表した。
S&Pによる格下げで動揺していたマーケットに、追い討ちをかけたのが米FRB議長、Ben Bernankeスピーチである。インフレ懸念から、利下げを予見させる発言をしなかった。
相場はひとの心の鏡である。不安心理の増幅が一番いけない。少しでも腹をすかしておこうとする心理が投資家の間で当然起こる。多くの米国の投資家は、住宅需要不振は米景気を根底から揺るがす規模ではないと頭では理解している。ただ、ドルが同時に売られると米国へ海外から資金が入ってこない怖れがあると先読みするのであろう。
一方、NY原油8月先物(WTI:軽質油)相場は、バレル62セント値上がり、72.81ドルで取引された。在庫減を材料に、ガソリン相場は1%、燃料油相場は1.5%値上がりした。重質油ブレント相場も、バレル61セント値上がりして76.40ドルで取引された。
原油相場上昇には、米国が、ペルシャ湾へ、3隻目の空母を派遣すると発表したことが影響したとWSJ紙は解説している。当然イランを威嚇するためであろう。しかし、日本に住んでいるとこのあたりの感度が極端に鈍ってきたことを実感する。「イザ鎌倉」、という言葉がある。これは知識である。頭で考えても、何事も実感が伴わないと理解できない。
NY為替市場で、ドルは対ユーロで、1ユーロ=1.3741ドルへ過去最安値まで値下がりした。
対英ポンドでは、1ポンド=2.0273ドルへ、26年来のドル安値である。つれて対円でも1ドル=121.88円まで下げたが円安水準である。日本人が米国債を買い漁っているからだ。
自国通貨の値下がりを喜ぶのは日本人だけだろう。日本は実に不思議な国である。(了)
S&P社は、7月10日、ここ数日内に、サブプライムローン関係の住宅ローン会社の債券格下げを予定していると発表した。これにより影響を受ける債券は120億ドルと今朝のWSJ紙は紹介している。さらに、格付け会社、Moody’s Investors Serviceが399社の住宅ローン会社の格下げを発表した。
HomeDepo社は、2007年会計年度の収益を9%減と予測していた。それを15%から18%減と下方修正した。米建設最大手、D.R.Horton社は、2007年7~9月期、3ヶ月の受注高が前年比40%減予測から赤字決算になると発表した。
S&Pによる格下げで動揺していたマーケットに、追い討ちをかけたのが米FRB議長、Ben Bernankeスピーチである。インフレ懸念から、利下げを予見させる発言をしなかった。
相場はひとの心の鏡である。不安心理の増幅が一番いけない。少しでも腹をすかしておこうとする心理が投資家の間で当然起こる。多くの米国の投資家は、住宅需要不振は米景気を根底から揺るがす規模ではないと頭では理解している。ただ、ドルが同時に売られると米国へ海外から資金が入ってこない怖れがあると先読みするのであろう。
一方、NY原油8月先物(WTI:軽質油)相場は、バレル62セント値上がり、72.81ドルで取引された。在庫減を材料に、ガソリン相場は1%、燃料油相場は1.5%値上がりした。重質油ブレント相場も、バレル61セント値上がりして76.40ドルで取引された。
原油相場上昇には、米国が、ペルシャ湾へ、3隻目の空母を派遣すると発表したことが影響したとWSJ紙は解説している。当然イランを威嚇するためであろう。しかし、日本に住んでいるとこのあたりの感度が極端に鈍ってきたことを実感する。「イザ鎌倉」、という言葉がある。これは知識である。頭で考えても、何事も実感が伴わないと理解できない。
NY為替市場で、ドルは対ユーロで、1ユーロ=1.3741ドルへ過去最安値まで値下がりした。
対英ポンドでは、1ポンド=2.0273ドルへ、26年来のドル安値である。つれて対円でも1ドル=121.88円まで下げたが円安水準である。日本人が米国債を買い漁っているからだ。
自国通貨の値下がりを喜ぶのは日本人だけだろう。日本は実に不思議な国である。(了)