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NYダウ92ドル高、円118円台:日本のお金は海外へー学校で教えてくれない経済学

2007-07-31 11:13:53 | 経済学
7月30日付けのWSJ紙電子版は、日本の個人資産13兆ドル(ドル118円換算:1,530兆円)のうち海外への投資は3.6%に過ぎないことから、日本の金融機関は今後とも個人に対して海外投資を積極的に勧誘するだろうと伝えるHenny Sender記者の記事を紹介した。

貸し出し金利年0.5%という異常に低い金利でお金を借り、金利の高い、オーストラリアドルやニュジーランドドルなどに投資する、いわゆる円キャリートレードが増加した結果、このところ一時的に円相場は強含みであるが、基本的には円安基調である。

円安を支えているのは、日本の外貨建て投資であり、今年4月、1981年統計を取り始めて以来最高の1.5兆円(143.1億ドル)を記録、その結果32.3兆円に達した。ただ、2007年1~3月期間、日本の個人資産13兆ドルの内訳は、現預金50%、保険サービス26%、株式12%、投資信託、債券その他合計で12%とWSJ紙はグラフをつけて説明した。

一方、米国は、個人資産42.5兆ドルの内、現預金は13%、保険サービス31%、株式30%、投資信託15%、債券その他11%と個人資産運用における日米の差を指摘し、日本は、海外資産投資を、この先、益々増やさざるを得なくなるだろうとSender記者は指摘していた。

Sender記者は、退職後の生活に対する不安が日本で高まりつつあると指摘した。その結果、より高いリターンを求めて、海外への投資が増える。それが為替相場の円安に拍車をかけ、日本企業は国内への投資を減らす。安い通貨を利用して海外投資を増やすため、日本国内のお金のバランスが益々、いびつになって来ていると指摘した。

一方、7月30日、NYダウは、前日比92ドル上昇し、13,358ドルで取引を終了した。ただ、つい2週間足らず前、NYダウは14,000ドルからみれば650ドル及ばない。今朝のWSJ紙は「まだ森の中を抜け出していない。」とあるエコノミストの見方を紹介していた。

今朝のWSJ紙は、参院選で自民党が大敗し、参議院で与野党が逆転したことを詳しく報道し、日本が進めてきた改革のスピードが鈍るのではないかと懸念していた。選挙結果直後の日経ダウは、一時240円近く値下がりしたが、好業績企業株に買いが入り、それを手がかりに前日比5円高まで戻して、1万7,283円で取引を終了した。

WSJ紙のSender記者は、日本人の退職後の生活に対する不安の高まりを指摘した。ただ、現実問題として、日本にはバブル後遺症が残っている。法外なまでの振り込み手数料を取られても、年0.5%にも満たない異常に低い預金金利に個人資産の過半を依存している。

老後の生活をどうするか。国に期待出来ないなら自分で考えて生きる以外なさそうだ。(了)


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