運動時の水がぶ飲みで、低ナトリウム血症の恐れ(朝日新聞) - goo ニュース
2007年07月02日12時30分
運動する際に水をがぶ飲みしすぎると、運動誘発性の低ナトリウム血症(EAH)におそわれかねない――。米国の専門家が医学誌スポーツメディシン5月号で、適度の水分補給を呼びかけている。
運動時に水分をとりすぎて血液中の塩分濃度が下がると、けいれんや呼吸困難といったEAHの症状にみまわれるおそれがある。ジョージタウン大医療センター(ワシントン)のジョセフ・バーバリス教授によると、ある年のボストンマラソンでは参加者の約13%がEAHになった。今年のロンドンマラソンでも1人が死亡したという。トライアスロンや軍隊の行軍などでも報告例がある。
運動を続ける時間が4時間を超えるようだと注意がいる。過去のマラソン大会の調査で、レース中に3リットル以上の水を飲んだ人がEAHになるリスクが高かったという。
運動後に体重が増えれば水分の取りすぎだ。運動前後の自分の体重の変化(おおまかな汗の量)を調べ、その量に見合った分だけ水分を補給するよう心がけるべきだとしている。
05年にEAH防止指針をまとめた経験があるバーバリス教授は「水の代わりに、塩分を含むスポーツ飲料を飲めばEAHを予防できるというのは誤解。スポーツ飲料も飲み過ぎると、やはり水分を取りすぎるリスクがある」と指摘する。
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運動時だけでなく、「塩分控えめ」や「カリウム補給」が間違った健康指導になっている場合が以外に多く、これから夏は痙攣や浮腫みやこむら返りを訴える人が増えてくる。
塩分はミネラル補給に大切な役割をしているのですが、古い栄養学で化学塩の「塩化ナトリウム」を「塩分」と表現したから困った問題が出てきた。
塩化ナトリウムは、血管壁に張り付いて動脈硬化の原因になるのですが、自然塩はミネラルを多く含むので、そのような病気の原因にはならない、というのが常識になりつつあります。
しかし、栄養学の知識のない医師も多く、世間で言われる「俗説」を鵜呑みにして患者さんに指導する場合があるから困ってしまう。
例えば、膝痛とこむらがえりを訴えて来院した方の筋肉の状態から、「塩分不足」と判断したので、 梅醤番茶 を飲むように指導した。
次に来院した時には、膝痛は楽になり、こむらがえりもなくなり、足の浮腫みも消えていた。
また、野球少年が腰痛を訴えてきたので、カリウムを意識的に摂っているのではないかと質問したところ、その通りの飲料水をがぶ飲みしていた。
これは、ナトリウムとカリウムの拮抗作用で、ナトリウムが抜けた状態だったのですが、栄養学でも間違った常識は怖い結果になることも、このニュースのように報道してくれたら、病気になる人はもっと少なくなるはずです。
2007年07月02日12時30分
運動する際に水をがぶ飲みしすぎると、運動誘発性の低ナトリウム血症(EAH)におそわれかねない――。米国の専門家が医学誌スポーツメディシン5月号で、適度の水分補給を呼びかけている。
運動時に水分をとりすぎて血液中の塩分濃度が下がると、けいれんや呼吸困難といったEAHの症状にみまわれるおそれがある。ジョージタウン大医療センター(ワシントン)のジョセフ・バーバリス教授によると、ある年のボストンマラソンでは参加者の約13%がEAHになった。今年のロンドンマラソンでも1人が死亡したという。トライアスロンや軍隊の行軍などでも報告例がある。
運動を続ける時間が4時間を超えるようだと注意がいる。過去のマラソン大会の調査で、レース中に3リットル以上の水を飲んだ人がEAHになるリスクが高かったという。
運動後に体重が増えれば水分の取りすぎだ。運動前後の自分の体重の変化(おおまかな汗の量)を調べ、その量に見合った分だけ水分を補給するよう心がけるべきだとしている。
05年にEAH防止指針をまとめた経験があるバーバリス教授は「水の代わりに、塩分を含むスポーツ飲料を飲めばEAHを予防できるというのは誤解。スポーツ飲料も飲み過ぎると、やはり水分を取りすぎるリスクがある」と指摘する。
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運動時だけでなく、「塩分控えめ」や「カリウム補給」が間違った健康指導になっている場合が以外に多く、これから夏は痙攣や浮腫みやこむら返りを訴える人が増えてくる。
塩分はミネラル補給に大切な役割をしているのですが、古い栄養学で化学塩の「塩化ナトリウム」を「塩分」と表現したから困った問題が出てきた。
塩化ナトリウムは、血管壁に張り付いて動脈硬化の原因になるのですが、自然塩はミネラルを多く含むので、そのような病気の原因にはならない、というのが常識になりつつあります。
しかし、栄養学の知識のない医師も多く、世間で言われる「俗説」を鵜呑みにして患者さんに指導する場合があるから困ってしまう。
例えば、膝痛とこむらがえりを訴えて来院した方の筋肉の状態から、「塩分不足」と判断したので、 梅醤番茶 を飲むように指導した。
次に来院した時には、膝痛は楽になり、こむらがえりもなくなり、足の浮腫みも消えていた。
また、野球少年が腰痛を訴えてきたので、カリウムを意識的に摂っているのではないかと質問したところ、その通りの飲料水をがぶ飲みしていた。
これは、ナトリウムとカリウムの拮抗作用で、ナトリウムが抜けた状態だったのですが、栄養学でも間違った常識は怖い結果になることも、このニュースのように報道してくれたら、病気になる人はもっと少なくなるはずです。