7月26日、NY株式市場は、サブプライムローン問題の更なる悪化懸念から、ほぼ全面安となり、NYダウ(-2.26%)、ナスダック(-1.84%)、S&P500種 平均(-2.33%)、小型株指数ラッセル(-2.59%)それぞれ前日比大幅値下がりした。
NYダウは、一時430ドル強値下がりしたが、若干戻し、前日比311.51ドル下げ、13,473.57ドルで取引を終了した。丁度1週間前の7月19日に14,000ドルを突破したあと、下げ相場の地合いは改善していない。過ぎたれば及ばざるが如し。相場には調整がつきものだ。
株からより安全な債券への資金の流れが継続している。この日のNY債券市場では、債券が買われ、10年物国債利回りは、4.788%まで低下した。利下げありと相場は教えている。
米商務省が、米国の6月の一戸建て住宅の新規販売件数が、年率834,000件へ前月比6.6%減と発表、予測を大幅に下回った。このままの調子だと、住宅需要不振は2008年までずれ込むとの観測が出ている。この日発表された6月の米耐久財受注高が、予測の1.6%増に対して1.4%増に留まったことも、米国経済の先行き懸念を増幅させたようだ。
住宅ローン証券の価格指数が、年初から下げ止まらず、現時点で年初の40%の水準まで値下がりしている。売るから下げる、下げるから売る、相場特有の下げスパイラル現象を起こしていることから、資金不足からM&A《合併統合》の動きにもマイナスに働く。米国株式を支えてきたM&Aの動きが弱まれば株価下落を助長させるだろう。
一方、NY外国為替市場では、対円でドルが引き続き売られ、1ドル=118.66円で取引された。ドル相場が、対円で、1ドル=120円という心理的壁を抜けたことで、いままでドル買い・円売りを支えていた円キャリートレードにもマイナスに働くだろうと為替アナリストは解説している。
ドル売り・円買いの動きには、日本で参院選が終われば、日銀が政治的影響を受け難くくなるとの思惑も影響している。米国では、住宅需要不振から、早ければ10月にも米FRBが利下げに動くとの見方が出てきた。日本で利上げ、米国で利下げとなれば、日米の金利差が縮小する。彼我の金利差を材料にして、水鳥は餌を求めて、ドル買い・円売りに動いていた。ドルから円へ、株から債券への動きは、渡り鳥にしてみれば、死活問題だから、餌場を変えることは自然の動きである。
からだにひずみが出ると病気になる。金融の世界であれ物の世界であれ、ひずみが大きくなれば病気になる。問題は、NY株価下落やドル売りが一時的な現象か、からだに内在する構造的現象か、事態の推移を冷静に見守ることがここは得策であると教えている。(了)
NYダウは、一時430ドル強値下がりしたが、若干戻し、前日比311.51ドル下げ、13,473.57ドルで取引を終了した。丁度1週間前の7月19日に14,000ドルを突破したあと、下げ相場の地合いは改善していない。過ぎたれば及ばざるが如し。相場には調整がつきものだ。
株からより安全な債券への資金の流れが継続している。この日のNY債券市場では、債券が買われ、10年物国債利回りは、4.788%まで低下した。利下げありと相場は教えている。
米商務省が、米国の6月の一戸建て住宅の新規販売件数が、年率834,000件へ前月比6.6%減と発表、予測を大幅に下回った。このままの調子だと、住宅需要不振は2008年までずれ込むとの観測が出ている。この日発表された6月の米耐久財受注高が、予測の1.6%増に対して1.4%増に留まったことも、米国経済の先行き懸念を増幅させたようだ。
住宅ローン証券の価格指数が、年初から下げ止まらず、現時点で年初の40%の水準まで値下がりしている。売るから下げる、下げるから売る、相場特有の下げスパイラル現象を起こしていることから、資金不足からM&A《合併統合》の動きにもマイナスに働く。米国株式を支えてきたM&Aの動きが弱まれば株価下落を助長させるだろう。
一方、NY外国為替市場では、対円でドルが引き続き売られ、1ドル=118.66円で取引された。ドル相場が、対円で、1ドル=120円という心理的壁を抜けたことで、いままでドル買い・円売りを支えていた円キャリートレードにもマイナスに働くだろうと為替アナリストは解説している。
ドル売り・円買いの動きには、日本で参院選が終われば、日銀が政治的影響を受け難くくなるとの思惑も影響している。米国では、住宅需要不振から、早ければ10月にも米FRBが利下げに動くとの見方が出てきた。日本で利上げ、米国で利下げとなれば、日米の金利差が縮小する。彼我の金利差を材料にして、水鳥は餌を求めて、ドル買い・円売りに動いていた。ドルから円へ、株から債券への動きは、渡り鳥にしてみれば、死活問題だから、餌場を変えることは自然の動きである。
からだにひずみが出ると病気になる。金融の世界であれ物の世界であれ、ひずみが大きくなれば病気になる。問題は、NY株価下落やドル売りが一時的な現象か、からだに内在する構造的現象か、事態の推移を冷静に見守ることがここは得策であると教えている。(了)