Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3 C0071 1905E
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)
徳川記念財団、理事長、徳川恒孝(とくがわつねなり)氏の講演会が
NPO法人国際生涯学習文化センター主催で、大阪市内、うつぼ公園内に
ある、大阪科学技術センターで開かれ、楽しみにして出かけた。
自分は徳川の立場で物を見ている人間であると前置きしたあと、
何かと太閤さんと家康が引き合いに出されるせいか、大阪でこのような
機会を与えられて感謝しているとユーモアたっぷりに話を始めた。
日本では鎖国の弊害やキリスト教徒弾圧など徳川時代を悪く言う人が多い。
鎖国260年の間、日本人は、戦争のない世の中を明るく楽しんだ。開国もあの時
以外ないという絶妙のタイミングだったと外国人は評価していると徳川さんは
胸を張った。
講演のなかで何度も出てきた話は江戸時代の教育である。
家康は漢字を広め、多くの本を出し、本を読むことの大切さを説いた。
寺子屋が全国に2千数百あり、しかも人それぞれの個性の学びを尊重した。
百姓には『百姓往来』、商人には『商人往来』というように、独特な教材を
使って教えた。その結果、落ちこぼれはゼロだったという。
江戸100万(武士50万庶民50万)、京都40万(一部の公家と大多数の庶
民)、
大坂50万(少数の武士と残りは全て商人と庶民)という三都体制を貫いた。
これは世界に例を見ない。日本の人口は徳川時代以前は1,200万だった。
それが江戸260年で3000万になった。
江戸は武士の考えである金が全てでないとう、儒教精神が支えた。京都は
今日まで脈々と受け継がれている匠の世界に誇りを持っていた。大坂は
商人が文化生活の中心にあり、米相場制度を開発し、日本全国に物資を
供給する重要な役割を果たした。
江戸、京都、大坂は税金のない都会だった。百姓は年貢を払ったが、米と
土地を自分で持っていたことで、武士、公家、商人に対しても、卑屈にならず
誇りを持って生活していた。
講演の締めくくりとして以下の話が特に印象に残った。
先日ある中学校で講演する機会があった。子供たちに「おじさんは間もなくいなくな
る。
みなさんが私と同じような年頃になったとき日本は、いくらお金を出しても物が手に
入らない時代になっている」と徳川さんは子供たちに話したそうだ。
地球の人口は現在の66億が2050年には99億人に増える。世界的な資源
環境問題から、水・食料・エネルギー不足問題が温暖化が進む結果、
深刻な事態になっている。その矢先の新潟での原子力発電所操業停止である。
深刻な事態に直面しているにもかかわらず、今の日本人が全く反応しない、と
話されたとき、徳川さんのいままでの笑顔が一瞬消えた。
話が始まった直後にいつものようにスケッチを始めた。しかし、話が余りに面白く、
6時45分から始まって8時前まで、夢中に講演を聞いていた。スケッチの手が
全く進まなかったことを白状する。(了)
ISBN978-4-904021-03-3 C0071 1905E
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)
徳川記念財団、理事長、徳川恒孝(とくがわつねなり)氏の講演会が
NPO法人国際生涯学習文化センター主催で、大阪市内、うつぼ公園内に
ある、大阪科学技術センターで開かれ、楽しみにして出かけた。
自分は徳川の立場で物を見ている人間であると前置きしたあと、
何かと太閤さんと家康が引き合いに出されるせいか、大阪でこのような
機会を与えられて感謝しているとユーモアたっぷりに話を始めた。
日本では鎖国の弊害やキリスト教徒弾圧など徳川時代を悪く言う人が多い。
鎖国260年の間、日本人は、戦争のない世の中を明るく楽しんだ。開国もあの時
以外ないという絶妙のタイミングだったと外国人は評価していると徳川さんは
胸を張った。
講演のなかで何度も出てきた話は江戸時代の教育である。
家康は漢字を広め、多くの本を出し、本を読むことの大切さを説いた。
寺子屋が全国に2千数百あり、しかも人それぞれの個性の学びを尊重した。
百姓には『百姓往来』、商人には『商人往来』というように、独特な教材を
使って教えた。その結果、落ちこぼれはゼロだったという。
江戸100万(武士50万庶民50万)、京都40万(一部の公家と大多数の庶
民)、
大坂50万(少数の武士と残りは全て商人と庶民)という三都体制を貫いた。
これは世界に例を見ない。日本の人口は徳川時代以前は1,200万だった。
それが江戸260年で3000万になった。
江戸は武士の考えである金が全てでないとう、儒教精神が支えた。京都は
今日まで脈々と受け継がれている匠の世界に誇りを持っていた。大坂は
商人が文化生活の中心にあり、米相場制度を開発し、日本全国に物資を
供給する重要な役割を果たした。
江戸、京都、大坂は税金のない都会だった。百姓は年貢を払ったが、米と
土地を自分で持っていたことで、武士、公家、商人に対しても、卑屈にならず
誇りを持って生活していた。
講演の締めくくりとして以下の話が特に印象に残った。
先日ある中学校で講演する機会があった。子供たちに「おじさんは間もなくいなくな
る。
みなさんが私と同じような年頃になったとき日本は、いくらお金を出しても物が手に
入らない時代になっている」と徳川さんは子供たちに話したそうだ。
地球の人口は現在の66億が2050年には99億人に増える。世界的な資源
環境問題から、水・食料・エネルギー不足問題が温暖化が進む結果、
深刻な事態になっている。その矢先の新潟での原子力発電所操業停止である。
深刻な事態に直面しているにもかかわらず、今の日本人が全く反応しない、と
話されたとき、徳川さんのいままでの笑顔が一瞬消えた。
話が始まった直後にいつものようにスケッチを始めた。しかし、話が余りに面白く、
6時45分から始まって8時前まで、夢中に講演を聞いていた。スケッチの手が
全く進まなかったことを白状する。(了)