相場の世界には、「まだはもうなり、もうはまだなり」という格言がある。まだだ、と言いながら、相場自身が下がりたがっているときは理屈抜きで下がる。一方、もう天井だ、と言っていても、相場が上がりたがっているときは上がっていくことがよくある。
7月19日、NYダウは、前日比82ドル上げ、史上最高値の14,000ドルを終値で突破した。一方、NY原油先物相場も、史上最高値のバレル77.40ドルまであと1.5ドルに迫る、バレル75.92ドルで取引を終了した。いずれも先高感が相場を牽引している。
今朝のWSJ紙によれば、1999年のハイテクバブルのとき、NYダウは11,000ドルから23営業日で1,000ドル上げて12,000ドルを達成した。今回は、13,000ドルから14,000ドルへの1,000ドル幅を史上二番目の速さとなる58営業日で達成した。
ハリケーン・カトリーナ襲来をきっかけに、中東の地政学的リスクないまぜにして、昨年8月9日に、NY原油(WTI)は、史上最高値を達成した。今年は、いまのところ、ハリケーンの予想もない。地政学的リスクも米国が対イラン政策で立ち往生している点では、材料視されて当然であるが、IEA(国際エネルギー機関)発表にあるごとく、中長期的トレンドから見て、世界の原油はタイトな状態が続くとマーケットは踏んでいる。
この日のNYダウの上昇は、IBMはじめハイテク大手の好決算が買い材料にされた。バーナンキFRB議長の米両院議会での証言で、目先、利上げはない、とマーケットが受け止めたことも相場上昇の下支えをしたようだ。
バーナンキ議長は、A4で5ページのドラフトを用意した。問題のサブプライム証券にからむ焦げ付き問題を内在しながらも、米国経済は底堅く推移する。インフレ懸念は、エネルギー・食料の値上がりは認められるが、変動幅の大きい2つを除いた、コア・インフレ率は、2007年は2~2.25%、2008年は1.75~2%と具体的にターゲットを明示した。
米国のGDP(国内総生産)も、米FRBは、2007年2.25~2.5%、2008年は2.5~2.75%へと底堅く推移すると予測した。GDPを決める個人消費の要である雇用情勢については、失業率が2007年は4.5~4.75%、2008年は4.75%と予測して投資家に安心感を与えた。
一方、NY為替市場は、原油、NYダウと比べ方向感なく迷走を続けている。バーナンキ証言では、米生産性低下発言を嫌気、米欧間金利差拡大と読まれ、1ユーロ=1.3798ドルで取引された。金利差から円も買えない。1ドル=122円でのもみ合い状態が続いている。
三点セットの原油、為替、金利動向には、引き続き目を離すことは出来ない。(了)
7月19日、NYダウは、前日比82ドル上げ、史上最高値の14,000ドルを終値で突破した。一方、NY原油先物相場も、史上最高値のバレル77.40ドルまであと1.5ドルに迫る、バレル75.92ドルで取引を終了した。いずれも先高感が相場を牽引している。
今朝のWSJ紙によれば、1999年のハイテクバブルのとき、NYダウは11,000ドルから23営業日で1,000ドル上げて12,000ドルを達成した。今回は、13,000ドルから14,000ドルへの1,000ドル幅を史上二番目の速さとなる58営業日で達成した。
ハリケーン・カトリーナ襲来をきっかけに、中東の地政学的リスクないまぜにして、昨年8月9日に、NY原油(WTI)は、史上最高値を達成した。今年は、いまのところ、ハリケーンの予想もない。地政学的リスクも米国が対イラン政策で立ち往生している点では、材料視されて当然であるが、IEA(国際エネルギー機関)発表にあるごとく、中長期的トレンドから見て、世界の原油はタイトな状態が続くとマーケットは踏んでいる。
この日のNYダウの上昇は、IBMはじめハイテク大手の好決算が買い材料にされた。バーナンキFRB議長の米両院議会での証言で、目先、利上げはない、とマーケットが受け止めたことも相場上昇の下支えをしたようだ。
バーナンキ議長は、A4で5ページのドラフトを用意した。問題のサブプライム証券にからむ焦げ付き問題を内在しながらも、米国経済は底堅く推移する。インフレ懸念は、エネルギー・食料の値上がりは認められるが、変動幅の大きい2つを除いた、コア・インフレ率は、2007年は2~2.25%、2008年は1.75~2%と具体的にターゲットを明示した。
米国のGDP(国内総生産)も、米FRBは、2007年2.25~2.5%、2008年は2.5~2.75%へと底堅く推移すると予測した。GDPを決める個人消費の要である雇用情勢については、失業率が2007年は4.5~4.75%、2008年は4.75%と予測して投資家に安心感を与えた。
一方、NY為替市場は、原油、NYダウと比べ方向感なく迷走を続けている。バーナンキ証言では、米生産性低下発言を嫌気、米欧間金利差拡大と読まれ、1ユーロ=1.3798ドルで取引された。金利差から円も買えない。1ドル=122円でのもみ合い状態が続いている。
三点セットの原油、為替、金利動向には、引き続き目を離すことは出来ない。(了)