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米住宅悪材料、米利下げ催促、NYダウ176ドル高(学校で教えてくれない経済学)

2008-01-29 10:05:35 | 経済学
 米新築一戸建て住宅販売件数が、07年12月、12年来最も低い、600,400件、前月比4.7%減と、1月28日、米商務省は発表した。12月の新築平均価格は、一年前の301,900ドルから12%安い、267,300ドルと発表した。

 High Frequency Economics,チーフエコノミスト、Ian Shephderdson氏は、「この程度のデータでは、底打ちのサインにならない。販売件数も値段もこの先、数ヶ月、ダウンサイド状態が継続する。」と話したと今朝のWSJ紙は紹介している。

 NY外国為替市場は、米住宅データに敏感に反応し、米景気後退、追加利下げ期待から、ドルは対ユーロで売られ、1ユーロ=1.4798ドルで取引された。ただ、対円では、1ドル=106.89円でまちまちの動きに終始した。ドルも弱いが円も弱い地合いが続いている。

 ただ、奇妙なことに、NYダウが値上がりすると日本円が反発する。NYダウが反発に転じた後、円を売ってドルを買い、買ったドルで米株を買う流れが復活したと今朝のWSJ紙は解説した。NYダウが上げれば円売り、ダウが下がれば円買いと決めているかのようだ。
 
NY株式市場は、住宅データ発表を受けて値下がりしてはじまった。悪いデータが出たことで、1月末開催の、米FOMCの会合での0.5%の追加利下げのお膳立てをしたとして、金融株が反発、連れて市場に安心感が広がり、結局、先週末比176ドル高の12,383ドルで取引を終了した。ただ、サブプライム問題があく抜けしたとの見方は、全く見られない。

  NY金先物市場で、金が急騰した。世界第二の産金国・南アフリカでの電力不足から工場閉鎖が続いている。米住宅データを見たあと、景気悪化、追加利下げ、ドル安の流れが再度、裏づけられたとして、金、プラチナ、パラジウムに買い物が殺到した。金相場は、一時、オンス史上最高値の929.80ドルを記録、先週末比16.40ドル高い、927.10ドルでこの日の高値圏での取引を終了した。目先、950ドルを目指すと投機筋が興奮している。

 NY原油先物市場では、様子見気分が強く、WTI(軽質油)相場は、バレル91.09ドル前後で取引された。中東産原油の主力油種である、重質油ブレント相場は、バレル91.51ドルとWTI相場を逆転した。週末のOPEC総会では新規の材料なしとの読みのようだ。 

 日本ほど金利に鈍感な国はない。金利が0.5%では鈍感にならざるを得ないだろう。米国は3.75%まで下げた。追加0.5%下げ後でも、なお3.25%である。ユーロ圏は4.0%で動かない。豪州は6.75%である。米ドル売り・豪ドル買いが見られたようだ。

 円は1ドル=100円を目指すとの声が出てきた。米景気鈍化、株安示唆かもしれない。(了)

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