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口先介入で、ドル安、一端停止(学校で教えてくれない経済学)

2008-03-05 09:44:57 | 経済学
 「口は禍の門」(孔子家語)と言うことばがある。広辞苑によれば、「うっかりはいた言葉から禍を招くことがあるから、言葉を慎むべきである」と説明している。

 バーナンキ米FRB議長は、先月末、二日続けて米議会で証言した。初日、彼は、米景気の改善を最優先し、インフレ進行に対する懸念を二次的に捉える発言をした。二日目は、中小の銀行が破綻する怖れがあると、米下院議員との質疑応答の際、口を滑らせてしまった。

 バーナンキ発言に勢いづいたのはマーケットである。次回3月18日開催予定の米FOMC会合で、0.25%程度の小幅の追加利下げが行われることは織り込み済みだった。ところが、先日の発言の後、0.75%大幅利下げを期待するディーラーまで出てきた。

バーナンキ発言で、大幅利下げが実施されれば、利回りから見て、ドルはとても買えない。ドルが売られ、ユーロが史上最高値の1ユーロ=1.53ドル目前まで買われた。つれて、日本円も、1ドル=102.65円まで急騰した。

ドル相場の推移と原油相場は、お神酒徳利のように見事に連動している。原油が上がればドルが下げ、ドルが下げれば原油は上げた。ドルが下げれば金が上がり、金が下がればドルは値下がりした。3月3日、NY金先物相場は、トロイオンス992 ドルまで急騰し、原油(WTI)は、バレル103.95 ドルと史上最高値を更新した。

バーナンキ議長は、3月4日、フロリダ州、オーランドでの米銀行協会の会合で、「問題を抱えている家主をさらに助ける必要である。政府と民間金融機関は、不必要な破産を減らすことが出来るし、減らすべきである。」と発言した。

この日は銀行協会での集まりでもあり、平たく言えば、銀行は、家の持ち主に、もっとお金を貸してやって、これ以上の破産を食い止めて欲しいと、バーナンキさんは訴えたかったのであろう。事実、住宅ローン金利は年6%台をキープしている。むしろ、焦げ付きを怖れた金融機関の貸し渋りが目立っている。

NY外国為替市場では、ドルは、1ユーロ=1.5208ドルで取引された。NY原油先物相場は、原油在庫増を材料に反落、一時、バレル99.44ドルまで値下がりした。ドルの底堅い動きを受けて、金相場も20ドル以上値下がりし、トロイオンス966ドルまで値下がりした。

ドルは、対ユーロで、一端、下げ止まった。しかし、これはECBのトリシエ総裁やポールセン米財務長官による、ドル安阻止の「口先介入」の要素が強い。「口は禍の門」というように、口先だけで行動が伴わない人には、良し悪し抜きで用心した方がよさそうだ。(了)

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