経済をからだに置き換えて考えて見ていると共通点が多い。体温は症状を判断する際、参考になる。個人差があるから一概には言えないが、体温が36度台なら平熱、それが38度台になると、素人でも、病気だと実感する。
1ユーロ=1.55ドルを平熱と見るか微熱とみるか意見が分かれる。100ドル原油はとても平熱と思えないが、値打ちが急速に下がってきた、インフレ・ドルで割ると、平熱かもしれない。OPECが増産に踏みきれないのも、ドル相場の先行きに自信が持てないからだろう。
3月11日、欧米の中央銀行が協調通貨供給を発表した。しかし、為替市場では、効果なしと厳しく評価した。ドルは対ユーロで、1.55ドルをあっさり超えて、1ユーロ=1.5577ドルまでドルは値下がりした。ドルは対円でも売られ、1ドル=101.73円まで下げた。
生兵法は怪我のもとということわざがある。米中央銀行のFRBは、欧州カナダを巻き込んで、2000億ドル、日本円で約20兆円の米国債を貸し出すと発表した。担保に対する制限は緩めたが、28日間という返済期限をつけた。
サブプライムローン問題は、そもそも借金できない人にお金を貸したことに端を発する。住宅の値段が上がっている間はよかった。それが値下がりした。もともとお金がない人に借金が即返せるはずがない。悪知恵を働かせて、銀行は、貸した権利を証券化、帳尻を合わせようとした。担保を国(FRB)が買い取ればマーケットも本気になるが、それが出来ない。
値打ちのない通貨(ドル)で取引される商品の値段は上がる。ドルが対ユーロで値下がりしたことを受けて、3月11日、NY原油先物市場では、WTI(軽質油)相場が、一時、バレル110ドルを突破、高値圏のバレル109.92ドルで取引を終えた。米国の原油在庫は増加したが、マーケットは無視、ドル先安を材料に、ひたすらアクセルを踏んでいる。
為替や原油市場は、今、誰が運転しているのか。運転席に座っているのは、ヘッジファンドやその手の短期売買を生業としているドライバーである。運転は当然荒い。しかも、行き先を客にきっちり説明しないから、客が不安になるのも当然であろう。
NY株式市場は、米欧の協調資金供給発表を受けて416ドル暴騰したNYダウも、前日比46ドル安、12,110ドルで取引を終了した。サブプライムローン問題は重篤の患者である。重篤の患者にバンドエイド程度のまやかしの措置では効果がないと冷めた見方が復活した。
円が100円を切り、原油が100ドル台で定着すると、日本経済も平熱でおれなくなる。政治にかぎらず、運転席にドライバーがいない日本という国の行く末が気掛かりだ。(了)
1ユーロ=1.55ドルを平熱と見るか微熱とみるか意見が分かれる。100ドル原油はとても平熱と思えないが、値打ちが急速に下がってきた、インフレ・ドルで割ると、平熱かもしれない。OPECが増産に踏みきれないのも、ドル相場の先行きに自信が持てないからだろう。
3月11日、欧米の中央銀行が協調通貨供給を発表した。しかし、為替市場では、効果なしと厳しく評価した。ドルは対ユーロで、1.55ドルをあっさり超えて、1ユーロ=1.5577ドルまでドルは値下がりした。ドルは対円でも売られ、1ドル=101.73円まで下げた。
生兵法は怪我のもとということわざがある。米中央銀行のFRBは、欧州カナダを巻き込んで、2000億ドル、日本円で約20兆円の米国債を貸し出すと発表した。担保に対する制限は緩めたが、28日間という返済期限をつけた。
サブプライムローン問題は、そもそも借金できない人にお金を貸したことに端を発する。住宅の値段が上がっている間はよかった。それが値下がりした。もともとお金がない人に借金が即返せるはずがない。悪知恵を働かせて、銀行は、貸した権利を証券化、帳尻を合わせようとした。担保を国(FRB)が買い取ればマーケットも本気になるが、それが出来ない。
値打ちのない通貨(ドル)で取引される商品の値段は上がる。ドルが対ユーロで値下がりしたことを受けて、3月11日、NY原油先物市場では、WTI(軽質油)相場が、一時、バレル110ドルを突破、高値圏のバレル109.92ドルで取引を終えた。米国の原油在庫は増加したが、マーケットは無視、ドル先安を材料に、ひたすらアクセルを踏んでいる。
為替や原油市場は、今、誰が運転しているのか。運転席に座っているのは、ヘッジファンドやその手の短期売買を生業としているドライバーである。運転は当然荒い。しかも、行き先を客にきっちり説明しないから、客が不安になるのも当然であろう。
NY株式市場は、米欧の協調資金供給発表を受けて416ドル暴騰したNYダウも、前日比46ドル安、12,110ドルで取引を終了した。サブプライムローン問題は重篤の患者である。重篤の患者にバンドエイド程度のまやかしの措置では効果がないと冷めた見方が復活した。
円が100円を切り、原油が100ドル台で定着すると、日本経済も平熱でおれなくなる。政治にかぎらず、運転席にドライバーがいない日本という国の行く末が気掛かりだ。(了)