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米ワシントン花見客100万人、不景気の象徴?(学校で教えてくれない経済学)

2008-03-30 20:37:32 | 経済学
 米国ワシントンDCで、いま桜が満開で、桜祭りには100万人の観光客が訪れるだろうと昨日のNHKテレビが報道していた。ワシントン市内から車で30分ほどのところにケンウッドという、これまた、桜の名所がある。はからずも40年近い前を思い出させてくれた。
 桜の苗木は、1912年3月27日、当時、東京市長だった尾崎行雄がワシントンDCに3000本寄贈した。大部分の桜は植え替えられたそうだ。桜の寿命は、50年から60年だが、そのとき植えた木の内、樹齢95年の桜が125本、いまも残っているというから驚きである。
 なぜ、日本は、無謀な対米戦争をはじめたのか、といつも思うが、1941年12月、パールハーバー攻撃2日後にポトマック河畔の桜の木が、4本切り倒された。日本のソメイヨシノが、95年の歳月を経て、今もなお、アメリカ人を楽しませていると思うだけでも痛快だ。
今、そのアメリカが、サブプライム問題という厄病身に取り付かれている。返済のメドがないとはっきりわかっていた借り手に貸した咎めが、アメリカのみならず世界の金融市場に甚大な被害をもたらしていて、解決の糸口さえつかめない状態が続いている。
3月29日付の米紙ワシントンポストは、住宅差し押さえの危機にある数千人の借り手に、公的資金投入の検討に入ったと伝えた。FRB(米連邦準備制度理事会)は、入札方式による資金供給を、4月にも、1000億ドル(約10兆円)実施する。
3月29日付けのウオールストリートジャーナル紙は、2月の米個人消費が、前月比0.1%増に留まったと報じた。住宅不況、食品、燃料費高騰で、個人消費が、この先、マイナスに転じる怖れが出てきたと報じている。
米小売大手のJ.C.Penneyは、1~3月の売り上げが前期比減ると発表した。NY、ブルックリン、ラテン系住区に住む、Nuria Netさん(26)は、「朝、昼と時に夜も、外食だった。それが、いまは、三度の食事を家で済ましている」と話した。
自動車メーカーは、今回のリセッションの最大の被害者になっている。GeneralMotors,FordMotor,Chryslerは揃って、売り上げを大幅に減らした。Toyotaでさえ、3月度の中間集計だが、5.3%減少している。
PNC FinantialServicesGroupチーフエコノミスト、StuartHoffmanさんは、「車、衣類、外食、旅行の費用を節約して、ガソリンと食費に回している」と話した。夏の休暇旅行を計画している人は、今年、2月の調査では、1000人中16%に過ぎない。昨年2月では48%だったと、Ameika’sResearchGroup社が発表した。
ブッシュ政権は、景気刺激策の一環として、一人300ドルから600ドルの戻し税を小切手で実施する。ただ、J.C.PennyのUllmanさんは、「減税は一時的刺激にはなるが、景気は、2008年終わるまで厳しい状態が続くだろう」と話した。
大手小売20社のうち、Wal-MartStoresと傘下のKrogerの売り上げは増加するとアナリストは分析している。しかし、ウオルマートの売り上げが増えることは、なにもよろこばしいことではない。贅沢品の消費が抑えられ、低価格品へ消費が流れている証拠だろう。
米国では、公共の場での酒盛りは禁止されている。ワシントンでの桜見物は静かなものだ。花見客100万人の賑わいも、近場で安上がりということで、不景気の象徴かもしれない。(了)

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