ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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ドル対ユーロでの落ち着き無視、原油108ドル(学校で教えてくれない経済学)

2008-03-11 11:07:26 | 経済学
 NY外国為替市場で、3月10日、ドルは対円で売られ、1ドル=101.71円で取引された。一方、ドルは、対ユーロでは、前週末と並びの1ユーロ=1.5350ドルで取引された。

 ドルが対円で売られた背景の一つに、NYダウが、この日も売られ、先週末比153ドル安、11,740ドルで取引され、株を処分して、円を買い戻す、円借りキャリートレードの巻き戻しの動きが指摘できる。異常な低金利の日本円には買う理由は何処にもない。

 ドルが対ユーロで、堅調に推移した背景の一つに、ECB(欧州中央銀行)トリシエ総裁が、週末、「行き過ぎたユーロ高を懸念している」との発言が指摘できる。一部に米欧日がドル買い協調介入するとのうわさもドルが対ユーロでは下げ止まった背景のひとつである。

 NY原油先物市場で、WTI(軽質油)は、一時、バレル108.21ドルを記録、107.90ドルで取引を終了した。ここ2ヶ月で、WTIは、バレル20ドル値上がりした。Goldman Sachsアナリストチームは、バレル105ドルを予測していたが、その予測をも上回った。

原油相場は何処まで値上がりするのだろうか。3月10日付けのWSJ紙電子版によれば、同じゴールドマンチームが、米国景気が底入れするか、もしくは、世界の原油供給に何らかの邪魔が入れば、WTI相場は、バレル200ドルまで上ると予測したと紹介していた。

このところの原油高には、ドルの対ユーロでの値下がりが相場を支えていた。3月10日のNY原油相場の動きは、ドルが、対ユーロでは落ち着いたにもかかわらず、108ドルまで値上がりした。NYダウが値下がりで、投機資金の一部が、株式市場から、原油先物市場に流れたと今朝のWSJ紙は解説している。投機資金が、右に左に激しく揺れている。

相場の世界は水鳥の動きによく似ている。餌があれば飛んでくるが、餌場でないとわかれば、一言の断りもなく姿を消す。鳥も動物も餌や水がなくなれば即、命がない。為替も原油も、ディラーやヘッジファンドは、鳥や動物と同じで、餌場を求めて、断りなく動く。

ところで、作家の佐藤眞生さんは、Bird’s EyeというNPO法人のミニコミ誌の最近号に、動物は生きるために自分に合う自然条件を選んで移動するが、野草や木などの植物は動けない。動けないからこそ、茎、葉、根が、それぞれの役割を果たしながら、ライバルとの激しい競争を勝ち抜き、たくましく生きている。植物から学ぶことは多いと書いておられる。

植物人間ということばほど植物に対して、失礼な表現はないと常々、思っている。むしろ植物は、昨今の株式市場での人間どもの狼狽振りを、あざ笑っているかもしれない。葉が沈み、石が浮く時代は長続きしない。ファンダメンタルズ(基礎的条件)を見直したい。(了)

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原油相場は200ドル?それとも80ドル?(学校で教えてくれない経済学)

2008-03-11 02:13:53 | 経済学
 原油相場がドル建てのため、ドルが値下がりするたびごとに値上がりを続けている。裏返して言えば、ドルが値下がりを続ける限り、原油相場の値上がりはとまらない。しかし、ドル相場が安定すると見れば、原油の値上がりにブレーキがかかるだろう。

問題はドルの行方である。3月19日の米FOMC(連邦公開市場委員会)では、0.5%の追加利下げが実施され、短期の目標金利は年2.5%となるとマーケットは予測している。利下げはモルヒネだから一時の痛み止めには効果はある。

ところが、利下げは、ドル安という副作用を必ず伴う。副作用のない薬は、この世にない。患者(米国経済)が、住宅市場問題で足をとられ、千鳥足になってきたから、どうしても目先の痛みをとる処方が優先される。米金融政策当局は、今、頭の痛い選択を迫られている。

原油相場は2008年とうしで見れば、バレル85ドル前後で落ち着くとする見方が多い。ただ、105ドルまでの原油急騰を、さすがの専門家も読めなかった人が多かった。原油、金、プラチナ、小麦、大豆の値上がりは、ドル相場とのコインの裏と表の関係に過ぎない。

Goldman Sachsアナリストチームは、105ドルの原油相場を予測していた。その同じチームが、米国景気が底入れするか、もしくは、世界の原油供給に邪魔が入るか、いずれかの要因で、バレル200ドルまで値上がりすると予測していると、今朝のWSJ紙は紹介した。

一部の民間の原油専門家は、5月頃に、リビアが、備蓄原油放出を検討しており、それが引き金となって、不需要期とも重なるから、原油相場は暴落、バレル80ドル近辺まで値下がりすると、大胆に予測する向きもある。原油相場の見方が二極化している。

2008年は米大統領選挙の年である。米国は、いま、サブプライムローン問題で見通しを見誤った結果、のたうちまわっている。米国人は、足元を蚊が刺した程度では動かない。ところが、のど元を敵に食いちぎられると悟ると、猛然と立ち向かってくる。

今朝のWSJ紙によれば、米国がドル買い介入に踏み切るのではないかとの一部金融筋の観測を紹介していた。米国は1995年以降、ドル買い介入を実施していない。人為的な介入は実質的な効果がない。相場は市場に委ねるべきとの立場を堅持しているからだが、今朝のWSJ紙が、ドル買い介入の観測記事を流したことは、はなはだ興味深い。

ユーロ圏も日本もずるずるとドルが下がり続けるのはまずい。日米欧のドル買い協調介入の目が全くないと、断言できまい。ドル安で原油も上げた。ドルの動きを注目したい。(了)

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