NY外国為替市場で、3月10日、ドルは対円で売られ、1ドル=101.71円で取引された。一方、ドルは、対ユーロでは、前週末と並びの1ユーロ=1.5350ドルで取引された。
ドルが対円で売られた背景の一つに、NYダウが、この日も売られ、先週末比153ドル安、11,740ドルで取引され、株を処分して、円を買い戻す、円借りキャリートレードの巻き戻しの動きが指摘できる。異常な低金利の日本円には買う理由は何処にもない。
ドルが対ユーロで、堅調に推移した背景の一つに、ECB(欧州中央銀行)トリシエ総裁が、週末、「行き過ぎたユーロ高を懸念している」との発言が指摘できる。一部に米欧日がドル買い協調介入するとのうわさもドルが対ユーロでは下げ止まった背景のひとつである。
NY原油先物市場で、WTI(軽質油)は、一時、バレル108.21ドルを記録、107.90ドルで取引を終了した。ここ2ヶ月で、WTIは、バレル20ドル値上がりした。Goldman Sachsアナリストチームは、バレル105ドルを予測していたが、その予測をも上回った。
原油相場は何処まで値上がりするのだろうか。3月10日付けのWSJ紙電子版によれば、同じゴールドマンチームが、米国景気が底入れするか、もしくは、世界の原油供給に何らかの邪魔が入れば、WTI相場は、バレル200ドルまで上ると予測したと紹介していた。
このところの原油高には、ドルの対ユーロでの値下がりが相場を支えていた。3月10日のNY原油相場の動きは、ドルが、対ユーロでは落ち着いたにもかかわらず、108ドルまで値上がりした。NYダウが値下がりで、投機資金の一部が、株式市場から、原油先物市場に流れたと今朝のWSJ紙は解説している。投機資金が、右に左に激しく揺れている。
相場の世界は水鳥の動きによく似ている。餌があれば飛んでくるが、餌場でないとわかれば、一言の断りもなく姿を消す。鳥も動物も餌や水がなくなれば即、命がない。為替も原油も、ディラーやヘッジファンドは、鳥や動物と同じで、餌場を求めて、断りなく動く。
ところで、作家の佐藤眞生さんは、Bird’s EyeというNPO法人のミニコミ誌の最近号に、動物は生きるために自分に合う自然条件を選んで移動するが、野草や木などの植物は動けない。動けないからこそ、茎、葉、根が、それぞれの役割を果たしながら、ライバルとの激しい競争を勝ち抜き、たくましく生きている。植物から学ぶことは多いと書いておられる。
植物人間ということばほど植物に対して、失礼な表現はないと常々、思っている。むしろ植物は、昨今の株式市場での人間どもの狼狽振りを、あざ笑っているかもしれない。葉が沈み、石が浮く時代は長続きしない。ファンダメンタルズ(基礎的条件)を見直したい。(了)
ドルが対円で売られた背景の一つに、NYダウが、この日も売られ、先週末比153ドル安、11,740ドルで取引され、株を処分して、円を買い戻す、円借りキャリートレードの巻き戻しの動きが指摘できる。異常な低金利の日本円には買う理由は何処にもない。
ドルが対ユーロで、堅調に推移した背景の一つに、ECB(欧州中央銀行)トリシエ総裁が、週末、「行き過ぎたユーロ高を懸念している」との発言が指摘できる。一部に米欧日がドル買い協調介入するとのうわさもドルが対ユーロでは下げ止まった背景のひとつである。
NY原油先物市場で、WTI(軽質油)は、一時、バレル108.21ドルを記録、107.90ドルで取引を終了した。ここ2ヶ月で、WTIは、バレル20ドル値上がりした。Goldman Sachsアナリストチームは、バレル105ドルを予測していたが、その予測をも上回った。
原油相場は何処まで値上がりするのだろうか。3月10日付けのWSJ紙電子版によれば、同じゴールドマンチームが、米国景気が底入れするか、もしくは、世界の原油供給に何らかの邪魔が入れば、WTI相場は、バレル200ドルまで上ると予測したと紹介していた。
このところの原油高には、ドルの対ユーロでの値下がりが相場を支えていた。3月10日のNY原油相場の動きは、ドルが、対ユーロでは落ち着いたにもかかわらず、108ドルまで値上がりした。NYダウが値下がりで、投機資金の一部が、株式市場から、原油先物市場に流れたと今朝のWSJ紙は解説している。投機資金が、右に左に激しく揺れている。
相場の世界は水鳥の動きによく似ている。餌があれば飛んでくるが、餌場でないとわかれば、一言の断りもなく姿を消す。鳥も動物も餌や水がなくなれば即、命がない。為替も原油も、ディラーやヘッジファンドは、鳥や動物と同じで、餌場を求めて、断りなく動く。
ところで、作家の佐藤眞生さんは、Bird’s EyeというNPO法人のミニコミ誌の最近号に、動物は生きるために自分に合う自然条件を選んで移動するが、野草や木などの植物は動けない。動けないからこそ、茎、葉、根が、それぞれの役割を果たしながら、ライバルとの激しい競争を勝ち抜き、たくましく生きている。植物から学ぶことは多いと書いておられる。
植物人間ということばほど植物に対して、失礼な表現はないと常々、思っている。むしろ植物は、昨今の株式市場での人間どもの狼狽振りを、あざ笑っているかもしれない。葉が沈み、石が浮く時代は長続きしない。ファンダメンタルズ(基礎的条件)を見直したい。(了)