ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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ドル安進み、金972ドル、NYダウ315ドル安(学校で教えてくれない経済学)

2008-03-01 12:07:51 | 経済学
 1980年9月22日、イランイラク戦争が始まった。原油相場は、急騰し、史上最高値のバレル40ドルを突破した。その時の値段を、インフレ率を勘案して計算すれば、バレル103.76ドルに相当するが、2月28日、NY原油先物市場で、WTI(軽質油)の値段はバレル103ドルを突破し結果、名実共に過去最高値を更新したことになる。

 物の値段は、基本的には需給で決まる。しかし、ドルが対ユーロで、1ユーロ=1.52ドル突破をきっかけに、商品相場全てが急騰したように、ドルの目減り(インフレ)が、ドル建て商品の相場全てを押し上げたことがはっきりしている。

 ドル安に加えて、投機マネーの流入が指摘できる。今朝のWSJ紙によれば、本来小さいマーケットである、商品先物EFT市場に、1,750億ドルから2,000億ドルの資金が流れ込んできたことと、最近の傾向として、電子取引が増えた結果、完全にファンダメンタルズを無視した、バブル状態に転換した。NY原油先物市場では、91%が電子取引と言われている。

原油相場は、今年に入り、バレル90ドルから100ドルまで11%値上がりにとどまっている。しかし、後塵を拝していた、天然ガスは26%、石炭56%、プラチナ41%、小麦32%、ココアは38%上昇した。原油以外の値上がりがきついと今朝のWSJ紙は紹介している。

原油相場が100ドル突破に刺激され、ガソリンスタンド売りの値段が、ガロン3.20ドルまで急騰、夏場のドライブシーズンに入れば、ガロン4ドルまで値上がりする。ガソリンの値上がりは、個人消費全体にブレーキをかけ、住宅不況で深傷を負った米景気に追い討ちをかけるとエコノミストは警告している。

バーナンキ米FRB議長が、昨日、米議会で証言し、米景気悪化に加えて、ドル安が、輸出、雇用、貿易赤字改善にとって、明るい展望を用意していると話したことから、ドル売りが一気に加速した。

2月29日、原油は一服したが、金先物市場では、オンス4ドル上げ、972ドルと史上最高値を更新した。ここ10数年、ブッシエル50セント前後で低迷していた小麦は、ブッシエル2.5ドルへ暴騰している。日本では、今年4月から、小麦の政府売り渡し価格を30%引き上げると発表したが、それが焼け石に水であることはデータが証明している。

ドル急落の背景の一つに、異常な低金利の日本で金を借り、米ドル資産を買っていた機関投資家が、ドルを売って、円を買い戻す動きに転換したことが、対ドルでの円急騰に拍車をかけていると今朝のWSJ紙は指摘した。NYダウは、2月28日、前日比315ドル安、12.266ドルへ急落したが、円キャリートレードが、更なるドル安・円高を助けるかもしれない。(了)

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