ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

ドル相場落ち着き、一時金900ドル、原油100ドル割れ、NYダウ261ドル高

2008-03-21 09:06:57 | 経済学
        ―――学校で教えてくれない経済学―――


 NY商品先物市場で、金相場が急落、一時、オンス900ドルまで値下がりした。前日比20ドル安の920ドルで取引を終了したが、巨額の投機資金が、米FRBの0.75%利下げ前後から、商品市場から引き上げを開始したかもしれないと今朝のWSJ紙は解説している。

 金は一時、オンス1033ドルまで急騰した。そこからの10%以上の急落だが、今回の急落は、この先続く長い値下がりの始まりではなく、余りにもファンダメンタルズを無視した急激な上昇に対する「健康的な」見直しであろうとWSJ紙は指摘している。

 プラチナの下げは金以上にきつい。プラチナは一時、オンス2200ドル台まで値上がりした。3月20日、NYプラチナ先物相場は、1,877ドルで400ドル近く下げたから金以上に厳しい。相場の世界では、山高ければ谷深しというが正にそれを地で行く展開である。

 NY原油先物では、弱いドルを売って原油を買う動きが、ここ1ヶ月近く目立っていた。ドルは、1ユーロ=1.5905ドルまで売られていたが、1ユーロ=1.54ドル台まで戻して取引された結果、WTIは、前日比バレル70セント値下がりし、101.84ドルで取引きされた。

 原油相場は、この先、不需要期入りで、バレル85ドル前後まで値下がりするとの見方がここへ来て台頭してきている。いまのところ表面化していないが、リビアカダフィーが備蓄原油を放出、それをOPECが支持しているというまことしやかなうわさが流れている。

 ドル売り・原油/金買いの流れが、ドル買い・金/原油売りの流れへの変化は、米FRBの0.75%利下げが引き金を引いたとする見方が増えている。FFレート2.25%、公定歩合2.5%への引き下げで、米金融機関が息を吹き返すと、年金ファンドが読み始めたことが、
商品売り・株買いへ流れを変える転換点になるとの見方が増えてきたとWSJ紙は伝えた。

 NY株式市場で、ダウ構成銘柄のアメリカンエキスプレス、シティコープ、JPモルガン、バンカメなど米主力金融機関の株価が急反発した結果、NYダウは、前日比261ドル高い、12,361ドルで取引された。ただ、逃げ足の速い投機資金が商品から株式へ、劇場内の「座席」を急遽移動しただけだと、株価反発に永続性に乏しいとWSJ紙は指摘している。

 ドル100円割れで、最近、日本でも外国為替取引を始めたいという素人さんが増えているそうだ。為替は、エコノミストの墓場といわれ、玄人でも先が読めない。なぜ素人が首を突っ込もうとするのか理解できないが、原油も為替と同じである。つい先ほどまで110ドルを唱えていた同じご仁が、早や、85ドルである。油断もスキもあったものではない。

 2008年は波乱の年になりそうだ。健康に留意して足元を踏み外さないことが一番だ。(了)

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読売こころ塾:新井満さん(スケッチ&コメント)

2008-03-21 08:48:29 | スケッチ




読売こころ塾:新井満さん(スケッチ&コメント)

江嵜企画代表・Ken



 大槻能楽堂(大阪市中央区上町)で、第23回読売こころ塾が、ゲストに作家、新井満さんを迎えて開かれるというので楽しみにして出かけた。

 新井満さんといえば、2007年、アメリカ原住民で作者不詳のわずか12行の英語詩を訳し、作曲した「千の風になって」が日本レコード大賞作曲賞をもらい一躍有名になった人である。

 司会の音田昌子さんが、今日、新井さんに、「千の風」を、ここで歌っていただけることになっていますと紹介すると、会場がどっと沸いた。新井さんは、帽子を被るとスイッチがオンになりますと、言い、中折れ帽子をかぶって、やおら立ち上がり、舞台の正面にマイクを持って進み出た。会場を軽くスケッチした。

 新井さんは、「はじめに歌からはいると、言葉が消える。一番と二番は歌詞を読み、三番のみを歌いますと断った。バックミュージックに合わせて、おおらかに、「千の歌」を歌った。会場は、どよめきが静寂にかわった。
  
 この日の「こころ塾」は、生と死の意味を問いかける中身の濃い話題で終始した。しかし、塾長、山折哲雄さんや司会の音田さんとのウイットに富んだやり取りは見ごたえがあった。午後2時から4時まで、質問の時間を入れて、たっぷり2時間が、まるで風の如く、過ぎていった。会場を埋めた500名近い聴衆の一人として満喫した。
 
 新井さんの親友の奥さんが3人の子供さんを残して他界されたときの話からはじまった。哀悼の意を表す言葉が見つからない。新井さんは、友人の奥様の追悼文集の中に、英語の詩をみつけ、それに曲をつけ、親友に捧げたのが始まりだと、「千の風」のエピソードが披露された。
 
 英語の詩をはじめ直訳した。しかし、中身がよくつかめない。そこで、大きな声で朗読して見た。その時、脳の中に残る言葉があった。Winds(風)という言葉だった。この詩の真髄は何か。それが風だった。風は死者からの呼びかけ。風と言う形で、死んだ人が、生きている人と交流してくれると新井さんは話された。
 
 宮沢賢治の詩は、風が吹いて物語が始まり、風が吹いて物語が終わる。新井満さんは、宮沢賢治の生まれ変わりだと山折さんが神妙な顔で話された。宮沢賢治が突然出てきて、正直びっくりしたと新井さんは話された。

 「千の風」が、なぜ大反響を起こしたのか。山折さんは、原始宗教は、「万物に命あり」である。これこそが、もっとも普遍的な宗教意識でないかと話した。「千の風」を聞いた多くの日本人が、自らの心の深層に眠っていたものに、はっと気付いたのでないかと、新井さんは話された。5000通以上の手紙をもらったが、その中に、「千の風」の詩の中の言葉は以前から自分が思っていたことと同じでしたという便りがあった。
 
 リレハンメルで開かれた冬季オリンピック出かける直前、母危篤の連絡が入った。人生でこれほど悩んだときはなかった。総合ディレクターを任されていたからだが、30秒考えた。喝采が待っているオリンピックを捨てて、新井さんは、母親を選んだ。

 私を生んでくれたのは誰だ。おフクロが自分を生んでくれたのがこの世の出発点である。どちらがいいかの問題ではないと考えた。かみさんに、あなたがノルウエーを選んでいたら、離婚してましたと、言われたそうだ。「臨終には間に合いませんでしたが、最後の親孝行が出来ました」と新井さんは晴れやかに話された。

 母上の遺品を整理していたら一番下に般若心経が出てきた。お守りで持っていたが、自分と母親のために訳した。ひとはみな、生まれることに意味があるから生まれてきた。奇跡だ。いただいた命に感謝しながら自分の役割を果たしなさいと書いてあった。
新井さんの母上は助産婦だった。90歳でなくなる直前まで現役だったという。
 
 司会が、熟年層の皆さんに何か贈る言葉がありませんかと、水を向けたところ、「そばにいる人を愛する。それに尽きる」と話された。「夫婦だから以心伝心と言うが、全く違う。それは錯覚だ。口に出して言うことが大事だ」と答えた。新井さんは、最近、遺言状を書いた。「君に会えて良かった」で結ばれている。最後に贈る言葉が大切ですと力をこめた。
 
 新井さんは、「老子」を読むことを勧めた。「孔子は,朝9時から午後5時までの教えで、組織、日中、上下関係を説いた。それに対して老子は個人であり、アフター5を教えた。親方ヒノマルの日本という国は義務を果たしてくれぬ。組織の論理だけでは、困ったことが起きてくると、キッパリと話された。強く印象に残った。

 今年のNHK紅白で、ひょっとすると、新しい詩と歌が披露されるかもしれない。(了)


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