ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

ECBトリシエ発言でドル安にブレーキかかる(学校で教えてくれない経済学)

2008-03-04 11:45:23 | 経済学
 日本画家の森田りえ子さんは、椿の花の絵を描くとき、葉や幹を丹念に描く。むしろ、花は添え物だ。自分の描いた絵を見る人が、幹の下に、地中奥深く手足を伸ばして、息づいている根の姿をイメージしてもらえるような絵を描きたいと、常々、話される。

 重篤の患者を見て、植物人間のようだ、という言葉を軽率に使う方が結構、日本人には多い。今から35億年前に生命が誕生以来、植物と動物は、お互いが、手を携えて生きてきた。動物は動けるが、植物は動けない。動けないという表面的な姿だけ見て言うのであろうが、これほど植物に対して失礼な言葉もないであろうと、いつも思う。

 NY商品先物市場で、3月3日、金、プラチナが、史上最高値を更新した。銀は27年ぶりの高値を記録した。金は、一時、トロイオンス992ドルをつけたあと、前日比9.2ドル高、984ドルで取引を終えた。銀は、トロイオンス20.74ドルで取引きされた。

プラチナはオンス60ドル上げ、2,245ドルと、史上最高値を更新した。一年前は、1,203ドルであった。一年前、金は700ドル、銀は12ドルだった。NY原油先物市場で、WTI(軽質油)は、一時、バレル103.95ドルの後、103.40ドルで取引を終えた。穀物、その他商品相場全てが値上がりした。

金や銀や原油に目は向かいがちになる。しかし、それは花の姿である。花は葉や幹が育てる。一番肝心なところに根があることを忘れている。根には、ドル安観測があった。3月18日開催の米FOMC会合で、0.75%下げるとの観測も出てきた。ただ、冷静に考えれば、原油100ドル、金1000ドル、ユーロ=1.52ドルは、いいところまで来たのかもしれない。

NY外国為替市場では、ISM(Institute for Supply Management)製造業景気指数が、1月の50.7から2月度、48.3へ、50ポイントを割り込んだとの発表を嫌気して、ドルは、史上最安値の一時、1ユーロ=1.5276まで値下がりした。ただ、1.5182ドルまで戻した。

なぜ、ドルは、対ユーロで値を戻したのか。今朝のWSJ紙は、ECBのトリシエ総裁(Jean-Claude Trichet)が、「強いドルは、アメリカの国益であると米国政府が再々、確認したことは、極めて重要であると、私は考える。」と発言した後、ドル相場は反発したと指摘している。行き過ぎたドル安を欧米トップが足並みを揃えて、けん制した意味は大きい。

金や原油はドル安の反面教師である。ドル相場さえ落ち着けば、無理して、金やプラチナを買い求める必要はない。行き過ぎが一番いけない。過ぎたれば、なお及ばざるが如しとの論語の言葉もある。本質を見失い、花のみ追いかけていると、墓穴を掘るだろう。健康も経済も自己責任である。他人任せの生活パターンから脱却しないと身が持たない。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする