ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

ベアスタンズ救済進展、ドル100円70銭、NYダウ187ドル高(学校で教えてくれない経済学)

2008-03-25 10:48:30 | 経済学
 JPモルガンがベアスターンズに対して、買収株価を2ドルから10ドルへの引き上げ案を用意しているとNYタイムズ紙が伝えたことが起爆剤となり、3月24日、NYダウは、前日比187ドル高、12,548ドルで取引を終了した。株価反発を受けて、債券相場は軒並み値下がりした。株価下落で安全パイとして債券市場に避難していた客が戻ってきた。

 NY連銀は、買収に必要な資金として、290億ドルを、公定歩合並みの2.5%で貸し出すと発表した。NY連銀は、サブプライムローン問題の障害を最小限にとどめるために実施したとの声明文を発表した。

米不動産協会は、2月の米中古住宅の販売高が、1月の489万戸から503万戸へ増加、住宅販売価格は、1月のマイナス10.2%からマイナス9.6%へ改善したと発表した。

マクロでは金融セクター、ミクロでは、住宅セクターで、トンネルの先に多少明かりが見えたとして、不安心理一色だった投資家心理が改善しつつあることが株価を反発させた。ただ、第二、第三のベアスターンズが、現れない保証は全くない。来週以降に控えている金融機関の決算発表を見極めてからでないと、腰を入れた動きは出来ないとの見方が多い。

米ドルの底堅さが目立っている。3月24日、NY外国為替市場で、ユーロが対ドルで2週間来の安値をつけ、ドルが、対スイスフランで、ほぼ2週来の高値をつけた。ドルは、対円でも買われ、心理的な節目と見られたドル100円をあっさり突破、1ドル=100.75円前後で取引された。

NY商品先物市場で、WTI(軽質油)相場は、バレル100ドル近辺まで下落、ドバイ原油(重質油)は99ドル台へ下落した。金相場は、5日連続で下げ、トロイオンス910ドル前後で取引された。

原油も金も、ドルが歯止めなく下げるとはやして上げて来た経緯がある。ドルに底堅さが出てくれば、はしごをはずされないうちに屋根の上から降りておこうとする心理が働いてもおかしくない。ただ、値上がリが余りにも急激だったためもあり、行き過ぎを修正する動きに留まるとの見方も根強く残っている。

3月24日付けのWSJ紙電子版に、珍しく、日本の地価の動きを伝えるニュースが紹介されていた。日本の地価は2年連続で上げて来たが、2008年後半は土地の値段は下がるだろうと指摘している。サブプライム問題が影を落としていることは明らかだろう。

日本関連では、日本の企業経営者の景況感が、2007年の10~12月期のプラス0.5から2008年1~3月にはマイナス9.3へ悪化したと紹介したあと、財務次官の談話として、日本企業は警戒的(Cautious)であるが、日本経済の先行きの見通しについては、悲観的でない(Not pessimistic)と語ったと紹介していた。

さらに、日本関連では、額賀財務相談話として、「ここへ来て人民元は値上がりしているが、十分ではない。直近のG7の会合で、主要議題になるだろう」と語ったと紹介していた。

日本では、政治家は、日銀総裁一人決められず右往左往している。そこへJR常磐線での恐るべき殺傷事件である。イージス艦、中国餃子、赤福、船場吉兆は、早や、忘却の彼方である。一人一人が、責任を持って、真剣に生きていかないとこの国では、身が持たない。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

読売読書芦屋サロン:作家、高橋源一郎氏(スケッチ&コメント)

2008-03-25 10:46:24 | スケッチ



読売読書芦屋サロン:作家、高橋源一郎氏

江嵜企画代表・Ken



 JR芦屋駅から西方に線路沿いに徒歩10分、芦屋川沿いにルナーホールがある。あ と十日もすれば名物の桜も満開になっているであろう。作家、高橋源一郎さんをゲス トに迎えて、先日、急逝された野間裕子さんの後を引き受け、竹村登茂子さんが聞き 役で、第23回読売読書芦屋サロンが開かれた。

 恥ずかしながら、高橋さんという作家については、全く知見がなかった。しかし、 ウイットに富んだ語りは、人を飽かすことなく、午後2時から予定時間オーバーして、3時40分過ぎまでのトークを堪能した。漫画は米の飯、漫画を読むと、元気が出 るというところもなかなかユニークであった。

 高橋さんは1951年生まれ、35歳の長女、現在の奥さんとの間に出来た、2歳と3歳の男児の父親でもある。長女と息子2人と歩いていると、おじいちゃんですかと、よく聞かれると苦笑していた。生まれは九州だが、中学、高校は大学受験で有名な灘だということも初めて知った。

 中学一年のとき、クラスで、ボードレール全集を読破したとか、文芸評論家の小林秀雄さんを「小林はだめだよな」とか大江健三郎さんを「大江は古い」とか話していた。天才少年に、友達として、ついていきたいがために、無理やり合わせているうちに、作家希望になったというエピソードを紹介してくれた。もし灘に入ってなければ今頃、財務省の次官になっていたかもしれないというくだりが又面白かった。

 学生運動をしていたとき、逮捕されて、巣鴨刑務所で300日過ごした。横浜の大学で8年いたが、満期除籍された。出所後、大学へ行く気がなく、同時に失語症になった。大事なところになると喋れない。書こうとすると手が震えた。書くことも忘れて土方をしていた。ところがぎっくり腰になって、作家しかないと悟った。

 10年たった。森鴎外や夏目漱石など明治の文豪が登場する「日本文学盛衰史」を書いた。きっかけは、関川夏央と谷口ジローの「坊ちゃん」時代である。漱石、鴎外、啄木などの長編漫画に驚愕した。1980年代の終わりだった。文学史の漫画版だが、今の作家より、フレッシュで面白い。元気さと面白さを兼ね備えていると話された。

 「浮雲」を書いた二葉亭四迷が使っている日本語が今の日本語の起源だった。彼は疑い深い人だった。しかし、二葉亭四迷の葬儀には当時の作家全員が参列した。みんなの良心だとわかっていたからだという話を始めて聞いた。

 高橋さんは、小説を書くとき、まず、タイトルを決める。中身は後からついてくると話された。ワープロを自宅に、三台置いている。手書きだと緊張する。ワープロだとすーっと入る。書き直しも効くと話された。

 作家希望のひとに一言をと水を向けれて、高橋さんは、まず、作家になることに疑いを持たないこと、次に、3年間は毎日、書いて頑張る。それでだめだったら、諦めた方がいいと明快だった。

 会場の様子をいつものようにスケッチした。高橋さんの話を反芻しながら、家路についた。(了)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米公定歩合2.5%の新事態で、ドル安にブレーキ(学校で教えてくれない経済学)

2008-03-25 10:42:16 | 経済学
 外国為替市場でのドルの底堅が目立つ。ドルが歯止めなく下がるといった雰囲気が、一時的にしろ、消えたことが、一方的なドル売りにブレーキをかけた。



 米FRBが短期の目標金利(FFレート)を市場の大方の予想であった1.0%下げに反して、0.75%下げに留めたこと、公定歩合を0.75%同時に下げたことが、これ以上の利下げは当面ないとの思惑がマーケットに生まれつつあることが影響したと、今朝のWSJ紙は解説している。



 ドルに一定の歯止めがかかったとなれば、無理して、利下げを材料に、原油、金を買い上がる根拠に乏しい。商品市場に変調が見られる。トロイオンス1,033ドルまであった金相場が、920ドルまで値下がりし、バレル111ドル台まで急騰した原油(WTI)相場は、100ドル飛び台まで値下がりした。



 原油、金の値下がりには、米国景気が、雇用減、それに伴う失業率増加、個人消費減から、リセッション入りしたとの見方が大いに影響している。米国がリセッションに入ってのドル堅調も説明がつきにくいが、余りにも上げピッチが早かった。作用反作用という相場の世界特有の行き過ぎに対する見直しから来た要素が大きい。



 原油(WTI)が、ここへ来て、バレル85ドル水準まで値下がりすると口にするエコノミストが増えてきた。米国は日量2000万バレルの原油を消費する。世界の原油消費量は日量8600万バレルだから、世界の1/4近くの原油をがぶ飲みしている米国での消費が、リセッション入りで消費が落ち込めば、値下げ圧力がかかる。



 相場に下振れ懸念が出てくると、マーケットは、決まって、下げ材料を探してくる。そのひとつがエタノールの動きだと今朝のWSJ紙で、エタノール増産がガソリン消費を減らす。ガソリン相場を冷やして、ひいては原油相場の足も引っぱると今朝の記事で紹介している。



コロコロ見方が変わる。このあたりの節操のなさが、日本人が最も嫌うところだが、それは相場本来のネイチヤーのようなものである。好き嫌いだけで、事態の推移を遠巻きにしてぶつぶついってもはじまらない。日本人が傍観している間に、事態は刻々変化する。上げ相場で買い、下げ相場で慌てて売る。こんなことを繰りかえして、外人投資家にやられている。



0.5%の異常な低金利の日本で円を借り、円を売って利回りのいい豪ドル、カナダドルを買っていたヘッジファンドが、豪ドル、カナダドル、最近はユーロまで売って円を買い戻している。それが1ドル=99円台とはいえ、一方方向だった対ドル円高にブレーキをかけた。いつまで続くかの保証はないが、米公定歩合2.5%の新事態は評価に値するだろう。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする