医者にかかれば病気が治り、入院すれば元気になって病院から出てくると思っている人が結構多い。ところが、本来、病気というものは自分が治すものであり、病人に治す気がないかぎり、どんな名医でもお手上げであることが意外に理解されていない。
データ万能の時代である。ところが、データと言うものは、本来、参考にするものである。ところが参考にすべきものがわが者顔で舞台正面に出てきて、まるで主役のように振舞うから、肝心の芝居が台無しになってしまっている。
NY外国為替市場で、ドルが売られ1ユーロ=1.5588ドル、1ドル=107.90円で取引された。なぜドルが売られたか。米国の4~6月のGDPデータが、アナリストの予測の2.3%増に対して1.9%増に留まったためと今朝のWSJ紙は解説している。
ドルが売られたもうひとつの材料は、EU15ヶ国でまとめたユーロスタットの7月の消費者物価指数が4.1%と発表された結果、インフレ懸念からECBが追加利上げするとの読みから、利上げが難しい米国との金利差からドル売りユーロ買いの見方が強まった。
ドルが売られると金が買われる。NY金先物相場は小幅ながら前日比トロイオンス7.85ドル上げ913ドルで取引された。金は一時の1013ドルから大幅調整を入れている。ただ、金相場は原油と共にドルの反面教師である。十分な休養のあと相場は戻るとの見方は多い。
NY原油先物市場で、WTI相場が値下がりし、1バレル=124.91ドルで取引された。前日、米石油在庫減少を材料に一時バレル127ドルまで値上がりした。この日は、米GDPデータが予測を下回り米国の原油消費が減るとの観測から原油が売られた。
原油相場の先行き見通しについては、両論分かれている。ここえきて景気減速を材料にバレル100ドル割れの見方が台頭する一方、中国、インド買いを材料に150ドル原油への復活は時間の問題だと強気を変えていない向きと真っ向対立している。
NY株式市場で、米GDPデータが予想を下まわったことと、直近の米失業保険申請件数が、前週末対比44,000件増の448,000件を記録したことを嫌気して売り優勢になり、NYダウは前日比205ドル下げ、11,378ドルで取引を終了した。
明日発表される6月の米雇用統計の発表待ちであるが、失業保険申請件数が増加していることから悪いデータが出るとして、それが先回りした売りを誘い、NYダウの下げを加速させたと今朝のWSJ紙は解説している。
医者によってそれぞれ見立てが違う。米FRBのドクター・バーナンキは、足元の景気を改善したい。ECBのドクター・トリシェはインフレファイターである。景気よりも物価最優先の処方を一貫して踏襲している。ここは目線がぶれていないトリシエに味方したい。
大いに乱暴な言い方をすれば、相場と言うのは人間で言えば体温や血圧のようなものである。体温や血圧が日替わりで変わること自体が病気である。血圧や体温は体調のシグナルである。つい薬に走りたくなるが副作用が必ず出るから怖い。
データも大事である。しかしデータはあくまで参考である。薬は有効である。しかし薬には必ず副作用を伴う。世の中には万能なものはないことをおのれの頭の片隅に入れておくよう大人達は子供に教えておいて欲しい。神様から戴いた自然治癒力を大切にしたい。(了)
データ万能の時代である。ところが、データと言うものは、本来、参考にするものである。ところが参考にすべきものがわが者顔で舞台正面に出てきて、まるで主役のように振舞うから、肝心の芝居が台無しになってしまっている。
NY外国為替市場で、ドルが売られ1ユーロ=1.5588ドル、1ドル=107.90円で取引された。なぜドルが売られたか。米国の4~6月のGDPデータが、アナリストの予測の2.3%増に対して1.9%増に留まったためと今朝のWSJ紙は解説している。
ドルが売られたもうひとつの材料は、EU15ヶ国でまとめたユーロスタットの7月の消費者物価指数が4.1%と発表された結果、インフレ懸念からECBが追加利上げするとの読みから、利上げが難しい米国との金利差からドル売りユーロ買いの見方が強まった。
ドルが売られると金が買われる。NY金先物相場は小幅ながら前日比トロイオンス7.85ドル上げ913ドルで取引された。金は一時の1013ドルから大幅調整を入れている。ただ、金相場は原油と共にドルの反面教師である。十分な休養のあと相場は戻るとの見方は多い。
NY原油先物市場で、WTI相場が値下がりし、1バレル=124.91ドルで取引された。前日、米石油在庫減少を材料に一時バレル127ドルまで値上がりした。この日は、米GDPデータが予測を下回り米国の原油消費が減るとの観測から原油が売られた。
原油相場の先行き見通しについては、両論分かれている。ここえきて景気減速を材料にバレル100ドル割れの見方が台頭する一方、中国、インド買いを材料に150ドル原油への復活は時間の問題だと強気を変えていない向きと真っ向対立している。
NY株式市場で、米GDPデータが予想を下まわったことと、直近の米失業保険申請件数が、前週末対比44,000件増の448,000件を記録したことを嫌気して売り優勢になり、NYダウは前日比205ドル下げ、11,378ドルで取引を終了した。
明日発表される6月の米雇用統計の発表待ちであるが、失業保険申請件数が増加していることから悪いデータが出るとして、それが先回りした売りを誘い、NYダウの下げを加速させたと今朝のWSJ紙は解説している。
医者によってそれぞれ見立てが違う。米FRBのドクター・バーナンキは、足元の景気を改善したい。ECBのドクター・トリシェはインフレファイターである。景気よりも物価最優先の処方を一貫して踏襲している。ここは目線がぶれていないトリシエに味方したい。
大いに乱暴な言い方をすれば、相場と言うのは人間で言えば体温や血圧のようなものである。体温や血圧が日替わりで変わること自体が病気である。血圧や体温は体調のシグナルである。つい薬に走りたくなるが副作用が必ず出るから怖い。
データも大事である。しかしデータはあくまで参考である。薬は有効である。しかし薬には必ず副作用を伴う。世の中には万能なものはないことをおのれの頭の片隅に入れておくよう大人達は子供に教えておいて欲しい。神様から戴いた自然治癒力を大切にしたい。(了)