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ドル対英ポンド、対ユーロで上げる、原油114ドル(学校で教えてくれない経済学)

2008-08-12 09:10:28 | 経済学
 原油はなぜ値下がりを始めたのですか?ドルが対ユーロで値上がりしてきたからです。なぜドルが対ユーロで値上がりし始めたのですか?ユーロ圏の景況感悪化でユーロ金利に先安感が生まれ、これ以上金利差が広がらないとのセンチメントが生まれたからである。
 今年7月までは現在起こっている現象と全く逆だった。米国の金利が下がる。金利が下がるからドル相場が下がる。ドルの目減りを防ぐためドル建て価格を上げる。ドル建て相場のシンボルのような存在の原油はドルの値下がりに合わせるように値上がりした。
 7月までと相場つきが変わった商品のひとつに金相場がある。金はドル相場が値さがりを続けるたびに値上がりした。一時トロイオンス1013ドルまであった。NY金先物市場で8月11日、金相場は36ドル4.2%急落、821.50ドルで取引された。
 原油相場の値下がりは米国株の値下がりにもブレーキをかけた。NY株式市場で、8月11日、NYダウは先週末の303ドル上げの余韻を残して小幅ながら48ドル高、11,782ドルで取引を終了した。原油相場の落ち着きは個人消費にゆとりを生むとの読みが相場を支えた。
 NY外国為替市場で、8月11日、英ポンドとユーロが対ドルで共に売られた。ユーロは対ドルで一時、今年2月来の安値である1ユーロ=1.4880ドルをつけ、結局1.4904ドルで取引された。ポンドは2006年11月以来の安値の1英ポンド=1.9071ドルで取引された。
 特に対ユーロでのドルの値上がりが目立つ。7月半ば1ユーロ=1.6040ドルだった。ドルは対ユーロでほぼ8%値上がりした。ドルは対円でも値上がりし、1ドル=110.17円で取引された。米株の反発も円売りドル買いの動きを支えた。
 NY原油先物市場で、8月11日、バレル75セント下げ114.45ドルで取引を終了した。北海ブレント原油も値下がりしバレル112.67ドルで取引された。カスピ海からヨーロッパへのパイプラインの通り道である「グルジア紛争」を無視しての値下がりである。
 NY原油相場は高値から8%値下がりし、ドルは対ユーロで高値から8%値上がりした。ドル高・原油安が附合している。物の値段は基本的には需給で決まる。米景気後退でガソリン需要が減るとの思惑が、「グルジア紛争」による供給不安を凌駕した。
 一方、米ポールソン財務長官は、米住宅金融公社、ファニーメイとフレディマックの赤字決算、株価暴落に対して、公的資金を投入しないと明言した。「国有化」以外命はもたないと見られているが、大統領選挙戦渦中でもあり国民の税金を使えないのであろう。
 株価は全てでないが、フレディマック株は3.89ドルドルまで暴落後、その後一息入れ現在5.60ドルである。ファニーメイ株は6.68ドルまで暴落、現在6.59ドルまで戻している。ベアスターンズはバーナンキが公的資金を投入して救済したが、米国では「彼はドーピング検査で失格だ」と烙印を押されたとWJS紙が紹介していた。自己責任意識が徹底している。
 北島康介選手は、スピード社の水着騒ぎが起こったとき、「泳ぐのは僕だ。水着でない。」との名言をはいた。そして昨日、北京オリンピック100 米平泳ぎで世界記録で金メダルをとった。どれほど多くの日本人に勇気を与えてくれたことか。彼の健闘に本当に感謝したい。
 8月9日号の英誌「エコノミスト」が「日本の経営者や政治家は、漫画、島耕作から学ぶべき余地が多い」と紹介した。閉塞感を振り払い、ニッポンがんばれのエールだろう。(了)

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