NY原油(WTI)先物相場が、8月5日、バレル3.69ドル、3%値下がりし、121.41ドルで取引された。一時119.50ドルと5月5日来の安値となる120ドル割れの場面もあったと今朝のWSJ紙は報じている。
相場の常で上がり始めるとあることないこと、上げ材料を並べたてる。下がり始めるとまるでその逆で、定番の米景気減速に伴う原油消費の減少に加えて、この日は米中西部の中小鉄鋼メーカーが鉄相場のリスクヘッジのために原油先物に大量の売りを出したことが影響したとWSJ紙が一部アナリストの見解まで出てきた。
この日のNY原油下げに米民主党大統領候補のオバマ氏が、米備蓄原油放出を示唆したことも影響した。「米戦略備原油放出」は原油相場を冷やすために出てくる古証文である。
一方、マイアミにあるハリケーンセンターが、熱帯低気圧Edouardが勢力を増し、ハリケーンに発達すると発表した。8月5日6付けNYタイムズは、「イランはペルシャ湾を封鎖することが出来るとクレームしていた」と報じた。
インド、中国が石油ガソリンに枯渇している。中国ではところ厭わずしかも予告なしの停電が続いている。電力用のディーゼル原油が渇望していると伝えられる。軽率な物言いは出来ないが、正直、石油専門家でさえ原油相場の先行きは予測がつきにくいようだ。
今朝のWSJ紙によれば、NY原油相場が現在の120ドルをはさんだ動きでのもみ合いのあと100ドルをはさんだ102ドル98ドルのレンジまで急落するという一部アナリストの予測を紹介している。
足元の米国のスタンド売りのガソリン相場は、日曜日の8月3日はガロン3.887ドル、月曜日の8月4日は、ガロン3.881ドルだった。7月14日ガロン4.114ドルのピークを付けた後調整している。原油は147ドルから120ドルへ20%近く値下がりした。ガソリンは高値から約6%下げである。原油は下がりたがっている。ガソリンは下げ渋っている。
一方、NY外国為替相場は、ドル弱含みで推移している。8月5日、1ユーロ=1.5584ドル、1ドル=108.26円で取引された。JPモルガン調べでM&A関連の今年7月時点、米国へ7,500億ドル(約80兆円)の資金が入ったがドル相場を支えられなかった。米国はM&Aでは勝った。しかし、貿易収支、米国市場への直接投資では敗れたとWSJ紙は解説した。
ロンドンの為替ストラテジスト、John Normnd氏は、米国の株債権資産は長期の平均レベルから70%以下まで低下していると話したとWSJ紙は紹介している。「30%低下」というデータは見過ごせない。こういう情報こそ大切に受け止めたい。
米国時間火曜日の8月5日に米FOMC(連邦公開市場委員会)が開かれるが、短期の目標金利であるFFレートは年2.0%据え置きと見られている。バーナンキ率いる米軍とインフレファイターとして知られるトリシェ総裁率いるEU連合軍相手の戦いはユーロ買いとマーケットは判断している。
日本はどうか。アメリカと「お神酒徳利」の関係がますますはっきりしてきた。国も個人も米国の人質となって久しい。日本に限らず情報が氾濫している。原油120ドル割れもそのひとつであろう。こんな時こそコップの中の嵐に惑わされないことが肝心だろう。(了)
相場の常で上がり始めるとあることないこと、上げ材料を並べたてる。下がり始めるとまるでその逆で、定番の米景気減速に伴う原油消費の減少に加えて、この日は米中西部の中小鉄鋼メーカーが鉄相場のリスクヘッジのために原油先物に大量の売りを出したことが影響したとWSJ紙が一部アナリストの見解まで出てきた。
この日のNY原油下げに米民主党大統領候補のオバマ氏が、米備蓄原油放出を示唆したことも影響した。「米戦略備原油放出」は原油相場を冷やすために出てくる古証文である。
一方、マイアミにあるハリケーンセンターが、熱帯低気圧Edouardが勢力を増し、ハリケーンに発達すると発表した。8月5日6付けNYタイムズは、「イランはペルシャ湾を封鎖することが出来るとクレームしていた」と報じた。
インド、中国が石油ガソリンに枯渇している。中国ではところ厭わずしかも予告なしの停電が続いている。電力用のディーゼル原油が渇望していると伝えられる。軽率な物言いは出来ないが、正直、石油専門家でさえ原油相場の先行きは予測がつきにくいようだ。
今朝のWSJ紙によれば、NY原油相場が現在の120ドルをはさんだ動きでのもみ合いのあと100ドルをはさんだ102ドル98ドルのレンジまで急落するという一部アナリストの予測を紹介している。
足元の米国のスタンド売りのガソリン相場は、日曜日の8月3日はガロン3.887ドル、月曜日の8月4日は、ガロン3.881ドルだった。7月14日ガロン4.114ドルのピークを付けた後調整している。原油は147ドルから120ドルへ20%近く値下がりした。ガソリンは高値から約6%下げである。原油は下がりたがっている。ガソリンは下げ渋っている。
一方、NY外国為替相場は、ドル弱含みで推移している。8月5日、1ユーロ=1.5584ドル、1ドル=108.26円で取引された。JPモルガン調べでM&A関連の今年7月時点、米国へ7,500億ドル(約80兆円)の資金が入ったがドル相場を支えられなかった。米国はM&Aでは勝った。しかし、貿易収支、米国市場への直接投資では敗れたとWSJ紙は解説した。
ロンドンの為替ストラテジスト、John Normnd氏は、米国の株債権資産は長期の平均レベルから70%以下まで低下していると話したとWSJ紙は紹介している。「30%低下」というデータは見過ごせない。こういう情報こそ大切に受け止めたい。
米国時間火曜日の8月5日に米FOMC(連邦公開市場委員会)が開かれるが、短期の目標金利であるFFレートは年2.0%据え置きと見られている。バーナンキ率いる米軍とインフレファイターとして知られるトリシェ総裁率いるEU連合軍相手の戦いはユーロ買いとマーケットは判断している。
日本はどうか。アメリカと「お神酒徳利」の関係がますますはっきりしてきた。国も個人も米国の人質となって久しい。日本に限らず情報が氾濫している。原油120ドル割れもそのひとつであろう。こんな時こそコップの中の嵐に惑わされないことが肝心だろう。(了)