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原油113ドルでシートベルトをはずさないで戴きたい(学校で教えてくれない経済学)

2008-08-18 10:48:52 | 経済学
 原油相場はじめ一連の商品相場が大きく調整をいれてきたことが、インフレを抑え、特にアジアはじめ開発途上国は歓迎している。足元が怪しくなってきている世界経済に希望が出ていると8月18日付けWSJ紙でバンコックからPatrickBarta記者、サンパウロからJohnLyons記者が連名で商品相場の値下がりを前向きに捉えてレポートしている。
 原油相場は、先週末バレル1.24ドル下げ113.77ドルで取引を終了した。これは年初の高値から22%値下がりである。米の国際相場は5月の高値トン1,100ドルから600~700ドルへ40%値下がりした。食用油も3月にピークをつけたあと40%近く値下がりした。小麦、銅はじめ多くの一次産品が値下がりしている。
 ただ、エコノミストは楽観していない。商品相場は地域紛争や予期せぬ災害が起こると簡単に反転上昇する。仮にこの先値上がりがないとしても、多くの商品が1~2年前と比べれば異常に高い。例えば米の値段も2007年の2倍であると指摘していると紹介していた。
 しかし、商品相場急落は、インフレ高進で利上げを迫られていた主要国の中央銀行に利上げ圧力を減らすことが出来る。米国のインフレ率は今年7月17年来の高率の5.6%を記録した。一次産品の値さがりで米国の輸入代金がさらに減り、インフレ率を下げるだろう。
 一次産品の輸入に依存している国が多い開発途上国にとって支払い代金を減らす。原材料コスト低下は多くの企業経営者にとっても朗報であると指摘している。
 一方、マレーシアは値上がりした一次産品を売って10年前歳入の10%だった輸出の稼ぎが40%まで拡大した。マレーシア政府はタナボタの収入で橋を作り、医療制度充実にお金をまわした。アルゼンチンやヴェネズエラも一次産品高騰の恩恵を受けていた。特にアルゼンチンはGDPの55%占める借金返済を進めていた。
 中国の消費者物価指数は2月、8.7%だった。現在6.3%である。一次産品相場の値下がりでこの先中国のインフレ率はさらなる低下が予測される。ブラジルの財務長官、Guido
Mantega氏は、「全ての物価が値下がりしている。7月のインフレ率は6.4%へ低下した」と一次産品値下がりは利上げにブレーキをかえると歓迎している。
 2日前の少し古い記事だが、WSJ紙は、OPECが9月9日ウイーンでの総会で生産枠(日量3,260万バレル)を据え置くか減産するか討議するかもしれないとテヘラン発でRoshanakTaghavi記者がレポートしていた。世界の原油生産量は日量8,700万バレルでOPECは37%を占める。影響力低下は否めぬが原油相場にインパクトを与えるであろう。
 ロシアは日量980万生産しサウジの日量1100万に次ぐ世界第2の産油国である。今朝のWSJ紙にはロシアのコメントはないが、プーチン大統領が大口をたたけるのも原油高騰が背景にあるからである。ロシアが10年前は破産国だったことを彼は忘れていないだろう。
 日本は原油を日量550万使う消費大国である。120日以上の備蓄があるから放出してガソリンの値段を下げたらいいとある評論家が昨日のテレビ番組で暴言を吐いていた。米国は日量2,000万バレル使う世界最大の原油消費国である。その国が備蓄に手をつけない。
 日本でも原油がバレル113ドルへ下がったと騒いでいる。昨年1月は50ドルだった。円相場も1ドル=110円へ値打ちが落ちてきた。シートベルトをはずさないで戴きたい。(了)

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