ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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GM赤字決算、米失業率5.8%悪役演じ、NYダウ51ドル下げる(学校で教えてくれない経済学)

2008-08-02 08:59:02 | 経済学
 『龍馬を超えた男 小松帯力(こまつたてわき)』(原田泉著、グラフ社発行)はお勧めの書である。特に坂本龍馬との親交ぶりは、竜馬夫妻の新婚旅行をプレゼントしたことや寺田屋で襲われたお龍と龍馬を鹿児島の自分の別荘にかくまうくだりを読むだけでよく分かる。
 帯刀は薩摩藩の上代家老でありながら政治、経済、外交、教育全ての分野に関わり、特に勝手係として、予算と金繰りを直接担当していた。幕府に対抗してパリ万博に『薩摩パビリオン』を出展し、帯力の説得で徳川15代将軍慶喜に大政奉還を説得した話は迫力がある。
 いま日本は海図なき航海を船長なしにさまよっている。特に経済は政治と密接不可分の関係にありながら経済のことはわからないと平然と口にする首相が続いている。運転席にドライバー不在の国民は不幸であるが、日本にも帯力という希有の人物がいたことは救いである。
 8月1日、米国のシンボルGMが第2四半期決算で155億ドル(1兆6,000億円)の赤字を発表した。7月の米雇用が51,000人減、失業率が5.7%に達した。原油がバレル125ドル台に戻した。NYダウは悪材料を嫌気して前日比51ドル安11,326ドルで取引を終了した。
 今朝の日経CNBCテレビによれば、7月の米自動車販売が、GM,フオードが30%強、トヨタは10%強、ホンダも9%強とそれぞれ大幅に減少し、軒並み販売不振に陥っていることがわかる。なかでもGMの凋落が目立つ。GMの株価は年初、一株40ドルだった。この日の下げで、ついに10ドル23セントである。
 日本では一企業の株価の話が紙面をにぎわすことがほとんどない。誠に不思議な国である。株の話をするだけで嫌がる国民が多いのも珍しいが、株価は一企業にとっても社長の通信簿であることが国民レベルでなかなか理解されないところにも彼我の差が端的に現れている。
 米労働省は、8月1日、7月の雇用数が51,000人減少したと発表した。今朝のWSJ紙によれば、製造業、建設、サービスあらゆる分野で減少している。失業率は5.8%に達した。これは2004年5月の5.7%以来の高さである。
 今回の雇用データで、25歳以上の雇用減少が続いているが、ここ3ヶ月連続で若年層の失業率増加が目立っていると米労働省は指摘している。若者の職場機会が奪われていることであと4ヶ月余りに迫った米大統領選挙戦の争点として経済問題がエスカレートしそうだ。
 NY原油先物(WTI)相場は、8月1日、バレル1.02ドル上げ、125.10ドルで取引された。イスラエルの有力首相候補のShaulMofaz氏は、「イランの核計画はイスラエルに対する最大の脅威であり、あらゆる手段でもって対応する」と発言したことが原油相場反発の引き金となったと今朝のWSJ紙は解説している。
 イランは日量400万バレルの原油を生産するOPEC加盟国でサウジアラビアについで第2の産油国である。イランの原油生産量は世界の原油生産日量8700万バレルの5%弱と無視できない。イランがイスラエルのミサイル攻撃にさらされるとどうなるか。恐怖感が相場を牽引している端的な例である。
 病気と経済に共通点が多い。恐怖感が病気を悪化させる。中東に痛みを抱えている以上恐怖感から解放されない。経済は全てではない。しかし「勝手係」不在の日本という国には心配が絶えない。日本にも小松帯力という優れた人物がいたことを知り元気をもらった。(了)

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