ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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NY原油115ドル、NYドル109円(学校で教えてくれない経済学)

2008-08-26 10:07:54 | 経済学
 このところ原油相場の値下がりはきつい。東京商品取引所での8月25日の8月限りの原油相場はキロリッター78,050円で取引を終了した。高値が94,900円だったから18%近い値下りである。一部のアナリストなどは何処までも値下がりをするような話をしている。
 昨日テレビ東京の番組を見ていたら、さる石油専門家が、OECDが2009年世界の原油需要は世界景気の後退で1.1%減少すると発表したことを材料に使い、景気はこの先さらに鈍化するから石油の値段は下げ続けるだろうと解説していた。果たしてそうだろうか。
 昨年から今年にかけての原油相場の急騰にはドルの歯止めない値下がりが背景にあった。原油に限らず商品相場はドル建てで取引されるからドル先安の流れは即売りシグナルと受け止める。ドルを売るから下がる。ドルが下がるから原油を買う。まるで定規で測ったように原油相場は値上りした。
 ユーロは1ユーロ=1.2ドル台で発足した。一時1ユーロ=80セント台までドルは対ユーロで値上がりした。しかし、ここ4年間、ドルはほぼ一貫して下げ続け、1ユーロ=1.6ドル台まで下げた。
 ところが今年の7月前後からユーロ圏の景気の先行き警戒感を材料にドル買いユーロ売りの流れに転換した。原油相場はユーロ売りに合わせるようにバレル145ドルから112ドルまで値下がりした。物の値段は需給で決まるが今回はユーロ売りに見事に連動した。
 北京オリンピックが終われば中国の景気は冷え込み一段と世界景気は落ち込むとする見方をする人が結構多い。果たしてそうであろうか。今朝のWSJ紙を読んでいると中国が北京オリンピックが終わり、一斉に銅の生産を再開するから銅相場は急反発すると出ていた。
 中国で銅の需要が増えるというのは深刻な電力不足が背景にあると今朝のWSJ紙は指摘している。北京ではオリンピックで騒いでいるが新疆ウイグル地区では多くの住民はテレビも見られないといわれる。中国での深刻な電力不足は高水準の原油輸入を促進する。
 銅相場は7月トン8,940ドルの高値から7,120ドルまで急落した。同じ期間原油相場も145ドルから112ドルまで急落した。資金の流れが商品から外国為替市場や株式債券市場へ流れた。ところが、米国で金融不安収まらず株債券から商品へ再び還流し始めた。
 相場の世界は水鳥の生態と似ている。餌場と見れば飛んでくる。餌や水が切れるとなると断りなく飛び去る。日本人に相場嫌いな人が多い。相場は節操がないから嫌いだという。好き嫌いで物事が進むなら苦労しない。相場に限らず日本人の思うように事は単純ではない。
 NY原油先物市場で、10月物WTI相場が先週末比52セント上げ115.11ドルで取引された。カリブ海沖で発生した熱帯低気圧がメキシコ湾岸へ上陸する懸念とOPECが9月9日の会合で減産を討議するとの思惑を材料しているとWSJ紙は紹介している。
 今年はハリケーン・カトリーナ襲来3周年記念だそうだ。カトリーナ襲来で40ドル台だった原油相場は一気に70ドルへ急騰、米国の原油市場は大混乱に陥った記憶も生々しい。
 災害は忘れたころにやってくる。サッチャー元英首相認知症報道は厳しいが、何人にも老いは訪れることを教えてくれた。9月1日は防災の日である。日本人は活断層の上に住んでいることと石油を米国に絶たれて日本は戦争を始めたことだけは忘れないで戴きたい。〈了〉

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