米住宅金融公社2社、フレディ・マック、ファニー・メイ救済策発表を歓迎して、9月8日、NYダウは先週末比2.58%,289ドル高い11,510ドルで取引を終了した。アジアの株高ではじまり欧州株高と地球を一周、米国が仕上げしたがとりあえずは好感したようだ。
当のフレディ株は88セント、ファニー株は73セントで取引を終了した。一日で80% 以上の急落である。公的資金投入で株数が増え、無配となることを嫌気して売り飛ばされた。60ドル70ドルだった株価が1年足らずで100分の1になった。
2社の株価は急落したが、当面の金融危機は回避されるとの見方から、バンク・オブ・アメリカ7.8%高、シティーグループ6.6%高はじめその他金融株の中には12%~13%上げた銘柄もあった。一方、債券市場では、米国債が安全パイとなるとの認識から値を上げ10年物国債の利回りは年3.6% 台まで低下した。
NY外国為替市場でも米国買いの流れからドルが買われた。対ユーロで、ドルは、一時、1ユーロ=1.40ドル台まで値上りした。対英ポンドでは1ポンド=1.7534ドルまであり、ポンドに下げ止まる気配が出てこない。欧州景気の悪化がまずあってその上でドルが上げているに過ぎない。ドル見直しの流れから円もつれて1ドル=108円台まで値下がりした。
NY原油先物市場では、ドル上昇、ユーロ安を受けて一時バレル105ドル割れ場面もあった。キューバに上陸したハリケーン・アイクの影響懸念から買い直されてバレル106ドル台で取引された。9月9日開催予定のOPEC総会では生産枠据え置きと見られている。
今朝のWSJ紙によれば、OPEC議長のChakib Khelil氏は「現在、世界の石油は余っている。年末までに減産が必要だろう。」と話した。サウジアラビア高官は「この先原油相場が仮に下がり続けることがあっても、バレル80ドルは防衛する」と話した。
NY金先物市場でトロイオンス820ドルまで買い戻しの動きがあったが805ドルと小幅高で取引を終了した。大豆、小麦,トウモロコシ相場も下げた。資金が逃げているようだ。
ポールソン米財務長官としては最後の仕事となる。今朝のブルームバーグのテレビニュースの中で「眠れない夜が続くという人生はじめての経験をした。今回の措置はあくまで「小休止」に過ぎない。やりたくなかったが他に取るべき手段はなかった」と話していた。
今朝のWSJ紙によれば、巨額の資金を歯止めなくファニーとフレディ2社に投入すれば米国の財政赤字が増える。赤字が増えれば国債相場が下がる。国債が値下がりすれば金利が上がる。金利上昇は景気回復に水をさすとの一部アナリストの見方を紹介している。
住宅の値段はなお下がり続けている。米失業率が6%を超えた。住宅価格次第では2社に公的資金を投入しても実質的効果はない。ポールセン財務長官はあと3ヶ月で交代する。今回の救済策は2009年度までの時限立法である。永続性が危惧されるとの意見も出ている。
日本はどうか。日本相撲協会のドタバタ劇と候補者乱立の自民党総裁選の内向きの話が多い。金融の世界では三菱UFJが系列のアコムを子会社化すると発表した。同じ銀行で、預けた人にはゼロ金利同然、借りたい人には最高18%で貸す体制が一般化するだろう。
経済も健康もお金(血液)が詰まると病気になる。「ファニー」「フレディ」の米国の顛末は人ごとではない。「金の切れ目が縁の切れ目」であることを分かり易く教えてくれる。(了)
当のフレディ株は88セント、ファニー株は73セントで取引を終了した。一日で80% 以上の急落である。公的資金投入で株数が増え、無配となることを嫌気して売り飛ばされた。60ドル70ドルだった株価が1年足らずで100分の1になった。
2社の株価は急落したが、当面の金融危機は回避されるとの見方から、バンク・オブ・アメリカ7.8%高、シティーグループ6.6%高はじめその他金融株の中には12%~13%上げた銘柄もあった。一方、債券市場では、米国債が安全パイとなるとの認識から値を上げ10年物国債の利回りは年3.6% 台まで低下した。
NY外国為替市場でも米国買いの流れからドルが買われた。対ユーロで、ドルは、一時、1ユーロ=1.40ドル台まで値上りした。対英ポンドでは1ポンド=1.7534ドルまであり、ポンドに下げ止まる気配が出てこない。欧州景気の悪化がまずあってその上でドルが上げているに過ぎない。ドル見直しの流れから円もつれて1ドル=108円台まで値下がりした。
NY原油先物市場では、ドル上昇、ユーロ安を受けて一時バレル105ドル割れ場面もあった。キューバに上陸したハリケーン・アイクの影響懸念から買い直されてバレル106ドル台で取引された。9月9日開催予定のOPEC総会では生産枠据え置きと見られている。
今朝のWSJ紙によれば、OPEC議長のChakib Khelil氏は「現在、世界の石油は余っている。年末までに減産が必要だろう。」と話した。サウジアラビア高官は「この先原油相場が仮に下がり続けることがあっても、バレル80ドルは防衛する」と話した。
NY金先物市場でトロイオンス820ドルまで買い戻しの動きがあったが805ドルと小幅高で取引を終了した。大豆、小麦,トウモロコシ相場も下げた。資金が逃げているようだ。
ポールソン米財務長官としては最後の仕事となる。今朝のブルームバーグのテレビニュースの中で「眠れない夜が続くという人生はじめての経験をした。今回の措置はあくまで「小休止」に過ぎない。やりたくなかったが他に取るべき手段はなかった」と話していた。
今朝のWSJ紙によれば、巨額の資金を歯止めなくファニーとフレディ2社に投入すれば米国の財政赤字が増える。赤字が増えれば国債相場が下がる。国債が値下がりすれば金利が上がる。金利上昇は景気回復に水をさすとの一部アナリストの見方を紹介している。
住宅の値段はなお下がり続けている。米失業率が6%を超えた。住宅価格次第では2社に公的資金を投入しても実質的効果はない。ポールセン財務長官はあと3ヶ月で交代する。今回の救済策は2009年度までの時限立法である。永続性が危惧されるとの意見も出ている。
日本はどうか。日本相撲協会のドタバタ劇と候補者乱立の自民党総裁選の内向きの話が多い。金融の世界では三菱UFJが系列のアコムを子会社化すると発表した。同じ銀行で、預けた人にはゼロ金利同然、借りたい人には最高18%で貸す体制が一般化するだろう。
経済も健康もお金(血液)が詰まると病気になる。「ファニー」「フレディ」の米国の顛末は人ごとではない。「金の切れ目が縁の切れ目」であることを分かり易く教えてくれる。(了)