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米金融救済策進展報道で、NYダウ196ドル高、NY原油108ドル(学校で教えてくれない経済学)

2008-09-26 19:40:42 | 経済学
 米ホワイトハウスで政府、議会、次期大統領候補オバマ、マケイン議員いれて米時間9月25日、午後4時から7000億ドルの政府資金投入を巡って協議を行ったが結論は出なかったと報じた。記事の見出しには「Bailout still in Flux(救済策、なお流動的)」とあった。
 NYダウは何らかの進展が期待できるとの思惑から前日比196ドル上昇、11,022ドルで取引を終了した。一時200ドル以上上げたがあと様子見に変わった。相場自身が上がりたがっていないことを正直に表している。
経済は人の心の鏡である。馬を川の傍まで連れて行くことは出来る。しかし馬に水を飲ますことが出来ないという英国のことわざがある。水を飲むか飲まないかは馬次第であることをこれほど分かり易く教えたことわざはない。
マーケットは中身が不透明なことを一番嫌う。米国の金融政策の法案の中身がはっきりしない限り馬(議会)はすんなり水(救済策)を丸呑みしないのではなかろうか。日本には昔「お毒見」という言葉が生きていた。いまの日本には芝居の中だけで生きている。
一方、NY外国為替市場では1ユーロ=1.1607ドル、1ドル=106.51円と小動きだった。巨額の政府資金が放出されるとドル垂れ流しが加速する。ドル先安の流れが決定的になる。法案の推移を見極めたいと様子見している。
NY原油はバレル2ドル上げ108.62ドルで取引された。NY金先物相場はトロイオンス878ドルで様子見している。NY債券相場は「質への逃避」の流れから値上りしている。特に一ヶ月物の利回りはほぼゼロ水準まで急低下している。
 WSJ紙記事に戻す。上記会合の後ぺロス下院議長は「金融市場安定化にむけて早期に法案成立させ、全ての米国人に影響を与える金融危機回避策で合意が成立した」と語った。一方、法案の中身に反対するリチャード・シエルビィ上院議員(アラバマ州、共和党)は「合意は得られなかった。様々な意見の相違があった。」と語ったと紹介している。
 政府が資金投入して不良資産を買取る額を第一段階2,500億ドル、あと必要とあれば1000億ドル追加する。残りは様子を見ると段階を踏んで投入することで合意したと上記会合終了後の早期の段階では伝えた。全ての倒産企業の幹部の報酬(俗にゴールデン・パラシュートと呼ばれる)は制限することになっているが、ポールソン財務長官は反対しているようだ。議会が納税者(票)を意識して「化粧」したがっていることが丸見えである。
 会合から出てきたボブ・コーカー上院議員(テネシー州、共和党)は、「週初めのマーケットがはじまるまでに成立すると信じている」と語った。米上院銀行委員会、ドッド委員長は「迅速に行動する」ことを求められていると語ったとWSJ紙は報じている。
 今朝のWSJ紙の記事はDamianPaletta,MichaelR.Crittenden,PatrickYoest3人の記者のA4一枚半の短い記事だが、ホワイトハウスは法案の早急な成立を強く望んだ。月曜日までに成立させると、特に週明けのマーケットを強く意識している。
ぺロス下院議長は「合意した」と言ったが、「合意は得られていない」と有力上院議員のコメントを取材して記事をまとめた。「お毒見」を忘れると病気の回復はむしろ遅れる。
「金融救済策、なお流動的」という見出しで結論付けた、WSJ記事を注目したい。(了)

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