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福田首相辞任、人任せにすると怖い?!(学校で教えてくれない経済学)

2008-09-02 10:12:58 | 経済学
 今朝のWSJ紙は一面で福田首相辞任をサプライズと捉え、新内閣発足後に打ち出した景気刺激策が福田内閣支持率回復につながらなかったためだと東京発でレポートしている。
今回も麻生氏が後継者と見られている。しかし、自民党総裁選出を経て首相が決まるまで数週間を要すること、さらに、安倍首相辞任の際も麻生氏が有力とされたが、土壇場で福田氏が自民党総裁に指名されたとして麻生首相誕生は流動的であると指摘している。
衆議院と参議院で勢力が分断されている結果、重要法案成立に再三手間取った。新しいリーダーになれば改善されると福田首相は記者会見で語ったと紹介している。
福田首相はインド洋における米国主導のアフガニスタン作戦の一部としての給油活動で遅れをとった。日銀総裁人選を数週間放置した。現在なお副総裁が1名空席のままである。小泉首相が2006年9月に辞任後、日本経済の規制緩和の勢いが鈍化した。政治の焦点が地方と低所得者にシフトしているとWSJ記事は指摘している。
日本のGDPは今年4~6期に年率2.4%へ低下した。これは過去7年で最大の落ち込みで先進国で最低の成長率である。日本は過去数年にわたり物価は安定ないし弱含みで推移していた。それが今年7月の消費者物価コア指数は2.4%へ急騰した。これは過去最速である。
日本の輸出企業は主力の欧米向けの販売が減少している。多くの日本企業はここ5年以上ではじめてとなる減益決算が予想されている。欧米の金融クランチで被害を受けた日本の銀行は貸し出し制限など引き締めを実施、多くの中小企業が倒産していると紹介していた。
今朝の記事はWSJ紙である。NYタイムズやWashingtonポストに福田首相の記事がどのように書かれているか興味がある。米国指導者は米国の新聞を通じて日本の見方を勉強する。米国のメディアを通じて米国世論が形作される。ただし、米国人はまず日本語が読めない。米国人は英語で書かれた文章は全て本当だと思いこむ傾向が強いことは留意点であろう。
30数年前の話であるが日米繊維交渉の際、当時の米商務長官スタンズさんは、日本の新聞をよく読んでいた。勿論翻訳である。翻訳された日本の新聞を小脇に抱えて米議会の公聴会で証言するスタンズさんの姿を今もよく覚えている。
脱線ついでに言えば、日本の経営トップのなかで何人のひとがWSJ紙を読んでおられるのだろうか。これだけ国際化した社会である。最低限度英語で書いた新聞一紙でもいいから自分で目を通して欲しい。翻訳でもいい。外国の動きを日本の指導者は勉強して欲しい。
日本で活字離れが進んでいるといわれる。新聞もテレビ欄しか読まないという人が結構多い。本の虫は今の世の中でもいるが本も読まない人が増えているようだ。耳で聞くことも大事である。しかし、せめて社説やコラム欄でもいいから書いたものに目を通す。そのためにも新聞を毎日読むことを子供のときから習慣づけて欲しいと思う次第である。
話は飛ぶ。ハリケーン「グスタフ」の勢力が衰えたとしてNY原油先物市場で、WTI相場が5ドル近く急落バレル110.74ドルで取引された。ハリケーン上陸地点のルイジアナ州に米製油施設が40%集中している。この先被害の実態を十分見極める必要があるだろう。
日本では昨夜から朝にかけて福田首相辞任でテンヤワンヤの大騒ぎである。こんな時こそ人任せにしないことが肝心だ。福田首相の早期退陣は人任せにした天罰かもしれない。(了)

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