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レーマンブラザーズ金融不安再燃、NYダウ280ドル安(学校で教えてくれない経済学)

2008-09-10 13:12:27 | 経済学
 北朝鮮の金正日(Kim Jong-il)総書記(66)が、建国60周年パレードに姿を見せなかったことから、様々な憶測が生まれていると今朝のWSJ紙は報じていた。同紙によれば、彼は糖尿病と心臓に問題をかかえていると伝えられていたが、8月に再起不能の状態(Collapsed)に陥っていた可能性があると紹介していた。
 NY外国為替市場では、韓国ウオンがここ4年で最安値の1ドル=1,100ウオンを割り込んだ。ウオン急落のあと韓国政府はドル売りウオン買い介入を行った。ウオン急落には米証券大手のLehman Brothersと韓国投資家の交渉が不成功に終ったことが影響しているとWSJ紙は紹介している。
 ファニー・メイとフレディ・マック救済策が発表されたが、レーマンブラザーズ証券の金融不安が再燃した結果、9月9日、NY株式市場で当社の株価が16ドル台から7ドル台へ45%急落したことを嫌気して、NYダウは前日の上げ290ドルをほぼ全て吐き出す280ドル安の11,230ドルで取引を終了した。
 レーマン株は年初60ドル台だった。一時倒産寸前の状態にあったが米FRBの介入で命を永らえた。ただ株価はその後も下げ続けて、ここ数日16ドル 台で低迷していた。米FRBが介入後も立ち直らない。「ファニー」、「フレディ」2社に対する米政府の介入もうまく行かないのではないかとの連想がレーマンの売りを誘ったのかもしれない。
 米住宅市場の回復に時間がかかるとの悲観論も株売りに影響した。全米不動産協会の中古住宅先物販売指数が6月の89.4が7月86.5へ3.2%下落した。アナリスト予測の2.1%減を上回る落ち込みを嫌気した。株の値下がりで資金が安全パイとして米債券市場へ流れ、10年物国債相場は値上がり、利回りは3.600%まで下落したとWSJ紙は紹介している。
 資金シフトという点では外国為替市場でも見られた。9月9日、円相場が対ドルで急伸し、1ドル=107円台を記録した。資金の一部が為替市場へ流れた。WSJ紙によると、これは利回りの高い通貨を買い、利回りの安い円を売っていたファンドによる巻き戻しが起こっている結果だと一部アナリストの見方をWSJ紙は紹介している。
 資金の流れの変化では、原油に限らず商品市況急落にも影響している。NY原油先物市場で、10月物のWTI相場はバレル3.08ドル、2.9%値下がり、今年4月1日来の安値となる103.26ドルで取引された。ブレント原油はバレル100.26ドルまで値下がりした。
 OPECが9月9日の会合で生産枠を据え置いたことを嫌気したこととハリケーン・アイクの被害が予想を下回るとの思惑が働いたと一部アナリストは解説している。変われば変わるものである。いまマーケットでは「原油相場は何処まで値下がりするのか」で賑やかだ。
 NY株も買えない。原油相場も買えない。「資金の逃げ場は、相場に織り込まれていない円買いに集中的に起こるだろう。」とNY,StandardCharteredBank,為替ストラテジスト、MikeMoran氏のコメントをWSJ紙は紹介している。
 異常に低い日本の金利が円売り・ドル買いや住宅バブルを助けたという見方がある。「過ぎたればなお及ばざるが如し。」というが、経済も健康も同じである。からだの一箇所でもゆがみ、ひずみがあるとそれが原因で病気になる。異常な金余りが反乱を起こしている。(了)

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