ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

NYダウ504ドル安、原油WTIバレル95ドル(学校で教えてくれない経済学)

2008-09-16 09:41:38 | 経済学
 米証券4位のリーマン・ブラザーズが経営破たんし米証券3位のメリルリンチが米2位の銀行バンク・オブ・アメリカに買収された。その結果米大手証券会社は、ゴールドマン・ザックスとモルガン・スタンレー2社のみとなった。
 週明けのNY株式市場は1930年のウオール街暴落以来の金融恐慌再来かと動揺が広がり取引開始早々からNYダウは300ドル以上値下がりしてはじまった。ところが午後の取引に入っても動揺は止まらず、米保険最大手のAIGが資金不足から米FRBに緊急融資要請のうわさからパニック売りとなり、先週末比504ドル安い10.917ドルで取引を終了した。
 ポールソン米財務長官は「国民の税金を民間の金融機関に使うことは当初から想定していない」と発言158年の歴史のリーマンブラザーズは姿を消すことになった。ブッシュ大統領も緊急演説し「金融危機のインパクトを最小限に努める」と力なく語るにとどまった。
 今朝のブルームバーグのテレビニュースで、メリルリンチとバンク・オブ・アメリカ両社の記者会見の模様を報道していた。バンカメのルイスCEOは「2009年末には回復を期待しているが先行きは明るくない」と発言していた。
 NY原油先物市場では、メキシコ湾を襲ったハリケーン・アイクのニュースも相手にされず、WTI相場は5ドル以上下げバレル95.71ドル、ブレント油は92ドル台で取引された。米国での金融不安から米国の原油、ガソリン需要がさらに減少するとの思惑から下げた。
 ただ、原油相場の先行きについては見方が別れている。OPECが減産を強化し、原油、ガソリンの値下がりで割安感が出てくる結果相場は底入れするとの見方がある。一方、ファンドの多くが資金ショートを来しているからこの先も値下がりを続けるとの見方がある。
 株が暴落、原油も95ドル台まで急落した。しかし安全パイの債券市場へ資金が流れて相場は急騰、10年物利回りは3.38%台まで低下した。2年物国債の利回りは1.7%台となった。米FRBが2.0%の短期FFレートを0.25%下げるとのうわさが債券買いを加速した。
 安全パイを求める流れはNY金先物市場にも見られた。先週末比トロイオンス22.5ドル上げ787ドルで取引された。金相場の反発には、婚礼シーズンを控えてインドの8月の金の輸入が56%増加したことを材料に先高を唱えている。
 その他商品相場も全般、値下がり傾向が続いている。大豆はトン1179ドル、トウモロコシ562ドルへ値下がりした。しかし小麦は727ドルへ上昇、全面安商状にはなっていない。値下がりした大豆、トウモロコシも3年前の2倍、3倍の高値圏を維持している。
 NY外国為替市場では米国の金融不安を嫌気してドルが対ユーロ、対円ともに売られ、1ユーロ=1.4235ドル、1ドル=104.85円で取引きされた。低い金利で円を借り、借りたお金でドル、ユーロを買っていた「円キャリートレード」の巻き戻しが円相場急騰を助けた。
 ところで日本はどうか。相変わらず事故米を巡るニュースでテンヤワンヤである。「赤福」のときも「吉兆」のときもそうだった。「殿、ご内密に」の世界は江戸時代から全く変わらない。メディアに出なくなるとすぐに忘れる。失敗の経験が日本では全く生かされない。
 農水省は事故米を扱った380社の社名を公表する。金融庁はリーマン倒産に関連して被害額を日本の各金融機関に提出を求めるそうだ。病気になってから慌てても後の祭だ。(了)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「おくりびと」神戸国際松竹(スケッチ&コメント)

2008-09-16 05:30:11 | スケッチ


映画「おくりびと」神戸国際松竹

江嵜企画代表・Ken



 神戸へ出る機会があり、その日たまたま封切りの評判の日本映画「おくりびと」を神戸国際松竹で堪能することが出来幸いだった。
 主演俳優はモックンこと本木雅弘である。この映画の企画は彼が10数年前インドで納棺の世界を知ったときいらい暖めていたテーマだそうだ。
 第三者が死体を抱き、その旅立を手伝うことに新鮮な感動を覚え、是非納棺師を演じたいと本木さんは思っていた。是非自分で演じたい。彼の強い思いが2時間半近い映画を見る者を引きずり込んでいく迫力に圧倒された。
 数時間後に焼かれて消えていく人をきれいに整え最後の時間を慈しむ。自分の子供の出産に立ち合ったがその時と同じ悦びさえ納棺師に感じると彼はインタビューで答えている。
 妻役の広末涼子のけれんみのない演技も好感が持てた。夫が納棺師とわかり「汚らわしい」と絶叫する場面も印象的だ。納棺を指導する会社社長役の山崎努の存在感はさすがで、映画全体を無言で引き締めていた。
 俳優の熱演に花を添えたのが久石譲の音楽である。楽器はチエロ。チエロは肉声に近く低い音から高い音まで広い音域で演奏できる。それが納棺の場面を引き立てていた。
 映画の主人公はとある楽団のチエロ奏者だった。妻がそんな夫にこころ引かれた。ところが楽団は解散。主人公は「年齢不問,高給保証、実質労働時間わずか、旅のお手伝い。NKエージエント」という広告に飛びついた。
 主人公は旅行会社と思った。NKは納棺の意味だということも後でわかった。
 映画には食べものがしばしば出てくる。納棺のあと特にフグの白子をおいしそうに食べるシーンは圧巻だった。白子には生命の根源が宿る。生と死のつながりを映画の場面で語らせようとしていた。
 納棺の初仕事は死後2週間以上たった老婆の腐乱死体だった。納棺作業を済ませたあと帰宅、妻を無意識に求める場面が出てくる。生身の人間が死と向き合うとき無性に生がいとしくなるのであろう。
 ロケ地には山形県酒田市と鶴岡市が選ばれている。鳥海山をバックに月光川でチエロを引く美しい場面が出てくる。
 銭湯「鶴の湯」の女主人(吉行和子)の突然の死、納棺の場面、妻の主人公に対する心のわだかまりが雪解け水のように消えていく過程が美しく描かれている。
 納棺という身近な存在の映画化に成功した。初日とは言えほぼ満席だった。開演までのわずかの時間を利用して劇場風景をスケッチした。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする