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日本のリーダーよ、国難に直面した今、日本国憲法を読み直して欲しい:知人の助言

2011-04-17 12:16:17 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



「憲法第29条に「財産権はこれを犯してはならない。」と書かれている。原発事故で農業や酪農、農地が使えなくなったことは、憲法に反する。私有財産は、正当な補償の下にこれを公共のために用いることが出来る。震災災害で、仮設住宅建設のため資金不足にならないように公共借地権の思想を盛り込んでいる。正当な補償のために公共に使えることを意味している。日本の復興のために何をなすべきかは、憲法の中に全部書いてある。日本のリーダーは、焼け野原から生まれた憲法を具体化せよ、と知人のSさんが教えてくれた。

25年日本に住むドイツ人の知人が、昨日、Sさんに、ドイツのワイマ―ル憲法にも日本国憲法と同じことが書いてあると話してくれたそうだ。ドイツは日本と同じ敗戦国である。ドイツも日本も戦後目ざましい復興を遂げた。ただ、ドイツはヨーロッパの中では嫌われ者だと先日ドイツで現役で仕事をしている知人のHさんからもらったメールにあった。しかしドイツは自分の意志で生きているという点では、ドイツは日本と基本的に違うと常々感じている。

私ごとで恐縮だが、神戸で、昭和13年(1938)大水害,昭和20年(1945)大空襲、平成7年(1995)大震災を経験した。大水害は、生まれた日の6月29日から4日目の7月3~5日にかけてだったから全く憶えていない。大空襲は、その年の3月17日の夜で、阪神青木駅前の祖父母の家に仮住まいしていた。縁側に面した前庭の庭木を通して、当時自宅があった神戸三宮が赤く燃えているのが見えた。数日後、祖母が自宅の焼け跡を見せてくれた。一面焼け野原だった。その中で、焼けただれて、折れ曲がった水道管の姿を今も鮮明に覚えている。

大震災は1月17日朝5時46分、御影にある自宅マンションが突然地震に襲われた。マンション3階部分がねじれた。マンション全体が90センチ浮き上がっていたことが後でわかった。阪神青木駅近くの墓地では、三段重ねの墓石が下に落ちた。上から下に落ちるのは理解できる。ところがお隣の墓石が飛んできたのであろう、乗っかっていた。墓地付近の地盤が120センチ左右に移動していたと県の測量技師が話していた。戦後成人するまでいた阪神青木駅前の家は、2階部分が崩れ堕ち、1階部分は台所、玄関の屋根が抜け落ちた。住んでいた父と叔母が幸い生存していた。抜け落ちた台所の屋根の間から居間に入り二人を引っ張り出した。

しかし、今回の東日本大震災は、伝えられる二ユースを通じて、神戸の比ではないと日々、実感している。地震に津波が重なり、さらに原発事故と三重苦となった。特に原発事故がもたらした放射能被害は、筆舌に尽くしがたい。それに風評被害も加わった。日本全体が放射能に汚染されているかのように海外では喧伝されている。

ドイツのメルケル首相は、15日、野党・社会民主党含む国内16州の州首相らとエネルギー政策を協議し、国内の原子力発電所の運転期間を短縮することで法改正することで合意したと伝えらえる。メルケル政権は運転期間を12年間延長することを決めていた。フクシマ事故を受けて方向転換した。ドイツはル-ルは国民一人一人のためにあることを実践している。

憲法を読めば、日本の復興のために何をなすべきかが書いてあるという今朝の知人のメールは印象的だった。いま日本は、東日本大震災という、未曾有の国難に直面している。「過っては、則ち改まるに憚ること勿れ」という論語の言葉がある。リーダー不在を嘆くのは簡単なことだ。日本のリーダーよ、65年前の焼け野原から立ち直った日本人の生きざまを思い起こして欲しい。口先の説明は要らない。この先50年、いや100年先の日本を描いて、今からでも遅くない。目の前の出来るところから一つ一つ誠実に実践して欲しい。(了)

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