満員の甲子園も虎吠えず
江嵜企画代表・Ken
午後雨の予報が外れ、試合開始午後2時には薄日も差すあり様、
これは縁起がいいぞとばかり甲子園球場に足を運んだフアンは
筆者ばかりではなかろう。
ところが勝負は初回のタイガースのまずい攻めが最後までたたり、
9回にあと1点に迫ったが負けるべくして負けた試合だった。
この日も4万7,000人の大観衆が阪神甲子園球場に前日の勝利を
信じて詰めかけた。巨人の攻撃を3人でぴしやり抑えて迎えた
一回裏の阪神、先頭鳥谷がレフト線にヒット。二番平野もライト前ヒット。
3番マートンは左中間に大飛球で2,3塁。金本は敬遠気味の
四球で満塁。甲子園球場はこれで決まりのような大歓声に沸いた。
5番新井は、初球を狙い、平凡な一塁後方のファウルフライ。
力んだのか6番ブラゼルは一塁ゴロでチエンジ。
1点は覚悟したはずの巨人は勢いづいた。逆に気落ちしたのか
投手メッセンジャーは巨人4番の村田にいきなり二塁打。その後
自らの1塁悪送球で1点献上。さらに実松という、失礼ながら
名前も聞いたことがない選手にセンター前に落とされあっさり
2点目をとられた。
1点とるだけで精一杯のタイガース。どうぞ点を取って下さいと
いわんばかりの巨人にゼロ行進を続けた。7回、8回とチャンスを
潰す。次々客は席を立った。
明日の新聞には新井4の2と載るだろう。知らない人がそれを
見れば新井は結構打ったとなる。しかし、肝心な時に打って
なんぼのプロの世界である。新井さん、是非、チャンスに打って
欲しい。
打てなくても新井さんの首がはねられるわけでもない。凡打でも
国が滅びるわけでもない。どうか、今少し図太く振る舞って、
タイガースファンを安らかに鎮めて欲しい。
5月とは言え、この日の甲子園球場は薄日は差したが風が
強く結構冷えた。女性客、子供づれの姿も目立った。球場の
様子をいつものようにスケッチした。気のせいか、負けゲーム
だと、絵までなんとなく元気がないように見えるから不思議だ。(了)